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一月の最後のララバイは雨の歌
戸惑ったままに眠りなさいと
優しくリフレイン
ほんの傍はみえなくて
忘れられた君はでもまだ居てくれる
帰る場所はここなんだよと
人間でいられるうちに満 ....
白い花
黄色い花
青い花
さくらの花
葉っぱになって
薫風に揺れ
あおくなって
どんどん
蒸してきて
赤い花
きつい色の花
、気がつくといつか
落ち葉と枯れ草
みあげれば裸樹 ....
記憶のほとりに座り
流れてゆく断片を
拾い集めながら暮らす
また泣いているけど
誰かに知ってほしいからじゃない
とつぶやきながら
、何をしたいのか
みえないから
つくっているのだろ ....
そとに出ると
花が増えている
風ならきっと南から
踏みしめるアスファルトに
いつもの靴はよく馴染み
足りない
違うと思う
そうじゃなくて
夕日が沈むよ
きょうが死ににゆくよ
西が自分の墓場だと
ちゃんと知っているんだね
私には自分がわからない
舵取りもできない
そしていつかはこのまま
失ったまま終わるのだろうか
....
あの日
さくらの頃
ピンクのセーターのなかに
白いブラウスそして
赤いスカートの
あなたがはにかむ一枚を
十二年後のいま
みているわたしはもう
さくらからは遠く
あなたより恵まれてい ....
一月も終わる
暖かな日曜日
夜になって
北西風が窓を叩く
ヘッドフォンしてなくてよかった
コブクロより君がいい
だって風よ君もずいぶん
さみしそうに聞こえる
こんな時にはあの砂場
バケツとシャベルと連れ立って
こんな時にはあの池の
ドロドロ具合よよみがえれ
シロツメシロツメ踏みしめて
むしったっても罪知らず
隣の畑のレンゲ草
この子の次の ....
泣いたって
泣いたって
壁は応えてくれない
でもきょうも
ほらいまも
だってほかに宛てないから
君は遠くて
あの子も遠い
あなたは死んだし
あの仔も死んだ
さみしくてたまら ....
初詠みで詠みびと知らず一首置く母さんあけましておめでとう
晩秋の苗からの君ベランダで匂う名前はパンジーという
ヒメジョオン春に一筆書くけれどごめんノースポールが可愛い
ラグラスかバニーテールかどちらでも可愛い君を呼ぶに足りてる
....
十二月下旬となればこんな日は夕日がかなしい歌うたってる
冬を言えそう言われたらわたくしはさびしいですと供養塔向く
リカちゃんもバービーもいま持ってない捨てた記憶も持ってはいない
....
思うのはみんなさくらのことなんです花びらみっつほしい病床
けぶる空 さよなら
いつか またね
わたしを待っていてくれるのなら
きっと すみれ色で出迎えて
真夜は訪れ
いのちたちは
息をひそめる
ちいさなさよならの
行き交う街角
きっ ....
「ほろにが ください」
「いつもの ですね」
「そうです ほろにが」
あの{ルビ娘=こ} またほろにがなの
あの娘 まだ年端も行かないのに
あの娘 いつもほろにがなの
味 わかるのかし ....
あの{ルビ娘=こ}が部屋から出なくなって
もう既に一年の半分が過ぎたはず
年越し蕎麦も初詣も
僕へのチョコレートも無かったね
あの娘の部屋は
もう既に取り壊しが決まってる
古い古い ....
きみは五年の長さを知っているか
経つ、の意味を知っているか
帰らぬ意味を分かっていたか
どこへゆくのか悟っていたか
わたしは無防備だった
知る、分かる、悟るからは遠かった
でもいまでは ....
本当は違うんだよと
言える、言えない、言える、
言えない、
汽笛が聴こえる部屋ならば
きっと届けるこの思い
列車の駅はすぐのところで
かならず乗せてくれるチケットもある
ポケットを確 ....
なぜこんな時に扉を叩くの
花瓶に花の活けていない
美味しいお茶のあてすらもない
ましてや椅子は一人分
花なら持ってまいりました
お茶の用意もしてきましたよ
あなたの部屋の電気ポット
....
石の原野に青い花が咲いた
石っころたちが拍手喝采
泣いているものまでいた
青い花は揺れる
風に愛されて
青い花が揺れる
土地の熱い吐息に
ちっとも淋しくない青い花
本当にしあわ ....
石っころよ
名を持つ花たちよ
シャンデリアから60Wへそしていま
(メタファーたちの淋しさ)
カメラと書かずに写真機と書いて
あるいは歓迎される、そのこと/ものの意味
誰が選べたのか立 ....
ときどき神さまに聞いていると知っていましたか
あれもこれもどうしてなのかなと、なぜですかって
このことはどうか
耳元に聴いてください
記述として
わたしには友達がいるということ
助けて ....
風尽きてかなしい凪の闇のなか夢を忘れてしまいたくなる
元旦にお雑煮のなし蜜柑なしされど思い出{ルビ遥遥=はろばろ}{ルビ響動=とよ}む
元旦にお雑煮のなし蜜柑なしされど思い出晴れ晴れと詠む
薬指惹きつけられて迷い込みみそ一文字の迷路くるくる
コーヒーの冷たいものを冬に飲むわたしのつむじは左巻きです
閏が来るたびに先延ばしのかなしみがある
一日の重さが微差とはとても思えないほどの
骨には痛みを伴って、こんな冬の日
そとの曇り空の下へ行ってみようか
たとえば、
あの児童遊園
ブランコ ....
あと二日で暦の捨て子となります
アラームをセットして
歎いてみようかな、なんて
過剰に期待しながらいま
ケータイを握りしめています
きのうは一つだけの鍵でしか開かない
ここに看護師さん ....
花言葉は知らない
知らないで選びました
ほかには浮かばなかった
記憶のなかでそれは相応しく
焼べられて、もう
枯れることのない思い出となって
ひとり泣くだけの十二月に
その棘すらもい ....
西向いてテディと布団にもぐる夜その方角に父の墓あり
三十分電車にまかせ揺られれば宙は星星ケチらないのに
父さんの部屋の片づけしていればあれもこれもみな形見ばかり
渋谷駅ハ ....
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