すべてのおすすめ
理由があって神経を尖らせながら
ほとんど毎日を泣き暮らしている
ほとんど毎日決まったひとたちに
メールか電話をして呆れられてる
けれどみな優しいからあれこれと
まくしたててもいきなり呻いても ....
冬の最後の陽光が自らを惜しんでいないと
知っていながら私は部屋で
あしたなどないと固く
信じ切って ただ
惚けていた
いまこの瞬間のかなしみを可愛がり
てのひらに載せたり
ベッドに寝 ....
隣りの家の小母さんは
ちいさくて可愛くて
とても珍しい
南の国の生まれだという小鳥を
とても大切にしていた
小母さんの宝物
知っていたけどあたしは
鳥なら空を飛びたいだろう
そう思って ....
わたしがまだ
あなたの子孫の
最初の日にはもちろん
衣服を身に着けると知らず
もちろん衣服を選ぶことも知らず
もちろん日本語は持っているわけもなく
いつかのご先祖様のあなたは
愛を語 ....
如月の茜の空のあかよりも紅い木の実が冬をみつめる
思うほどさやかじゃないよ雪道を自販機もとめて歩けばわかる
降る雨は街の灯りに染められて生まれた頃を懐かしみ泣く
外れから ....
{引用=私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景
私は何も語りたくない
私としてのさびしさなど
私は私でありたくない
私にとって 私でありたい
私にどうして{ルビ彼=か ....
私の心のさざなみは
骨となったのちにも止むことはない
(たとえば)
十六年前の路傍のつゆ草がいま
そう 決めたようです
とても卑屈に落ちた時
みあげることなど役に立たない
そのことをほんとうに知っているあなたは
宇宙のどこかに居るのだろうか
そう思ってわたしは空をみあげる
荒れるはずだったのがうそのような ....
家もない、
名前もない女の子になってみたい
食欲の束縛から解放されて
たとえば風になりたいと
だけど記憶は手放したくない
良いことばかりじゃないのは他人とおなじ
そしてわたしだって
ぽか ....
あの日 わたしは地球の上を電車で走っていたが
その翌日 わたしの脚を守りながら
わたしと(この小さな町の)道を走っていた一足は
歌を忘れたカナリヤとの冤罪とともに光りを奪われていま/
とこ ....
街のはずれの廃校の廊下に気配の何すらもなく
ただ一枚の絵が残されていた
おさなさのめいっぱいの「四年三組」そして名前そして
描かれている 理由のないふうを装った
それは遺言だった から、
割 ....
経験を拠り所とし本読まぬわたしはバケツとシャベルのこども
形見にと心がぐずる父の靴百万年後を想い思い切る
潮騒は木々の葉そよぐ音でした泣きたい夜に思い出す部屋
遠い夢すぐ ....
風よ、聴け。息吹きの営みと市井の歌を
風も恋をするのだろうか
風になりたいと思っている、食欲の束縛から解放されて
…来るところまで来ちゃったんだろうな
懐から小銭入れを出して、
きょうのパンを買う代わりに
ついに切符を買う日が訪れたのかもしれない と
気持ちが揺れる
揺れるままに足はマーケットを過ぎ ....
私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景
私は何も語りたくない
私としてのさびしさなど
私は私でありたくない
私にとって 私でありたい
私にどうして姿があるのか
多分 ....
木香薔薇がゆるされるほどの塀にアーチ、
くぐってドアを叩くが 大きな洋館
やっとわれに返って呼び鈴だと気づいた
鳴らすが、待っても静かなままだった
身なりは精一杯に整えている
精一杯だっ ....
駅にゆく道すがら
こどもがしゃがんで俯いている
俯いた背中が震えている
泣いているのだとわかった
道行く人を視ていると
みな邪魔そうに避けていく
なかには蹴とばす真似をして
薄ら笑っ ....
星遠く月より遠く太陽も淋しいだろう光年の距離
散り落ちた落葉樹の葉が育んだ大地の春にまた蒼い花
この世の灯りなんてみんな壊れて消えてしまえ
満たされている順に地獄を見るといいんだ
たっぷりと紅い実りを街路樹でみつけて食べた アメリカだった
ジューシーで深い甘さと邂逅し母国を忘れゆく小学生
初恋を真摯な顔で言う場ではチェリーと言うと決定しました
おや ....
アップルジュース太陽の恵みたっぷりの金色の君は下戸のシャンパン
さらさらと光り零れる陽だまりを猫と分け合う今年暖冬
猫眠る回向院のふゆ思う時いつも色彩淡くやわらか
コンビ ....
まだまだ若いのに
叔母さんがいよいよ危ないって
季節先取りの真っ赤な元気出そうな
チューリップの束を頼んで受け取って
花屋さんを飛び出して
息に間に合ったけど
意識に間に合わなかった
チ ....
光りのあしたが私たちの歌を聴いているとしたら
あしたも必ず光りのあしただ
、冬の梢がうなずく
ミモザからの約束のようにみずうみの漣もほほ笑んでいる、
という日になぜか
胸のどこかしらは強 ....
ふた桁のぬいぐるみたちを所有するわたしの棺はにぎやかだろう
活けるなら白だと思い一輪のスプレー咲きのあなたを買った
歳時記の風を訪ねて父に聞く「あなたの骨はいまどこですか」
....
十二月はもういらない
この部屋にはいらないから
そのようにあきらめていただく
権利はこれから定めさせていただく
私は堂堂とカレンダーから十二月に辞めていただき
しあわせなバラ色の
部屋 ....
とても会いたい!
妹があした死んだ
もうもどらないあした死んだ
きょうは回向院で眠っている妹は
もうもどらないあした死んだ
きのうは大丈夫だった
おとといも大丈夫
なぜあしたを選んだのか
妹は
....
私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景
私は何も語りたくない
ひととしてのさびしさなど
私は私でありたくない
私にとって 私でありたい
私がどうしてひとであるのか
....
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