むかし
　海に砂糖を入れたら甘くなるかという事を
　思ったもんだ
　発展した技術屋かなんかが
　科学的に
　科学的に証明したのでつまらない
　詩人が持つことを許されたピースが
　また１つ破棄された

　昔よりも
　年をとればとるだけ、海へ行くことが無くなった
　久しぶりに行けば
　昔よりも塩辛くなっている気がした
　この海が甘くない
　まるで人生のように
　いま私達が目の当たりにしている大きな壁を
　塩辛さが厳しく伝えているようだった

　海が泣いているから、塩辛い
　あの時の子供の表現が素晴らしかった
　徐々に明らかになる現実
　塩辛さが身に染みて
　涙が零れそうになった