海底を這うようにして生まれてきたんだろう

人はいつも遠くから鳴る音が懐かしいんだ




風邪ひきむすめは夢を観た

あんこうがやってきて

あたまが痛いのかい
 ....
何の気なしにそいつを手に取ったのさ
わけなんてありゃしない
そこいらに落ちていたゴミを拾ったような
そんな気軽さ

赤茶色の表紙
そいつはずいぶんふてぶてしい面をしていやがる
まるで鏡に ....
コルトレーンのサックスが
僕のペンを踊らせて

水色のノートに
リズムを覚えた言葉達
派手に転んでは
また立ち上がる

詩がダンスなら
人生だってダンス
空白のページに
素敵な言 ....
露草色の空を
のどかな雲が流れて行く
いつか見た雲が白い蝶をかたどって
私の頭の上を
風に吹かれて飛んで行く

どこへ行くのと手を振ると
今度は白い子馬となって
東の空へ駆けて行った
 ....
朝、自転車に侵入された
ちょうど起きようとしているところだった
カロロと卑猥なペダルの音を耳元でさせ
とても恥ずかしかったが
俺は初春のように勃ち
自転車は器用に車輪をたたみ侵入してきたのだ ....
「秒針」




いちばんほそい針が
無段階に滞りなく
滑ってゆく
きちんと六度ずつ
かっちこっち
鳴っていたはずなのに
いつのまにか


一秒、
という物差しを
見落 ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
空蝉か
盲目か
鉄鎖
錆色
儚く
破れては
血の味で
噛締めた
「強くなりたい」
凶暴か
それは狂暴か
葉だらけの
枝垂れ桜の前で
誓った
女性の
寂しそうな表情
満た ....
切り別けられた岸で、
あなたはいつも、
わたしを見ている。
わたしは水で、
あなたを流れ満たしている。
対岸の、
あなたとあなたは、
ふたり。
わたしは ....
同じ道
歩んだつもり
 
同じ空
見ていたつもり
 
同じ時
過ごしたつもり
 
 
 
同じこと
していたつもり
 
 
 
同じこと
しているつもり
 
 
 ....
梅雨の晩送られし日々の紙一重

夕立の山小屋のよな紙一重

麓から頂上までをなぞる指

折り紙を折る指に癖あらわれり

夏服を脱いで蜉蝣乱舞せり

青簾恋匂い立つ畳の間
心地良い音を立てて流れる小川に
5月の光が溶けてはじける

その中にひらめく小さな魚の影
黄金色の川底の砂に等間隔の影を落とす小さな群れ

風が作る小川の波紋に揺られて
魚の影もゆれ ....
現在形で突っ走ったので
少し汗をかいています。

未来形で懐疑的なので
いささか今日が懐かしいです。

過去形で憤慨しているので
どうにも目的を見失います。

あまりに精巧に構築され ....
地下鉄はきらいだ
そとは暗い

こんな朝に
あいさつを
したいのに

 *

このうすいからだの皮膚に

染みだしたような

うわずみのような感情が潤んで

それを掬おう ....
あなたの花言葉は「誠実」です
と、言われた人が困っている。
それも無理からぬことで、
彼はこれまで
人並みに嘘をついて生きてきたし、
時には、妻以外の女性と
ベッドを共にすることもあっ ....
窮屈な暗室、限りの空が、
多い積もる微生物で埋まる。
ごちゃごちゃと、澄んで視得ないのはその為、
ではないと知っていて。

折り重ねた宿題は、
ノートと共に凡そ捨ててしまい。
セピア色に ....
その夜の月は
暗闇の中にぽっかりと開いた
白い穴のように
輝いておりました
私は
目を背けることができず
ただただ
見つめておりました
月は
ほんとうにまん丸で
とっかかりがありま ....
生まれて
しまった後ならば、
二度と
生まれて
いけないだろうかと、
ひとりごとだけ
生んでみる


いくつになっても
守られるから、
さびしさは
無くならない

幼なじみ ....
 硝子の靴の落ちる音。
 振り返った君の瞳に
 今は、悲しみが見えない
  ・・・安堵するにはまだ早いけれど。


 朝日の落ちたリヴィング・ルームは
 持ち主のいないティーカップを浮き ....
なにも愛さない

なにも愛せない

夏の木の緑の葉だって
冬になれば枯れて消えてしまうなら

青く輝き広がる海だって
冷たく僕を拒むのなら

愛さない方が良い

町を歩く猫や犬 ....
なにもないは白か

なにもないは黒か

なにもないは透明か


白いなにもないには白があった

黒いなにもないには黒があった

透明ななにもないには透明があった



な ....
流行のウイルスは たちが悪いみたい
君のことだから 不用心なんだろう

満月だからといって 明るいからといって
女がひとり夜道を 歩いちゃ行けないよ

 ....
愛しいあなたは
きっとお腹を空かして帰ってくるでしょうから
私は私を切ったり焼いたり煮たりして
おいしい料理を作りました

帰ってきたあなたは
皿の上に載った私を平らげて
そ ....
ビルの
濡れたところと乾いたところ
海岸通りによく目立つ
あの一枚岩のビルが
晴れ間の舞台に立ち
静かな雑音と共生しはじめたばかりの今
まるで定規で測ったような岩壁のところどころが
濡れ ....
終電前の 
人もまばらなラーメン屋  

少し狭いテーブルの向こうに 
きゅっ と閉じた唇が 
うれしそうな音をたて 
幾すじもの麺をすいこむにつれ 
僕のこころもすいこまれそう 

 ....
今日は夕焼け空だった
だけど今日は相変わらずどこへも入り込めなかったので
迷っているうちに一日が閉じた
そして空欄の日記が増える
今日も何もない一日だった

なあ、嘲うなよ電気
そりゃ確 ....
空わたり沈むまなざしみずたまり



二季またぎそよぐ野の墓みずたまり



何も得ず何も見ず居るみずたまり



輪を{ルビ描=か}かずめぐる生の輪みずたまり
 ....
 とかく、そのフォームの美しいこと。
 僕は退屈になるとよく相談したものだ、
 ねえドリー、君の肺癌以上にかっこいい死に様ってあるかな
 ドリーはヤニが浮いた歯茎を扇子で隠して
 腐るほどにあ ....
十五世紀のふらんす人は
なんだかしらないけど
いつもメランコリックで
人間を焼いたりしてみてた

そこまでいけたふらんす人は
なんだかんだですごい
よくわからないけどすごい
無駄っぽさ ....
瓦屋根白黒雨粒てんてんてん

夕立のみぞおち満たす涙かな

右折してまた右折右折片思い

山消ゆる入梅とともに君までも

紫陽花の涙雨に浮かぶ薄紫

窓ガラス雨だれ落ちては指で追い
soft_machineさんのおすすめリスト(1848)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あんこう- くあせ@ ...自由詩4*07-5-24
アルバム- あveC自由詩407-5-23
ダンス- Porter自由詩19*07-5-23
露草色の空を_ー海へー- 未有花自由詩22*07-5-23
侵入- たもつ自由詩1407-5-23
「秒針」- ソティロ自由詩11*07-5-23
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
- 秋也自由詩1*07-5-23
「_対岸。_」- PULL.自由詩5*07-5-23
air- 瑛治自由詩107-5-23
青簾- 小川 葉俳句507-5-23
幼子が去った後には- いねむり ...自由詩107-5-22
空間は色気を出して- ブルース ...自由詩607-5-22
おはよう- 水町綜助自由詩22*07-5-22
花言葉- Tsu-Yo自由詩407-5-22
ランドセル- ICE自由詩207-5-22
月は渡る- 麻生ゆり自由詩7*07-5-22
生まれてみたい- 千波 一 ...自由詩17*07-5-22
リアル- 灯和自由詩8*07-5-22
何も- テルテル ...自由詩3*07-5-22
なにもない- 粕身鳥自由詩307-5-22
蒼月- 北大路京 ...自由詩13*07-5-22
私料理- なかがわ ...自由詩5*07-5-22
アメアガリ- チグトセ自由詩9*07-5-21
ゆげのむこう- 服部 剛自由詩19*07-5-21
アカネ- チグトセ自由詩8*07-5-21
みずたまり- 木立 悟俳句1107-5-20
ドリーは吸殻を投げる- 錯春自由詩1007-5-19
全て幻だというオプティミズムはきっと演技して完璧になるのら- 知風自由詩207-5-19
涙雨- 小川 葉俳句3*07-5-19

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