三月の風が二月より冷たい
冬がもう少し生き延びているのかな
昨朝国見峠では雪が降っていたそうだ
できればその景色を見てみたかった

いずれ今年に春が訪れる
冬らしい冬を過ごさなくなって
 ....
靴の中は酒まみれで
ガボガボでグチャグチャになっている この朝に
足元がふらついて足がどんどんと沈んでいく この町の地底に

ポケットをまさぐって1つの生命を取り出そうとする
ライターの点火 ....
俺は君の喉奥に居て
いつかの歌を聴いている

いや、ラ
ヴぃ
飲み込んでいる

俺はかつて
空に下りる全ての命は爆弾だ、
と言いかけてやめた
君に会えて嬉しい
四季が蠢いて
 ....
しろいそらから
八百万のちいさな
ちいさなほしが
散弾され、落ちてくる。


かれらはまず
手をふってぜつぼうする、
それからとぶ、およぐ、まぜる、
それからたびにでてひとり ....
カスタマイズとカスタマイズの狭間を携帯で埋める
仕事の休憩時間に俺が詰め所にいなくて公園にいることを俺の子どもが見たらどう思うだろうか
意味のわからない言葉を言ってわらって-

世界の路上では ....
木彫りのゴリラを作った
魂をこめたつもりが
こもったのは悲しみだった
真夜中彼はがんがん胸を叩いて吠える
号泣だ
朝、机の上の涙の水溜りに半べそでモップかけてる
あんまりか ....
隔たりを埋めるために

どこまでもどこまでも下ってやるんだと思っている

今数々の生き物たちと別れを告げて

新しい出会いと別れという

いわゆるお涙頂戴を繰り返しながら

たまに ....
          夕方、私達を驚かせたのは黒雲のような
         ムク鳥の群れだった。電線の下を歩く際には
       落ちてくる雷に気をつけなくちゃならない。
     鳥達を驚か ....
おれはニューヨークへいきたい
夜に恋したい
摩天楼に踏み潰されて
よそ者になってみたい
田舎者の悲哀に浸りたい
もっと昔、絵に描いたような昔の
大都会に憧れている
おれはべたな男だ

 ....
いっぽんの木は森にまぎれ
ひとつの屍は累代の死にまぎれ
かすれない文字が積み重なることばにまぎれ
わすれることをゆるしながら
不意打ちのように
わすれたということを思い出させる

――― ....
おいてきぼりの堀を歩いて
寂しいよって
泣いたら
誰か来てくれるかな
弱いものには
やさしい気持ちになれるよ
攻撃しては
こないから
強さって
剣を振り回すことじゃないって
わたし ....
マヒンドラとマヒンドラは
おなじ日、おなじ時間
おなじ名前の病院で
この世に生を受けた
唯一違ったのは
マヒンドラが産まれたのは
北部の国立ガネーシャ病院で
マヒンドラが産まれたのは南部 ....
まるで
 
この世の
全てのものが
寝静まったかのような
 
そんな静寂に
包まれたとある一角
 
 
溝の中で自慢の目を
光らせる野良猫さえも
その混沌とした
闇に溶け込み ....
空気になったんだよ

彼方はそう言った

悲しむべき事ではない

そうも言った

傍らで泣く小鳥達は

夕陽が沈むのと同時に飛んだ

果てしなく高く

空気になったという君 ....
口内炎になった

辛いものや酸っぱいものがしみる

彼女の言葉もやっぱりしみる

だけど

僕自身が多くの事を想像し妄想し

空想する事で分泌される唾液

それが一番しみた
 ....
錯乱した

曇天の

ハーケンクロイツ


だれかの 閃光


白い声をめくり

棲息を

纏いながら廃墟をとじる


かなたの 問答


見えない洞窟

 ....
諦めた?
かたどった?    ?
                           ?
君が姿見を見た?
                   ?
青みがかった?
白く透き通った?
 ....
青かったノートには

思い出したくもない稚拙な輪

くるくると回る

なんとも不細工な輪


取り繕ったリボンの先

恥をかいてうつむく眼鏡の子

あの給食の匂い

なん ....
見捨てられてしまった夢は
どこにも行く当てもないまま
下を向いて歩いていた
夢は希望を失ってしまったのだ
このまま消え果てゆく
そう思った
本来ならば夢は夢なのに
夢は夢をもてなくなった ....
鳥篭を落とす
田圃、鳥のいない
鳥篭だらけの田圃


渇いた積み藁に火を放ち
積み藁に火を放ち、
冬が勃起する


ふくよかな夕焼け覆う、
冬がゆっくりと
深く揺れ
 ....
やってみたいことはたくさんある けれど、
やっておきたかったことも、たくさんあった

高く、空に流れていった最後の校歌と
旅立ちの、握りしめたら少しだけ痛い
金釦のような歌
それらをいいわ ....
風の吹かない店内で プロペラが回る
喫茶店の隅っこ 私を優しく包む 木目の世界
雨漏りの音がする夕暮れ 待ち人来ず
軋む床の下からは ガタンゴトン
地下鉄の音がする
洗い物を洗う
皿を重ね ....
あんな色の
月の光に照らされては
わたしたち
色彩を失っていくばかりの
ようですね

あんな色の
夜空に月を浮かべられては
わたしたち
月以外にお友達が
いないみたいですね

 ....
★ 〜 ★★★★★ と書いた時に君は、
〜 の部分を ★★ ★★★ ★★★★ と解読する。想像する。
君は、「鳥」は「飛ぶ物」だと思い込んでいる。
君は君を君だと思っているね。思っている。感じて ....
「愛してください」と言えないから「ちゅーりっぷ、ください」と言った


「あなたが好きです」と言えないから「白いちゅーりっぷが好きです」と言った


たった一つ、あなたから貰った
白いち ....
 生物達がみんな死んで
 住宅街はひっそりとしている
道端にコオロギの死骸を見つけた
 足で蹴ってみると体は実が無くスカスカだった
 夜の住宅街
 巨大な公園に沿って家が建てられている
 ....
ジョニーがジョニーになった日は
風の強い日だったという


ジョニー
本名は青木勲
親父さんは右翼でアル中だった
よく夜中に日の丸をふってわめきちらしていたという
お袋さんは幼馴染の女 ....
きみをひらくと
なかから ちいさなきみが
ぽろぽろと はだかのままで
たくさんの 砂金のようにこぼれて
たくさんのきみは 少しはずかしそうに
ひざをかかえてる

 ....
今、踏んだ、枯れ枝
その中に眠っていた想い
遠ざかってゆく
永遠に

今、放った、貝殻
僕の手のひらの温度を引いて
遠ざかってゆく
永遠に

雲は遠くの水平線に砕け
 ....
確かにこの街にいた
お口を使って生きていた
わたしのねえちゃん

お口を使うお仕事

テレアポ
アナウンサー

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