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尾の長き生き物らしい。寒さとは
爪並べ指を揃へて朧かな
春の月唐突に死の淵に浮く
炎昼を赤子の声で鳴く蝉や

誘蛾灯十枚の爪かかりけり

泳ぎきし手足を埋めて砂の城

真夜中の汗つま先へ到達す

扇風機ふいに大きく頷けり

蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ....
蟻地獄柱時計の午後三時

ブルースと夜霧のためのバーがある

黒百合や母のピアノの埃拭き
梅雨の晩送られし日々の紙一重

夕立の山小屋のよな紙一重

麓から頂上までをなぞる指

折り紙を折る指に癖あらわれり

夏服を脱いで蜉蝣乱舞せり

青簾恋匂い立つ畳の間
空わたり沈むまなざしみずたまり



二季またぎそよぐ野の墓みずたまり



何も得ず何も見ず居るみずたまり



輪を{ルビ描=か}かずめぐる生の輪みずたまり
 ....
瓦屋根白黒雨粒てんてんてん

夕立のみぞおち満たす涙かな

右折してまた右折右折片思い

山消ゆる入梅とともに君までも

紫陽花の涙雨に浮かぶ薄紫

窓ガラス雨だれ落ちては指で追い
五月雨に映えて{ルビ清=すが}しや草緑


散歩道寝そべる蛇に邪魔をされ


木漏れ日に透かして緑の影模様


憂鬱な世界を壊せ青嵐


吹き荒れる緑に心さらわれて


 ....
散ることを知らずに咲けぬ霞草

この皿は一人暮らしの味がする

万華鏡最初の絵柄はよかったのに

一輪挿し咲いているのは違う花

地下鉄の窓の鏡が怖いだけ

あくる朝アドレス帳 ....
アネモネの恋の痛みが風に散り


着飾って並んで見てるチューリップ


蒲公英の綿毛に乗って空へ行こう


隠れてもわかっているよ沈丁花


青スミレ君に捧げるサムシング・ ....
走っても走っても正確な時間

愛想笑いが止まらない

何に対してかわからずレ点を入れている

飲み屋で残業

コンビニの弁当おいしい でも返事がない

mixiで待ち合わせ

 ....
裕次郎の無頼の歌や八月尽

稲光叫びたくとも叫ばれず

秋夕焼けヨードチンキの染みのごと

新涼や夜の果てから明日を見る

何も無き身を庇ひつつ休暇果つ

秋初めビーナスの裾整はる ....
ほととぎす米は粒立ちて炊きあがる
万物の匂ひ放ちて梅雨入かな
麺麭の肌黴の楽土は燦然と
著我の咲く野に雨の声雨の唄
靉靆と言ふ語に逢ひぬ五月尽
ほとばしるごとく青蔦壁にあり
五月雨や古代の ....
春光や「カレーの市民」の尻の張り

春光や決死の像に漲りぬ

彫像の裳裾の奥へ春光る

春光の中や塑像の蹲る

緩みなく「考へる人」春早し

春立ちぬ考へること生きること

地 ....
soft_machineさんの俳句おすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
寒さとは何か- 右肩良久俳句408-3-2
怪談俳句- 渦巻二三 ...俳句20+*07-9-10
柱時計- 村木正成俳句207-5-26
青簾- 小川 葉俳句507-5-23
みずたまり- 木立 悟俳句1107-5-20
涙雨- 小川 葉俳句3*07-5-19
緑したたる- 未有花俳句12*07-5-16
霞草- 小川 葉俳句4*07-5-15
花日和- 未有花俳句15*07-3-14
雨がバキバキ鳴るまで歌え- 新守山ダ ...俳句306-5-24
八月尽- 右肩良久俳句104-9-1
黒南風- 右肩良久俳句304-7-17
県立ロダン美術館- 右肩良久俳句404-2-23

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