船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
100円玉2枚と10円玉何枚かを
レジのお姉ちゃんに渡して
ブランコの上で開けるプリングルスが
俺の中学校の時の夕飯だった
ある火曜日俺はいつものようにプリングルスと
その日はココアシガレッ ....
謎るRing-Oと林檎のお菓子
凹齧れば王子仮死
しかし詩菓子を可視れば
桜花氏と王子がシンバルで
追う歌誌のモノローグ
「サンジですよ、内緒!」
 


  アルファベットjのような
  日本
  列島に
  ぐんぐん
  侵略してくる
  台風23号の
  暴風圏
  15k以上の
  突風で
  秋雨前線をおしあげる ....
ベルトの上を流れてきた
斑模様の機械製品の
ねじがゆるむこともなく
大きな箱の中で分解して
飛び散ることを目的とした
たくさんの鋭利な欠片となり
向こうの平野に沈んでゆく様子

 ゆら ....
立ってくれ
全身はだけて
白いペンキで
塗りたくる

裂けている
それでも暗く
ひらいてる


あちこちに


ひらいてる
それでも暗く
裂けている

塗りたくる ....
居心地の悪さかき寄せた
縫い目のある壁紙が部屋を裁ち落とす。
呼吸する天井は敵意ある
複数の声を孕み、
意味なく嗤う床板は、
脈のある砂塵に化して容赦なく近寄ってくる。
広げた手のひらに
じゅ 脂一滴、落ちて広がる
広げた手のひらは
じゅ 脂一滴、受けて悶えた
「     」
形にせず、呻くことを
覚えたままに、繰り返す
ととととと
砂が落ちる
とと ....
牛乳が必要だ

牛乳が必要だ 皆さん
通り過ぎるうしろの自転車灯も
コンビニの袋も
皆 白いじゃありませんか

愛する人に会ったのは 夏


キンモクセイの花びらが
オレンジに ....
シャワーを浴び
体をすみずみまで洗って
髪をつやつやにブローし
化粧水
美容液
下地
コンシーラー
ファンデーション
粉白粉
ここまでがベース
眉を書き
アイシャドウを入れ
ア ....
左手は
重たい頭をささえていて

それは頬杖
というのだけれど

わたしは
本当はその恰好が嫌いで

なんでかといえば

できれば
誰にも見られたくない

白い画面を見つめ ....
 機械のような雨・・・・蛇口のような雨・・・・
 アスファルトを・・・・草原をたたく雨・・・・
 傘から濡れて雨・・・・靴下を毀れる雨・・・・
 窓が曇って視界・・・・がみえない路肩・・・・
 ....
  隔てれば遠くなるのでしょうか
  確かに幼子は海辺遊びを
  憶い出します

  その頃
  銃弾で命を奪われた
  腐乱の進んだ死体達が
  幾重にも土の中に放り込まれたといいます ....
  

日平均残業三時間の男で惣菜売り場がごった返する午後9時
たまには
という連中が鮮魚コーナーでうろうろする
帰りの電車でグルメ漫画を読んでたりなんかすると


白い袋の中には当然 ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
9に
縦の線を引いたら
猫になった
こちらを見た



水のかたち
火のかたち
草のかたち
さざめく背



冷たい朝の送信
少し遅れる返信
遠くの遠くの声
 ....
たとえば 
わたしが沈むとき
くるくるとつむじをなでる
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしがつまづくとき
ついとおでこを押える
てのひら
がほしいのです

たとえば
 ....
軒を借る身をも忘れよやはらかき秋雨にふるよわき世心 アルコホル
眠くなる後悔する

夜のすきまには


都電はすべて ばらけている
傘の先つたう水を
すとんと間抜けた放送を
泥に似て垂れる人を窓につぶつける雨を
ゆられてふらめく光 ....
あんたの短歌はフルーチェの匂いがするね愛しいだけさ


真白なTシャツで作ったフラッグを振る死んでも名前は同じでいたい


眠れないのは誰のせい深夜音楽番組を片っ端から惚れる土曜日

 ....
いちょうのにおいをかぎわけるころに
どちらからともなく手をつないだゆうぐれ
言葉を待っているでもなく
色づいた葉が落ちていくのが
コマ送りのように目に焼きついて

図書館前の噴水は
夏を ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う

乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める

 「 ....
ひとつだけ
たくさん
あげるから



ひとつだけ
たくさん
たべてね



おねがいね。
おとうさんが
とてもおおきなつぼをもらってきた
かぞくぜんいんで
おおさわぎしながらいえにはこびこんで
りびんぐのすみっこをかたづけて
なんとかおくことにせいこうした
きれいなもようが ....
 哀しみの絵とその音のない映画から
 スクリーンが破かれて救い出された
 洪水のない水浸しの家はとうに歩けない

 哀しみのない歩き方はやがて窓の外に出て
 降り積む雪の夜を滑り出すかどうか ....
今朝の106号室から角の部屋まで
廊下はどこまでも静かで歩く音が跳ね返り
新聞の見出しが目立たない暗さから明るさへ転じた後も
ドアは眠ったままの土曜日です


薄いむこうの壁で音は歪みが強 ....
「海のような空」と言った時
幸は詩人になった

果てしなく拡がる青は
幸に詩を届けた

鳳凰三山から伸びる
空の清々に
視線を送る眼差しは
心なしか詩人であった

そんな詩人は好 ....
*
目覚めると音のない世界
カーテンの隙間から灰色の光が射している
明けていくカーテン越しの光のなかで
青磁の肌が鈍く輝く

この部屋はこんなふうに朝を迎えるんだね。
僕は君を置き去りに ....
浮き足立った
夜の足音が

笑いながら僕の上を
通りすぎる時


単純な僕は
ただ

あらわな涙に
焦がれるのです
ほれ、みえこみてみ、ちっこくてめんこいおててだ

祖母は私を母の名で呼んだ
どんなに人を忘れても
季節の意味は憶えている

拾いあげようとするその手も
祖母も
小さくて可愛い
紅葉で ....
湾鶴さんのおすすめリスト(758)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
図書室- たもつ自由詩3704-10-21
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O-八つ- 六崎杏介自由詩204-10-20
ぼくはマックであなたの記号を考える- 天野茂典未詩・独白304-10-20
世界が_新しくなっては- あやさめ自由詩204-10-18
立ってくれ- バンブー ...自由詩204-10-12
部屋- ななひと自由詩304-10-12
通りすがりの- 光 七清自由詩104-10-11
白色恋唄- 山内緋呂 ...未詩・独白1004-10-10
フルメイク- チアーヌ自由詩504-10-9
頬杖- 蒼木りん未詩・独白1*04-10-9
花をさそうよ- 天野茂典自由詩204-10-9
済州島4・3事件へのオマージュ- はらだよ ...自由詩204-10-8
タラ- AB(な ...自由詩104-10-8
シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8
9の猫- 木立 悟未詩・独白504-10-7
てのひら、そのとなり- 望月 ゆ ...自由詩1104-10-6
_a_wandering_jew- 佐伯短歌204-10-5
アルコホル・ラ- nm6自由詩1104-10-5
十年後から- ピッピ短歌1104-10-4
秋の日の感傷- 岡村明子自由詩7*04-10-4
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すなおなパンダ- フユナ携帯写真+ ...9*04-10-3
つぼ- アンテ自由詩9*04-10-3
かなしみ等式- あやさめ自由詩204-10-2
その果てに日曜日- あやさめ自由詩104-10-2
幸(さち)- はらだよ ...自由詩404-10-2
ANOTHER_GREEN_WORLD- カワグチ ...自由詩51*04-10-1
帰り道- 松本 涼自由詩3*04-10-1
染まる祖母- 石畑由紀 ...携帯写真+ ...1104-10-1

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