ミシシッピ・ブルーを忘れてしまった
2台の古いラジカセから
サラウンドで流れるサーフロックの隙間に


今日はなんだか涼しいね

違和感とマージして さようならも言わずに
歪んで照り ....
万象に向かって天使が放たれる
花垂れる虚無より千のレール延び
(神の微尉為す唾液をたたえた点sea)
千の口が万象に口づける淫化学の
溢れた溶液が炎苛性の壁を反復する
頭上のロープに祝辞の電 ....
 正午過ぎには
 クリーニング屋がYシャツを届けにくるので
 僕は部屋で待ってます

          

           感動をお届けするために今日は ....
海底に直立する卵には もうひとつの海が詰まっている
明け方の海に 平板なアルミニウムの光 
その皮膜を剥げばダイナモが唸る
液状化した肉質の中心で 黄濁する眼球は閉ざされたまま
瞼の裏側で ....
                  「メリーゴーラウンド」 4

  数学

わたしがまだ小さかったころ
という表現は
何歳くらいを示すのだろう

白板にマジックペンで数式をならべる
 ....
さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが

境い目の波に
夜の月明かり
揺 ....
思ってみること
ここにいる僕等の存在を
君のその歩幅を


かたかた、と
時計の裏側で回る歯車の
噛み合うその一つ一つを
階段に登っている
繰り返している
繰り上げている

そ ....
骨になるしあわせ
骨になる幸せを歌おう
骨になるしあわせ
骨になる幸せを想おう

苦しんだ夜
劈くような痛みの
苦痛に震える一人部屋の片隅で
伸ばすことの出来ない指先を開きながら
赤 ....
まとわりつく風に 色をのせる夢を見た


あの日 あまりに駆け回って
おかげで ぼくらはたくさん転んで
傷だらけになって 笑っていたけど
傷の消えた今 なぜか
あの日の笑顔に泣かされ ....
コーヒーカップに水を少々
砂糖のないテーブルの腕が
彼の足をつかんで引きずって放さないままでいるので
ぼくは少しだけ安堵します

コーヒーカップに水を少々
窓の外には目のない彼女
旅を続 ....
 その飛行機は、ジャンボに囲まれて広い飛行場の真中にポツンといた。
 YS11型機ぐらいの白く小さい機体に、先住民の顔とARASKA AIRの文字。
アラスカ航空アンカレジ行き。
 昔日本からヨ ....
うまれいずる君へ
もしくは、ほろびいく君へ
すべてがみえたとか
ウォール街で計算がうまくいって勝負に勝った
或いはマセチューセッツでしのいだ
顕微鏡でみえた、だとか
あたらしい細胞や組み合 ....
電車に乗るどこかに連れて行かれる
たしかに
どこかに連れて行かれる電車には
ひどい恐怖があるとくに
闇の
なかを走り続ける地下鉄の
なかの蛍光灯
にぽっかりと照らしだされた人たちが
何 ....
 占い師のバラードで混み始める市役所


 1/60億 分母そんなにいらない


 猫おっかけて風になったどうしよう


 「人間」だなんて、もっと軽々しい名詞でいい


 ....
白い杭と鉄条網が
鉄の獣を取り囲んでいる
天気雨がなまぬるく
獣の背の光を流す
欠けた虹がすべるように
ひとつふたつと遠去かる



溶けるように昇る空
指の跡のつ ....
アラスカへ行こうと思った。
きっかけは、本屋でふと目にしたアウトドア雑誌のグラビアだった。
「特集アラスカ」
 広い空。雪を頂いた山々。太陽に輝くカリブー達。自分の住む北海道と似たものを持って
 ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
良く晴れた月曜の
憂鬱な空気が
僕の角膜の
屈折率を変えて
広角に見せるので
ただでさえ薄暗い
工場の中は
いよいよ真っ暗くなり
何も見えなくなるのです

悪意だけが
浮かび上が ....
ぽつんと うかぶつき
くもが つきを おいこしてゆく
ふかいあいいろの じょうくうは あらし

いっしゅん さえぎる

ひかり

かげ

かげ

かげ

おいこしてゆく
 ....
毎朝 たまごかけごはん 食べてます
日本では 群馬県民が いちばん たまごかけごはん 食べるそうです
ほんのちょっと 昔 朝のテレビが いってました
たまごかけごはん は やっぱり
たまごの  ....
 月色の猫

月色の猫は蜂蜜がお好き
お魚フライには
いつでも輪切りレモンと
ピンクのお酒色した男の子と
リュシアンという名前をのせている

月色の猫は砂漠で生まれた
土曜日に生まれ ....
 ──ちょうど躓いた小石の先に連なった足が
   氷柱を踏んで動かされていくようだった──


映像はいつもコマ割の上で音をあてていく
それは今日の病室でも変わらないまま
カーテンの外 ....
僕は十二番目の牢舎にゐる
僕は二零三と呼ばれる
僕は自分の名前を忘れつつある
僕は粗悪な食事に馴れつつある

君の庭の卯の花は
今頃はもう満開だらうか
此処にゐると季節が判ら ....
においには
名前がないから
きみに伝えることは難しいねぇ
切なさにも
名前がないから
言葉にすることは大変だねぇ

すごく大切なものを忘れてしまって
忘れてしまった悲しさだけが残っ ....
ゆっくりと水を一杯飲む
カーテンを閉めて
好きな音楽をかける
何をしてもいいし
何もしなくてもいい
鏡に映った自分を見る
左肩を撫でてみる
前髪をかきあげる
電話のベルを無視して
今 ....
  
  

  ぼくは産道から生まれてきたことが
  いやだった 仏陀のように
  キリストのようにぼくは人と違って
  生まれてきたかった あまりにも
  人間が生々しすぎて 羊水だ ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
あついことは暑いことだと夏はただ言って
10メートル先の水たまりを勝手に縛りつけた
彼はどこにも行けない身体をしているのに
もう一人の彼女がいつまでもそばに寄れないようになっているのは
た ....
倒れた自転車から音は聞こえない。

コインロッカーに花束を忘れてきた。

クレーン車の輪郭が闇に消える。

花壇の整列した花々で指先を切った。

低気圧、靴紐を揺らす。

埋められ ....
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わる ....
湾鶴さんのおすすめリスト(758)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ミシシッピ・ブルー- nm6自由詩14*04-8-20
球体-2- 六崎杏介自由詩2*04-8-20
正午過ぎにはクリーニング屋がYシャツを届けにくるので僕は部屋 ...- カンチェ ...自由詩20*04-8-19
球形の海- がらんど ...自由詩4*04-8-19
数学- アンテ自由詩10*04-8-19
シルエット- いとう未詩・独白26*04-8-18
経過、彼方へ向けて- 霜天自由詩604-8-17
骨になるしあわせを- まつお未詩・独白204-8-16
少年期の氷結- 田島オス ...自由詩5*04-8-16
喫茶店にて- あやさめ自由詩204-8-13
アラスカ2〜星野道夫- 鈴木もと ...散文(批評 ...2*04-8-12
点にて- 馬野ミキ自由詩8*04-8-11
地下鉄- 高橋正英自由詩604-8-10
Q- ピッピ川柳3404-8-10
鉄獣軌- 木立 悟自由詩504-8-8
アラスカ〜シアトルのビールと雑誌と- 鈴木もと ...散文(批評 ...3*04-8-6
凪いだ8月- 霜天自由詩2504-8-5
焦点- ねなぎ未詩・独白404-8-2
つきのひかり- 玉兎自由詩4*04-8-2
たまごかけごはん- かなりや自由詩204-8-1
月色の猫- 佳代子自由詩204-8-1
不連続体- あやさめ自由詩704-8-1
往復書簡- 佐々宝砂自由詩604-8-1
名付けられない雨のにおい_(詩)- クリ未詩・独白11*04-8-1
はだか- さち自由詩9*04-7-31
処女懐胎- 天野茂典自由詩304-7-31
肉じゃが- 窪ワタル自由詩60*04-7-31
なつ、と- あやさめ自由詩504-7-30
埋められた飛行機に乗っている- カンチェ ...自由詩14*04-7-30
童話(物語)- たもつ自由詩22*04-7-30

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