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筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに 
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、


はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
 ....
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている


夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している


午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた


それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
 ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
わるいことがあった日は
たまごを100個
ゆでたそれの殻を
むく
そうなさい、と
むかし誰かに言われたのだ
けれど
誰だったかは
わすれた

殻をむくのは
夜じゃなくっちゃいけな ....
たとえば 
わたしが沈むとき
くるくるとつむじをなでる
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしがつまづくとき
ついとおでこを押える
てのひら
がほしいのです

たとえば
 ....
むかし むかし 


パイロットのきみ は
大きくなったら
ひこうき になりたかった

運転士さんのきみ は
大きくなったら
でんしゃ になりたかった

宇宙飛行士のきみ は
 ....
しゃがみこんでいたら
かたつむりが横切ったので
雨はどうして降るの?
と、問いかけてみた。

かたつむりは
にょきにょきとツノを出しただけで
何も言わずに
つるりと通り過ぎた。
目玉 ....
ぼくんちの黒い電子ピアノは
いちばん右の鍵盤が
壊れて 音が出ない

あんまり使わない音だから
いいんだ と
まわりのみんなには 言っている

けれど
ぼくは 時々真夜中に
もしか ....
湾鶴さんの望月 ゆきさんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水墨夜- 望月 ゆ ...自由詩50*06-4-14
ブレス- 望月 ゆ ...自由詩55*06-2-4
夕凪にとけてゆく- 望月 ゆ ...自由詩31*05-9-11
透明な宿題- 望月 ゆ ...自由詩65+*05-8-20
空の底- 望月 ゆ ...自由詩49*05-7-3
アンダンテ- 望月 ゆ ...自由詩53*05-6-19
たまご- 望月 ゆ ...自由詩9*04-10-21
てのひら、そのとなり- 望月 ゆ ...自由詩1104-10-6
階段- 望月 ゆ ...自由詩604-9-3
水溜まり- 望月 ゆ ...自由詩3*04-6-9
電子ピアノ- 望月 ゆ ...自由詩2*04-4-9

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