花をさそうよ
天野茂典

 機械のような雨・・・・蛇口のような雨・・・・
 アスファルトを・・・・草原をたたく雨・・・・
 傘から濡れて雨・・・・靴下を毀れる雨・・・・
 窓が曇って視界・・・・がみえない路肩・・・・

 台風22号の進路 関東平野が危ない
 秋雨前線のダダイズム 風と雨のシュールレアリスム

 150mmから200mmの骨肉腫
 膿のように汚れて氾濫する河川
 機関銃のように快感ではない・・・・
 河原での溺死者は美しかった 裸で・・・・

 中洲にとりのこされた
 トラックの運転手だった
 川岸にうちあげられて
 風呂あがりのようだった

 ただ筵からはみだした死骸だったが

 風速はなんメートルくらいだろう
 ロートレアモンのように吹き荒れるのだろうか
 『マルドロールの歌』
 きわめて難解な汚染なのだ
 デッキチアもふっとぶだろう

 ぼくに読解力はない

 『洪水はわが魂におよび』
 大江健三郎の水位を測る
 誰だって洪水なのだ
 ムンクの『叫び』のように

 あまりにも夕焼けがうつくしかったから
 北欧の空では気が狂うのだ
 .........、、、、、、、、、
 日本列島の60%は雨・・・・・・・・
 雨・・・・・・・・・・・・・・・・・
 雨・・・・・・・・・・・・・・・・・
 オーバークラフトのように道路が浮かびはじめているのだ
 な・だ・そ・う・そ・う*
 土砂災害の悲劇・・・・・・・・
 家屋倒壊の悲劇・・・・・・・・
 河川決壊の悲劇・・・・・・・・
 床上浸水の悲劇・・・・・・・・
 地下鉄浸水の劇・・・・・・・・
 、、、、、、、、
 、、、、、、、、

 黒い煙りをはきながら
 台風22号新幹線「のぞみ」は
 海上をうねりながら走ってくるのだ
 
 STOP THE LOCOMOTIVE

 TOKYO▼▼▼▼▼▼


 花をさそうよ!


                *森山良子・夏川りみ


                   2004・10・9
                


自由詩 花をさそうよ Copyright 天野茂典 2004-10-09 07:41:11
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