遠くでベルが鳴っている
目覚まし時計のベルの音だ
いいえそれは遠くではなく
私の内側から響いているのです
不本意な絶対音感が
耳鳴りさえも聞き分ける
この音は
子供の頃に使っ ....
*カンチェルスキスさんとの、連散文です。
前回はカンチェルスキスさん
「片平と船越のあいだ」http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8102
....
布団をはねると
氷柱はおちた
遠く小川も
煙りはじめる
屋根も柱も
あらわに濡れて
くずれて 光を
ながして
雪掻きも雪上車も
消えてしまった
小窓から
ちいさな二列の
足跡さ ....
自転車のサドルってやつは、大抵ピッタリしているものだけれど、一瞬どこだか忘れてしまうその名前はさておき、色はタンカーから流れ出す按配の、石油的な黒だ。とにかく座る場所なんだけれど、それがそいつはどうも ....
のっぺらぼうになってしまったあなたの顔めがけて
口にふくんだ煙草のけむりをふっかける
不意に笑いがこみ上げる
のびきったあたしの神経
とあたしの髪の毛
今じゃもうなにも思い出せない
....
まっ白い顔の人たちが
次々に現れては
好き勝手な方向に歩き去ってしまいます
しゃべり声と足音が混ざり合って
波のように強弱をくり返しながら
ホールを満たしています
柱にもたれて
目ま ....
あなたは
休むということについて考えてみてください
ああ でも 考えこんでしまってはいけないのですが
ぼくには それは突然降ってきました
いままでの休日がすべて休日ではなかったかのように
....
あなたと
よるだけに であう うたを
よるだけに わかれる うたを
こよいの まんまる しゅるり ほどいて
よるだけしか みえない うたを
よるだけしか きけない うたを ....
オープンカフェで
またもみつけられました
あらかた予測ずみの結果だ
マルボロをくわえ
なにがそこまで
哀しい目をさせるのか
はくはつ
だったので老人と
推測いたしました
なか ....
眠い 眠い とても眠い
政 官 財 崩壊
若い 丸い オンナたちのおっぱい
ミンナ 謝罪 おれは謝るまい
{ルビ天使の都=クルンテープ}の朝 のっと 太陽が赤い
ヤーを送りだした後 なん ....
君がどんどん
僕を切り取ってゆくので
ついに僕は
一粒だけになりました
海辺の砂のように
乾ききった一粒の僕
君は少し
ためらいながら
僕を道ばたに ....
重い足取りの隣へ
「大丈夫か」
と声をかけ
笑顔を見せている
荷を背負い
歩く
旅人達は
何時、荷を背負った
という記憶を
持ち合わせてはいない。
にいさん 今 どうしていますか
風の音が聞こえます
ずいぶん強く吹いているようです
窓ガラス一枚へだてて
冷たい外の世界は
やっぱり
窓ガラスもう一枚へだてて
にいさんの部屋へ続いて ....
まぼろし ほんとう
おわり はじまり
すすむ もどる
うえ と した
からだのなか
こころのなか
たましいのない
からだなのか
こころなのか
....
反響する月あかり
空は明るい菫色です
白い雲が
流れます
今夜
地上で起きている
出来事が
みな懐かしい
白い廃墟の町も
風の荒野も
現実にあった夢も
何一つ欠けることの無い ....
ファンタジーの中に閉じ込められて
夜空にはしろい雲が流れていた
玲瓏の青い水蒸気に燻され
旅人は迷宮をさまよう
白の魔術は失われ
中空で光さえ
囚えられ
病む
月
夢の
苦しさに
....
今日も朝から
洗濯機が大声で歌っている
オペラのつもりのようだけど
音痴で
しかも、時々声が裏がえる
近所迷惑だからやめてくれと言っても
聞く耳をもたない
ありったけの洗濯物を押 ....
*カンチェルスキスさんと連散文をはじめることにいたしました。
序章として
「ラブストーリィと現実」
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=7964
....
霧の間に差し入れられる
細く小さな指の雨
霧が一度震えるのを見る
傘ひとつ分だけ熱くなり
灯ひとつ分だけ冷えてゆく
線路から吹く風を歩む夜
あちこ ....
今日も一枚の花びらが落ちていきます
雪はまだ降りません
寒さで身が千切れそうな日に
一人で歩く月夜道
深い深い海の中
雪がふわりふわりと漂います
誰に知られることもなく
何万年と ....
零下12度で見る銀河。
ましてやここでオーロラなんて。
3つ目の人工衛星が北に行く。
電車の窓に這っているてんとう虫の反転画像。
People chose Plutonium
Hol ....
ある夕刻
テレビジョンはミドリイロに輝き
レイゾウコのなかでひっそりと
ブーゲンビリアが咲きはじめる
ある夕刻
横断歩道はミドリイロに輝き
急ぐ人々は足を止め
遠く祖先が見た氷河に思 ....
冴え返り 愛用毛布 手放せず
眠くなるようなライトの下はすべて白にならなかった頃が
背もたれのない椅子で眠りながら思い浮かべるような1日
定期的に響くカーテンの音も気にしないように
いくつかのガラスとペットボトルを蹴飛ば ....
堕ちた孔雀が集まる場所で
ただひとりかがやくものは傷を得たもの
白く織られた光の羽の
かすかなほころびから見える花
光や音の波の向こうに
見えること 見えないことの向こうに ....
痛みはたたんで隅に寄せ
汚れたこころは洗います
今日は晴れていますので
明日までには乾くでしょう
昨日も今日も洗濯日和
明日もずっと洗濯日和
必要なのは雨ではな ....
おいしそうなくもが
そらにうかんでいた
こうえんの
すべりだいのてっぺんにのぼって
つまさきだちして
すぷーんをふりまわすと
ほんのすこしだけ
すくいとることができた
おさらにのせ ....
(た)
たーちゃん
僕は「たもつ」だから
君は僕を
たーちゃん
と呼ぶ
たーちゃん、それとって
たーちゃん、あれしまって
たーちゃん、どう思う?
君の声に
溶けかかった僕は
....
俺は子供の頃
星をつかめると思った
手を伸ばして掴もうとした
それから
俺の心には星があった
わくわくするような
にこにこするような
星だった
その星も ....
10じゅー焼かれるお肉
9覚を刺激する
8きれんばかりのぼりゅーむ
7めの焦げ線おいしそう
6に話もままならない
5ーごーと涌き出るよだれ
4百ぐらむの大きな肉
....
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