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立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う
乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める
「 ....
さびしさに
ひざをかかえて
タオルケットははいだまま
「る」の字でねむる
あの{ルビ娘=こ}は今頃
遠い空の下
今夜も誰かに抱かれて
求めあう「る」と「る」を
くみあわせてる
....
自らのおぼつかない足どりに
黙って下を向いてたら
「歩けるかなぁ ・・・
じゃなくて、歩くのよ!」
隣で僕を支える君が
猫背をたたき
ぬくもった平手で「気」を入れた
....
「 あぁ あぁ あぁ あぁ
嗚呼 嗚呼 嗚呼 嗚呼 ・・・ 」
休日の公園
木々の上から
{ルビ烏等=からすら}ののどかな調べに
地上の鳩等も舞い踊る
噴水のほとり
餌 ....