すべてのおすすめ
ペーパー
{引用=
深い紙の淵におちて
死ぬのは こわい
あんまり、静かだから。}
指
{引用=
白い紙面に落ちた
指は何を思うのだろう
静かに目をつぶって
目をつぶって} ....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。
あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
現実として
地平線が
かすかに
欠け
世界をめぐる
赤黒い血が
滴ることなど
ありえない
現実として
この胸の
悲しみは
ニセモノ
なのだ
ああ
夕暮れに浮かぶ ....
女がクレヨンを奪って逃げた
必要のない色を奪って逃げた
生活はなにも不便にならない
箱をゆすると音がするだけだ
「生活はなにも不便にならない」
念のためフタの裏にそう書いた
....
そのむかし、とーっても若かった頃、何を血迷ったのか「仲間を作ろう!」と決心したことがあった。「やっぱり仲間といえばバーベキューよね」と数少ない友人に頼み込み、仲間集めをしてもらった。私はとても頑張っ ....
たらちねの殻梯子からおりてくる
あの白いもののなまえを
ぼんやりと霞む視界だけれど
ああここにはことばがある
たくさんの羽虫が
いのちを喰いつぶして
ああでもつらくはない
....
仔犬のトイ・ヌードル
ももちゃんは
六ヶ月になった
体重も2.7キロに
いまはとっくんちゅうである
お手
お座り
ふせ
ハウス ....
一匹で眠れない犬が
夜中に泣くので
布団を運んできて
傍らに寝た
エアコンは
電気代がかかるので消す
モーターにも
休んでもらおう
犬は
私の寝顔を時々確認して
首を床につ ....
確かだとおもってたものが
じつはすごくあやふやなことに気付いてしまった
彩るあの子の無垢なゆびになみだを
いったいなにを信じてきたの
翼もないのに空をとんでいるような
呼吸もできずに ....
114時 @ハト通信
ノートの
どのページをめくっても
もういいや
ってかいてあって
そのうえから
ぐりぐり ぐりぐり
ぬりつぶしてある
....
→
おなかがすいたらごはんをたべよう↓
よ そ
た で
な も
か い
....
100円玉2枚と10円玉何枚かを
レジのお姉ちゃんに渡して
ブランコの上で開けるプリングルスが
俺の中学校の時の夕飯だった
ある火曜日俺はいつものようにプリングルスと
その日はココアシガレッ ....
アルファベットjのような
日本
列島に
ぐんぐん
侵略してくる
台風23号の
暴風圏
15k以上の
突風で
秋雨前線をおしあげる ....
牛乳が必要だ
牛乳が必要だ 皆さん
通り過ぎるうしろの自転車灯も
コンビニの袋も
皆 白いじゃありませんか
愛する人に会ったのは 夏
秋
キンモクセイの花びらが
オレンジに ....
左手は
重たい頭をささえていて
それは頬杖
というのだけれど
わたしは
本当はその恰好が嫌いで
なんでかといえば
できれば
誰にも見られたくない
白い画面を見つめ ....
9に
縦の線を引いたら
猫になった
こちらを見た
水のかたち
火のかたち
草のかたち
さざめく背
冷たい朝の送信
少し遅れる返信
遠くの遠くの声
....
性交の時のあえぎは
どこまで聞こえるのでしょうね。
かなしみや
よろこびや
いとしさは
どこまで響くでしょうね
知って伝わって
心っていわれてるものの中で
精錬 ....
矢野顕子を口ずさみながら
ヒールのコツコツの月を
連れて帰る
つらい分だけ吐き出した
あなたは楽になっただろうか
つらい分だけ黙り込んだ
私はどこへゆくのだろうか
もう二度と ....
ここは人の家なのだ
息の音がするのは当たり前だ
二階の影は濃い
下にはあたしと
8歳のころ掬った
金魚のなれのはてだけ
(彼はどうしてこう長生きなのか)
(そろそろ死 ....
洗濯を干しているときにパンツが見えないように心を尽くす
掃除をしながらついつい言葉について考えてしまい
「いやらしい」と思う
朝の散歩をするおじいちゃんににこやかに大きな声で挨拶をする
....
破 点線のぬり絵
やぶれても
まだ 色がぬられてない
電車内で 公園で 商店街で 能楽堂でぬっていくところです
能舞台では
面と厚い衣装
おはなしの全てが声
生き方の全てが
....
かすかに機械のふるえのあなた
崖に立つ雲のあなた
氷の下を流れるあなた
誰にも答えることのできないあなた
浮くように歩くあなた
伏せる枝 眠る葉のように
こち ....
とても静かだった
自分の前後に自分がいて
とても静かだった
口笛で消えた
手のひらは離れた
離れながら鳴った
いろいろ混じる無色の
音未満だった
声は ....
始点
まだ、精製されない月が、なめされてゆく朝、
わたしの瞳は、真っ白なままの夏の果実だ。
ながめるままに、わたしのからだは、白く締まり、
背中には、灰のまじった、蓑毛が生える。
も ....
うみねこはねこじゃない
うみうしもうしじゃない
うみぶどうもぶどうじゃない
うみほたるは魂じゃない
そのほたるも海には帰れない
漁り火はほたるじゃない
燐光もほたる ....
夜は速い
夜は速い
これから向かう世界のすべてが
わずかに低く傾いているかのように
夜は速い
夜は速い
背に積み重なる力のように
夜は速い
夜は速い
誰かに遠去けられているか ....
誕生日を 何度祝う人がいるだろう
生から1回
27度 おめでとうという姉
27で 姉が空にいることを知り
28 5分が過ぎて 28
いくつかの頃 姉が28だった歳
「私 ....
リリイは寝そべって
太陽を見ていました
暑
い
夏
の
日
(でも平べったくないよ?) ....
家の近くに 新しい街灯がついて
それは
擦りガラス越しに見ると
まるで
満月のように明るかったので
気がついたのだけれど
この町には
街灯がたくさんつい ....
さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが
境い目の波に
夜の月明かり
揺 ....
1 2 3