頬杖
蒼木りん
左手は
重たい頭をささえていて
それは頬杖
というのだけれど
わたしは
本当はその恰好が嫌いで
なんでかといえば
できれば
誰にも見られたくない
白い画面を見つめる
後ろ向きの背中
君の目に映ることが
君に
君の大事なことに
わたしは
背を向けているんじゃないんだよ
「煩い」っていう言葉は
君が嫌いだからじゃないんだよ
本当にただ「煩い」だけなんだ
頭が
重いんだ
思いなんだ
想いだけなんだ
ささえていないと
つらいんだよ
それは
自己犠牲と考えるか
否か
人のため = 自分のため
自分のため = 我が儘
無責任
義務感
無知
ひとつの事象に的確な対応
不確かな快感で
とりもあえず
身体も頭も軽く
不安
シミュレーション
自己防衛
ほぼ
その場凌ぎ
雨が降る
屋根を打つ
軒下をめがけて
慟々と
雨が降る
音だけを聴いていたのは
束の間
無の隙間
疲労睡眠
招く
コクリ..
頭がこぼれ落ちる
OFF