夜に紛れて逢いました
指の先から次々零れるシャボン玉
幸せな夜のコーヒー
眠くない

コインロッカーの陰で
階段下の倉庫脇で
立ち止まる
進めない

雨が降っていて
目の前をたく ....
嫉妬という言葉を 
あなたは教えてくれた 
無防備に眠る 
あなたが憎らしい 
そっと首に 
両手をかける 
胸の奥で 
ちろちろと燃える炎 
このまま力をいれたら 
あなた ....
僕がいま使うことのできる言葉より
それよりも数多く何倍もの言葉を
思うように自在に使うことが出来るのだとしても
僕にはこの気持ちを
間違いなく正確に言い表すことなんて
とても出来るような気が ....
放課後、屋上に呼び出され
どこにいるのかと見渡したら
彼女はコンクリートにうつ伏せていた
近づくと、目を閉じた横顔のまま
私の輪郭を引いてくれないか、と
きっぱりと言った

よく解ら ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた

畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
行方不明の洗濯機が二番線のホームで脱水していた


振り返ると家電フロアーの主任が裏口でまだ手を振ってる


今日もレンジの平和を願う君が両手でものを温めている


「いつも利用する ....
波打ち際にふたり立っていた
足元の砂を波が洗う
掬われるような流れに
チリチリと歯がゆい思いで

―カモメのように
  飛べたらええな
とおまえは言う けれど
鳥はいつで ....
換気扇が、軋んだ音を降らす。
両親たちが、長い臨床実験をへて、
飼い育てた文明という虫が、頭の芯を食い破るようで、
痛みにふるえる。
今夜も、汚れた手の切れ端を、掬ってきた、
うつろな眼で、 ....
駅までの道を雨の中歩いていて
改札に入ろうと財布から定期券を出して手に持って
けれど指からすり抜けて濡れた道路に落としてしまって
だから拾おうと僕はしゃがんで
水の流れるアスファルトを爪で引っ ....
買わなければいけないものがあるのに
あなたはまた、あなたに似たものを買ってしまう
部屋はあなたに似たもので満たされていく
あなたに似たもののほとんどはいらないものなので
あなたに似たものがなく ....
「http://wwwz.fujitv.co.jp/kyoukasho/index2.html
「わたしたちの教科書」公式ホームページ

わたしたちの教科書」というドラマを久々に欠かさず観て ....
君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
山道を左に入って
舗装されていない砂利道を1キロくらい
そこに

わたしとあなたの
思い出が
白っぽい蜃気楼になって
佇んでいる

わたしは怖いから行かない
たぶんあなたも

 ....
いずれにせよ桜は散っていく

まるで、まわりくどい恋文のように
あなたと僕の間を、{ルビ廻=めぐ}っていた感情は
不意に来たあなたの訃報でかたちとなって
ただ、ひたすらに他人でありつづけた奇 ....
わたくしは、
そ知らぬ仕種で
かおる紅茶をなめる。
風に頁がめくれようとも
見果てぬ大空が翻ろうとも
わたくしは、
そ知らぬ
今日に
ほころび
いつかあえる
光子の微笑む
丘の上 ....
「おらあ悪党だすけ、地獄の閻魔様にも嫌われてなかなかお迎えが来ねぇ」
と元気に遊びに来ては、父によくこぼしていた祖父だったが
晩年はながいこと寝たきりだった
曲がったまま固まっていた脚のせいで棺 ....
いつか君の病気が治ったら
どこにでも行こう
そのときまでに俺は
いろんなところを見ておくから

いつか君の病気が治ったら
カンパイしよう
缶ビールでいいよ
もう薬はいらない ....
お昼時しか食べられない
よし牛の牛丼
なんだか
味が変わったような気がする
不思議だよね
東京タワーは郵便ポストより真っ赤だし
飯倉の交差点には
いつも機動隊の車両がとまっている
交差 ....
ペーパー
{引用=
深い紙の淵におちて
死ぬのは こわい
あんまり、静かだから。}



{引用=
白い紙面に落ちた
指は何を思うのだろう
静かに目をつぶって
目をつぶって} ....
セーターを 編んでほつれる わだかまり 大クレーンふいに傾く{ルビ雪催=ゆきもよい}





          {引用=一九九七年一一月三〇日}
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう

ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
一、 銀色の背中


飯も喰わずに、カピが月ばかり見ているので
座敷に上げて訳を聞くと
長い沈黙のあと
神妙な顔で
片想いなのだという

いったいどこの娘かと問えば
まだ逢ったこと ....
今日も名前を落しました、と
誰かがその部屋へ駆け込んでくる
それではあなたを何と呼べばいいのか
振り向くと君の支えは薄いものでしかない


ついに君も名前を落して
誰か、の一人になってし ....
?.

ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ

あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに 
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
─ほどに。



それほどに、それほどに
行方は逃げていきますか
黒縁の窓枠と
フクロウ
僕の机にあるものは
一日のからくりと
枯れ草と
青いビー玉の金魚鉢
いつでもとても綺麗 ....
乾燥した始まりには
どうしても雨が欲しかったから
浅いじょうろを軒下につるして
ただ、揺れるままにしてみる
並べられた靴、窓を開ける順番
この朝も、毎朝と呼びたい

僕の
通い続けると ....
湾鶴さんのおすすめリスト(758)
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恋夏草(れんげそう)_______■古語の宴参加作品■- Rin K短歌28*07-5-28
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少年予定- 霜天自由詩4506-3-29
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