子供の時に付けたルゴールが
こんなにも大人になってから染み出す

小児科の匂いだ
私の喉からは
子供の時によく連れて行かれた
お医者さんの匂いがする

とても体調が悪い
母さんは
 ....
街でついつい男の人を
宝石に
変換する

裾に 白衣ののぞくメガネは
傷のついたオパール石

チャイナ帽 歩きタバコの初老は
家のないラピスラズリ

梯子に登りたそうな ボーダー2 ....
三保神社前の土産店で
ママカリを干したのを
またもらった

いわしと一緒に取れるのを
ついでに干しただけだから
いつも無料だ
なにか他の魚を買ってくれ
と言う

竹で編んだ手籠と
 ....
十八歳か六十歳まで四十二年イコール五〇四月
あと十七月
のこり3パーセント消費税なみの忍耐だ
どうか5パーセントなどになりませんように
デジタル化してゆく世界に
しだいに稀薄になりつつあ ....
ベランダに産まれた雛を祝福します
遠吠えでもいいでしょうか
忙しさに そぞろにかまけます
できないものはできないので

ベランダで空地の雑草が生い茂ります
今なお 石に躓く幼さですから
 ....
まんじゅうの中には多分



があるのだろう

だから
こんなにも甘くて
どこかに行きたくなるのだ
静かな絶望の風を纏うているか
大地に黒々と歪に伸びた生命線
白々と清清しいベンチでぼくは
茫々洋々停滞するハザマを思念

己より重い荷物を抱えフラフラ
果てなきみちに思いをはせる点
 ....
ああああああああ
どうしよう…

そうだ!
転がってみよう!!

ああああああああ
どうしよう…

貧乏ゆすりがとまらない

ああああああああ
どうしよう…

頭の中がスッ ....
すべては往き交う
静かに往き交うひとときにも
ぼくらは美しさを
聴きとることだろう

黒い制服をつけた少女の
青色に平らな瞳の上に
たとえば小さな弓をみつけた
下弦の音色

頬にか ....
伝達
という義務から離れた言葉はいつも
夕闇に泡立ち
朝方に溶けてゆく
闇が私と私を囲う壁と壁を囲う外界を親和している間は
言葉が脳のなかで循環するのではなく
発せられなくても流れ出してい ....
戯れに
水を掻く
何故に
かくダーク
 
只管に
こころ惹く
遠の国
掻き抱く

目の下を
流れ来る
目には目を

歯には歯を
手に余る
この憎悪
  
  
公園のベンチ下で寝ころがって
グレープとの蜜月を思い出す

黒蟻に残り香を葬られ
雨風に何度洗われてもまた

消えないタトゥーを指でなぞって
グレープのことを考えている
 ....
くつひもほどけた

かれはかたむすびしかできなくて

ここのつのかたむすびがつながっていた

あたしのは

よわいよわい

ちょうちょむすびで

ふんわりさしてたので

く ....
裏口で
手の小さな娘たちが漬かっている
娘たちは時々小便を漏らす
娘たちは小便に浸り萎びてゆき
それは、娘たちの味を濃くする
髪と爪を切り
毛の手入れをする
安価な食材と ....
ネット上に書かれた ある小説の紹介と感想を
夜更けにこっそり読んだら
あまりに似た好みと感想だったから
お互い変わっていないことに呆れて 安心して
逢えなくても まぁ、いいかと 思った
午前1時の暗闇の中

俺の部屋の窓から

教会が見える

十字架がネオンになっているんだ

あの教会の前の十字路で

俺はあなたに「サヨナラ」と言った

子供が学校の帰りに言う ....
頭の中から文字が零れる。
小さな文字が、ちりちりちりりりりん…と音を立てて零れる。

私の頭の中には小さい黒い文字が入っています。
それは次から次へと湧いてきて、
零れても零れても…続いて零 ....
モラタスという新しい気分を
いつも気ままで 曖昧ですっとんきょうな午後で
感じている いや とにかく新しい気分なので
分からないけれどそんな気がしている

「ここの赤をもうすこしモラタスにし ....
デリーさんご指名です

かんかんかんの スッカラカラ
カラッカラッの すっかんかん
男日照りが長いので
名前をデリーにした


彼はあの子とアパート泊
私は客とホテル泊

「愛は ....
                      communication breakdown (1〜3)

  キュウリ

ある日目が覚めると
きみと知らない女の子が
向かい合って朝ごはんを ....
もう六〇年、過ぎて行ったのですね、早くも、
理想を追った仕事師の日々。酒に、そして女にものめり
モリちゃん、ハリー、長い長いつきあいだったな、僕とも。
とうとう還暦祝の日がやって来て、今宵は一杯 ....
青信号の色は淡い水色にちょっと緑色がかっていて
クシャミとも咳ともつかぬ勢いですり抜ける
ぼくらは
マンホールの下に流される水の色を確かめる術がないので
黒い地面の バリエーションにとんだ想像 ....
夕焼けにむかって
走りつづけ
夜から逃げる逃げる逃げる
ことから逃げてきたぼく
だから
太陽に追い越されちゃって
月にも追い越されちゃって
星だとか人参だとか
スパゲッチイだとか
も ....
「小さくなったら、白雪姫になりたい」んです。
あのかわいいドレスを着て、王子様とそれはそれは幸せに暮らしたいのです。

ネジを緩めたりね、
土に触れたりして、
得たものをどう致しましょうか。 ....
ときどき
おるごおるを ひきだしからだすと
ものがなしい おとがする

くらいなかから
ながれだすおと

ゆくえはみえず
かべにあたって
しみとなる

てんじょうの かお
を ....
 誰か 呼んでる
 あたしを 呼んでいる


 砂漠に沈む太陽
 陰影を深めゆく愛しき人々
 ああ この場で息絶えてもよいのだ


 小さな砂嵐にいつも まかれていた


 口 ....
少女がリノリウムに憧れていた
何なのかまったく知らなかったけれど

ラ行でのはじまりがきらびやかで
口に出すとほどよく甘いところが
なんとなく好きだった

床が嫌いで
一人のつめた ....
日曜の朝刊はテレビ欄から読むのを習慣にしている
新しい連続ドラマなどやっていないだろうか、なんて
A4サイズに畳まれた新聞をA2まで広げたとき
私はテレビ欄に挟まれていた1本の髪の毛を発見し ....
海があんまり静かで
手を突っ込んでみても濡れない
顔を突っ込んでみても息苦しくない
ということはどうやら夢をみているらしいから
潮の匂いすらしない潮風に吹かれて
飛んでみようとおもう

 ....
ベルマークを集めています
買い物はベルマークのあるなしで決めます
これで世界中の子供たちが
鉛筆で作文を書くことができるのです
でも、この国には子供がいなくなりました

スノードームを ....
湾鶴さんのおすすめリスト(758)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ルゴール- RT自由詩404-2-22
- 山内緋呂 ...自由詩17*04-2-22
干しママカリの南蛮漬けの造り方- まんぼう自由詩6*04-2-19
あと十七月- 狸亭自由詩604-2-19
ベランダに朝- nm6自由詩10*04-2-19
まんじゅう- たもつ自由詩1704-2-18
まちぼうけ(改訂版)- ポロリ自由詩2*04-2-17
どっきどき!!- 自由詩4*04-2-17
仰げば- バンブー ...自由詩404-2-17
言葉- 岡村明子自由詩504-2-17
泳ぎながら- 狸亭自由詩404-2-17
空き缶- 石畑由紀 ...自由詩304-2-17
くつひもほどけた- かなりや自由詩4*04-2-16
デリカテッセン- いとう未詩・独白9*04-2-16
それから- 月夜野螢自由詩404-2-15
☆53_キョウカイ- 貴水 水 ...自由詩504-2-15
文字拾い- 自由詩3*04-2-14
モラタス- nm6自由詩604-2-14
仕事- 山内緋呂 ...自由詩14*04-2-12
communication_breakdown_(1〜3)- アンテ自由詩12*04-2-12
還暦祝歌- 狸亭自由詩304-2-12
例えばこんなふうに- nm6自由詩404-2-12
ひとり- 青色銀河 ...自由詩204-2-11
タイムマシーン- 浅野 す ...自由詩804-2-11
おるごおる- 岡村明子自由詩604-2-10
バグダッド・カフェ- こん自由詩704-2-10
リノリウム- 唯川自由詩204-2-10
毎朝、新聞を読むためには- たもつ自由詩1604-2-10
覚醒夢- 佐々宝砂自由詩404-2-10
ベルマークを集めています- クリ未詩・独白3*04-2-7

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