男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
二日酔いだった
目をつぶると昨夜集中して見たエロサイトの残像が浮かんだ
くだらないバナー
朗読会の準備は着実に進行されたが
肝心の朗読はだめだった
セックスも生活も破綻し ....
子どものころの私にはロールモデルがなかった。こうなりたい、という目標がぜんぜんなかった。高校生になってからは国語教師(女)に憧れたり、パティ・スミスになりたいなーと思ったりしたこともあったけれど、現実 ....
釣れた、釣れぬは
問題ではなく
私が尋ねたいのは
「何が釣れますか」
それだけ
どうぞ素敵にこたえて下さい
たまたまの数秒
真偽は気になさらずに
私もまた
....
多くの誘いにのまれる週末。うわべだけの笑みと嘘。美しい車窓を思い出すは涙のあとか。気がつけばウゴいていた。黙っていれば同じこと、
何かのたとえとして私に示すのですか。
甘い嘘と星のかずだけ ....
ホテルや旅館に泊まる時、部屋に入って、まず一番にぼくがすることは、壁に掛けてある額縁や鏡をめくって、その裏側を見ることだ。これは、出張でもプライベートでも、素面でも泥酔状態でも、必ず、やることにして ....
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。
あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
口吸えば愛は永久にと君は言ひ嘘の眼差し思ひつく間に
タバコ消し苛つく仕草あざとくて値踏みされたか愛の深さを
出ようかと言ふきみの髪かく仕草それでも想ふきみの優しさ
街はま ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
クジを引いて、中をみたとき消えるもの
花が咲いて、そのとき消えるもの
求めて求めてやっと辿り着いて、消えるもの
氷でできたグラスが消える
名のない匂いの記憶が消える
人には言えない重 ....
あじさいの花の名前を教えてもらい
それから漢字では紫陽花と書くのだとまるでせかいに沈黙があってはいけないのだ、というようにきみはぼくの手を引いて喋り続けるから、
印旛沼サイ ....
そうだ。あの空々しい夜明けの日
あのひとがわたしを呼んだ
わたしはかのこだった。
今ここにはない、となりの席で
あなたがわたしを呼んだ
わたしはかのこだった。
もしかしたら、夕方5 ....
それはそうと、それは相当 或いはまたは
答えを求めるなんて容易い
多分ね
煙草を吸いかけて禁煙者のアノコがやってくる
感覚で その行動を断ち切ろうとする あの感覚で
ヒールで躓いたりしな ....
デート
お天気良好
あなたに会いたかったはずなのに
それは思い込みだったかな
わたしはご機嫌が斜め
こんなにつまらなくて
退屈で
イライラするのはなんでだろう
あなたが退屈と言うことで ....
懐かしむおもいは空を仰ぐのに似ていて
「どうしようもないこと」の
「どうしようもなさ」の強力さにへこたれる。
ゆるすことも抱きしめることもあの子にはとっても簡単なのに
あたしにとってはひど ....
手をのばしかけてやめた
あの日の、すこし歪んだ夕方を
ねんどをこねるようにまるめて
食べた
ひといきで飲みこんだ
だってどうにか、前にすすまないといけない
わたしは何に悩んで
わたし ....
耳の中が何も聞こえなくなった
其れは空が落ちてくるようで
雲を越えたようだった
ポロメリアは流れないか
関係も無いのに無駄な殺生は止めた
無駄に食べ物に感謝した
何もわからないくせに同 ....
夢の中で花が咲いた
見たことの無い花
見たことの無い色
夢みたいにきれい
埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て
船は今日も出てゆくのだ
海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ
....
なぜか怖いもの気色悪いものが見たくなり、グロ画像を探してまわった。でもあまり怖くない・・・気持ち悪くさえない・・・これはいけない。と思って楳図かずおの『漂流教室』を読みかえしたらやっぱりいつものように ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする
ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
本当は、踏みにじれるよ。
泥だらけのスニーカーで、悪びれもせず。
揺れるたび
気がついて
明日を誘った夏の風
歩道に深まる僕の影
大空と
呼んでみる
ガードレールに腰掛けて
知らない翼は陽に透けて
身体気象情報をお知らせします
晴れ ....
今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく
しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘 ....
なぜ 今 この人が私に知らされるのか。
そんなことばかり考えてて とまらなくなる。
図書館で出会った 一遍の詩。
ネットでこの人を尋ねる人と出会うとは思わなかった。
自身の心の支えとなった ....
今あなたに手紙を書きます
この手紙が届くまでの間に
私はここから旅立ちます
今あなたに想いを伝えます
言葉が伝わるまでの間に
私はここから逃げ出します
幸せを求めるあなたの
眩しすぎる世 ....
ほら、見てごらん
無数の蛍
無数の蝶々
せっかく部屋を暗くしたのに
ほら、見てごらん
僕らはすっかり取り囲まれてる
吐息、ひとつ
(甘く、美味)
喘ぎ、ひと ....
だとしたら、方法は一つしかない。笑い転げてのたうちまわるのだ。「最高最高いいわーっ」と叫んで痙攣するのだ。理解しなくてもできなくても、そもそも理解とか知性とかからほど遠い場所に棲息するどうしようもない ....
しろとくろ
きみが名づけたイタミはそれだ
不安になったらこれを読めばいい
痛くなくなるおまじない
しあわせにしたい、なんてごうまんだ
人は他人がおもうより
ずっとつよいいきものだ
そ ....
青い空
白い雲
かんかん照り
山の緑
田んぼの黄緑
風で稲の葉が揺れる
白い幟
神社では黒光りするお稲荷さんが
触れないほど熱くなっていて
崩れそうな鳥居の下を
坂道なのに走って
....
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