海岸にうちあげられた貝殻は
まるで磨かれたつめのようでした

わたしはその上を裸足になって
割らないように歩きました

もう冬の寒さの中
波しぶきが雪のように舞う日のことです

痛い ....
朝の日向ぼっこは
野生のアサナ
日光から 大気から
吸引するプラナが
主に会陰部に集中して竈の火がおこる
だが それは決して欲情ではなく
深いサマーディでもあるのだ
たとえ
彼のまぶた ....
いにしえのインスツルメンツ
奏でる滑らかなハルモニア
みどりごの泣く声のよに一直線に
荒れ狂う北の海を飛び越えて

異国の草原でまどろみながら
アルハンブラの夢を見る
乙女の頬のやわらか ....
それは
頑なな蕾

慈しみの雨にも
きららの陽射しにも
咲かずにあり

  ひっそりと
     花弁の色を思案している

いつかきみの唇 触れて
眠れる森の姫のごと
ゆっくり ....
{ルビ吾=あ}の胸を刺した蜜蜂命絶え痛み残してポトリと落つる

もしかして君は誰かの化身かといぶかしんでる薬塗りつつ

あの刹那君は死んでもよかったと思えたのかと傷跡に問う

もう一度刺さ ....
今日も手を振って別れるよ

君が小さく見えても

大きく手を振るよ

振り返りたくなるぐらい

たくさんたくさん




紅い葉っぱをとばす風には惑わされず
ス ....
どうしたら君に届くんだろう

たとえば木洩れ日が
レースのカーテンに映した
まだら模様のさざめく言葉たち

秋の一日は
誰もがみんな一人ぼっちと云いながら
肩を寄せあって群れている ....
ざらざらと走り
たどり着く
水のなかの火に
たどり着く


風は街の目をすぎてゆく
夜に似た朝
光の粒たち
道の先の先に降る
水平線を照らす雨


暗く大きな ....
 

 

 団地の13階から2階が狂おしく
 ひん曲がる
 誕生日に欲しい
 駐車場のコンクリートの一部



 さなぎのカレンダーに
 ストレートティーをぶつける
 ....
世の中は変わってゆくけど、変わり方はおっそろしくのんびりしていて、どこがどう変わっていくのかよくわかんない。ちょっとずつ変わりながら繰り返し繰り返し続いてゆくボレロのよう。詩もそう、音楽もそう、物語も .... 中学のころ
教科書の中に出てきた

ナンシーに会いたい

タケシの家にホームステイで来ただけなのに
のこのこ学校までついてきて
わざわざ英語を教えてくれたナンシー

ナンシーに会いた ....
死ぬときはひとりでいたい
本当にひとりで
見守るものもなく
見捨てるものもなく
星が
星の瞬きが
気づかれないうちに黒く
黒く輝くように

かなしいとか
なみだとか
そんなも ....
うつくしい
よるのきよ
わたしはしななければならない
あのこのために

ほんとうに
しずかなよる
さわぐ
がさついたじょうねつ
どうへんじしたら
いいか
わからないでしょう

 ....
目を閉じる
瞼を、それは落ちていくのかもしれない
いつもより低い世界で目を覚ます
見上げることしか出来ない
そこから始まる一日が
そこにある


青空に
誰かが口笛を吹く
開いた本 ....
この
てのひらに届く
吐息のような
君の伝言


手が届かない切なさ
抱きしめられない寒さ


その孤独が私に
乗り移ればいいと
おもてに飛び出してはみたのだけど


刺 ....
寂しがり
嘘つきで
夕暮れにも泣いたりしない
強がって
爪先で
ねえ、
迷いくらい蹴飛ばしてよ


君の笑っているところが見たい


赤信号
一番星
黄昏の寂しさ
 ....
やがて光が空から降りそそぎ
何かの形になると
それはわずかばかりの質感をもって
わたしたちの背中を押す
わたしたちは少し慌てたように
最初の一歩を踏み出す
でも決して
慌てていたわけでは ....
満天の振り子時計の催眠術 そしてあなたも地球を忘れ


寝る前に目覚まし時計を仕掛けなさい 冬眠なら苗床でしなさい


哲学者と詩人と恋人達のため囀り止まぬプラネタリウム


窓際の ....
北鎌倉・東慶寺の敷地内の喫茶店
外には店を囲む竹垣が見えるガラスの壁
に寄りかかりコーヒーをすすっていた
顔を上げると
店内を仕切るガラスの壁の向こうに透けて
カウンターの中に一人の妖精が{ ....
満月の夜  いつもは 真っ暗な空が

ぼんやりと光る

どこから 見ても 満月は 悲しいくらいに 美しく光る

それぞれの人の 気持ちを じんわりと 動かしていく

わたしの 気持ちは ....
空が傾き
音は木にふりかかり
ずっとずっと遠くまで
誰もいないことを告げてゆく


せばまる風が
音の火となり
無言の道を
甘いにおいに近づける


弱くいとし ....
ゴミ箱を探してみたけどなかった
まあ当たり前なので気落ちしない
道ばたの石ころをひっくりかえしたけどなかった
これも当たり前なので気にしない

実を言えば私は知ってる
オズはあの空の彼方に ....
肩にかかる雨を解いて
湿った髪を指で梳いて
煙る匂いに瞼を伏せて
あの人がいた夜を
濡れた手の平に
描いている



 窓ガラス
 ふたつの顔を
 映し見て
 微笑む目と目
 ....
君の知らない深い悲しみを
僕は背負って生きている
そして君も僕の知らない過去の残骸に
足をとられては涙を流す


この街のプラタナスも深まる秋の気配に
すっかり色づき始めたよね


 ....
君がベージュの毛布にくるまって
あざらしの出産をテレビで観ている

そしてその横顔をぼくは見ている

ぼくを見ていない君は
ぼくの知らない女のようだ

横顔は画面の光に照らされて
君 ....
あなたのふるさとはどこですか

ふるさとは遥か遠くでほのかに憶うのが
かっこいいと信じていますか

あたしの生まれた場所はここ

命を満々に讃えた水と緑の地球です

宇宙旅行 ....
石段と
石段と
腰掛けた石段と、石段の
夥しい無骨な角から
無言で下垂する影を利用し
日没が冷たく
成立してゆく


「もしも
 ここだろう、と探り当て
 わたし ....
 それぞれを組むと九つの詩ができます

1.ところ
 A.霧にけむるノスタルジイの森林
 B.磁器の王国
 C.ひとけのない商店街
 D.海のうえを走り抜けるフリーウェイ
 E.動物 ....
悲しみは 心からこぼれた分



  蝶 の 形 に成ると



 意外にも元気よく 夜空へ 飛び立った






  こうして 明け方の夢は
 ....
しらじらと明るい午後二時の浜辺
空はうんざりするほど晴れ渡り
こんちくしょー嘘だろと思うくらい雲ひとつなく
砂は一粒一粒がそれ自身の光を放ち
そのくせどれもが真っ白で
海の彼方ににじむのは伊 ....
こしごえさんのおすすめリスト(3706)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
貝殻の道の上で- ベンジャ ...自由詩4*05-11-11
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スコール- 大覚アキ ...自由詩305-11-11
頑なな蕾- 銀猫自由詩14*05-11-11
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伝言- 落合朱美自由詩8*05-11-10
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トーマスブロッコリーサラダ- カンチェ ...自由詩605-11-10
ボレロに耐える−めざせ最強ミーハー- 佐々宝砂散文(批評 ...8*05-11-10
ナンシーに会いたい- ベンジャ ...自由詩8*05-11-10
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げんき- 石川和広自由詩5*05-11-9
日和- 霜天自由詩1005-11-9
冬の道行き- たりぽん ...自由詩1005-11-9
我儘な祈り- 有邑空玖自由詩6*05-11-9
祝詞- たもつ自由詩1305-11-8
ピアニカジオラマ- ソマリ短歌15*05-11-8
「ガラスの壁の向こう側」- 服部 剛自由詩6*05-11-8
うす暗の夜- renchu自由詩5*05-11-8
きんいろのうた(光と音)- 木立 悟自由詩505-11-8
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落ち葉のプレリュード- 恋月 ぴ ...自由詩16*05-11-8
気づき- むらさき自由詩4*05-11-7
*水の☆*- かおる自由詩4*05-11-7
仕組みを、知ってゆく- A道化自由詩805-11-7
快感原則- 佐々宝砂自由詩1105-11-6
星座生誕_- まどろむ ...自由詩6*05-11-6
願望充足2- 佐々宝砂自由詩7*05-11-6

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