温暖な地域に生まれ幸いの
私はふくよかな無となって
きょうも倉庫で働いた
肉体労働はテンポが大事
加えて呼吸
じぶんを倒して
又
あたらしいじぶんになる、勇気
とにかくガン ....
林にて息をととのえにっこりする
星座ながめて人のかえりどころを知る
怒りを祈りにかえてゆく春
食べるものなく只眠るだけの寝室
魂とは大袈裟にちいさな魂をおもう
皿洗い終えてくたくた作句
戦争が起きると読んで、ていねい茶をすする
妻は寝ていて居間でしずかにつとめる
今日の私は馬鹿だった、明日もそうでしょう
煙草控えてはぼうと春空を眺めた ....
こたつ周辺に本たちをかわうその祭り
太陽に育まれて春風感じている
けさは正しくあろうとうする、乱れてゆく
胸中がらんどうの何か欲している
山又山の雲が流れて
雲のように自 ....
会いたい人とか
まずいない
そんな僕に
会いたいと言う
君の気持ちは
どんなにか
ねっとりと
魅力的に
映っているのか
知るすべもない
僕はといえば
僕には毎日
会って ....
朝、起きる前の布団の足下に
ダウン症児の息子が入ってきて
妻がぱちりと、写真をとる
頭上の壁には
ミレーの「晩鐘」
(一日の労働を終えた夫婦の祈り)
窓から朝日をそそがれて
....
妻の女に惚れなおして夜をみている
貯金箱をころがしつづける
こどもの声がする春の夕べか
雑な居間を片づけずそのまんま
片付けきれない人生か
今日は今日としてじぶんを ....
かつて、見たことのないような夕暮れに
わたしたちは影の、点描画にされてゆく
その横を、すり抜けるものがある
宴の、終焉を迎えようとしている
冷めきった夫婦間を
取り繕うように動くものが、 ....
妻はベッドではしゃいでいたよ
皿洗いして句作すること午後九時
仕事、休憩時間
陽は滋養によくて陽の当たるベンチで
混乱した頭をひとばんで正す
さあて眠るか体温測定する
....
2022.02.20(日)
雨水、といっても未だ寒い朝である。加えて小雨がふっていた。今、ベランダから眺めたら止んでいるようだが、また降るかも知れない。
朝、はやく起こすように、妻 ....
けさも寒さのベランダに出ては雨かよ
つかれ残る身 ごろんと横になる
整えてゆく呼吸 吐き切っては吸う
雨の重たさ腰は大丈夫
ごめんね、ばかり言う妻を心底愛する
くすり ....
スマホの小さな画面を
指で開く
今日もSNSの文字は、告げる
「〇〇さんの誕生日です」
まぶたを閉じる
――今・世界の何処かで
東京都内の病院からは、赤子の産声が聴こえ
カルカッタ ....
曇天の 陽の恋しくあり
妻が淹れてくれたコーヒーに砂糖足す
雑なへや正したくあり、まず日記書く
妻の悩みの 明るい方へいく
妻をなだめてお茶をすすめる
曇天 アパート ....
こころ新たにきょうも一日仕事
炬燵に入っては寝てしまうベランダに出る
体をすこしずつ起こしてゆく寒ン風
朝の月ながめてじぶんの運命をおもう
さむい朝につめたいコーヒーを飲む
....
帰りきてチョコレットを妻と分けあう
帰りきて酒でなく桃水飲む
やっと落ちつけて身辺を整えようとする
妻よ今日は診察だったかゆったりしてね
料理待ちつつベランダに出たりす ....
くすりの苦さの口直しのお茶
かつて平穏の今はさびしくあるばかり
早春の 詩の 素麺のように弱々しく
しっかり立って今朝の青空を手におさめ
梅の盛りをじっと観て去り
囚 ....
西行忌 煩悩しずめひとひ終えたい
懸命生きること詠むことの西行忌
空腹、糧として今朝は物書く
春の雲とてもしずかに私たち
妻を起こさずひとり食パン焼いている
あなたのかわいい
おくれがちな相槌
寒すぎて ちょっと笑ったよね
愛してたけど
愛じゃなくてもべつによかった
隣りあう洗濯物
使いふるされた工具
石ころ
乾いたスポンジ
....
霧が晴れて
青空が広がる
奇跡のように
(優しい石鹸の匂い
ほんのり漂い)
駆け回る
子供たちの笑顔が弾け
木漏れ日のなかで踊る
原色の広がりが渦を巻き
還っていく
僕た ....
早春、昔の句が出てきてしずか閲す
バレンタイン 妻とチョコレット分け合いにっこにこ
障害者手帳プリントしてあした会社に持ってくぶん
ぼくはちっちゃくて
やせっぽちで
ひとりふるえているよ
それは
青白い蝋燭の炎
風に吹かれ
常に揺らいでいる
その様を晒し
澄んだ歌声を響かせる
荒野に、この荒野に
ぼ ....
つぶやくことから始める
なぜ泣けない
泣いたらスッキリしそうだ
首から頭にかかる圧力
鼻で吸い取って軽くするけど
ちがう
本当は目から出せばいい
でも水滴になりそうもない
こら ....
芽吹く木々にあこがれて黙している
雨のいきおいの中にある溜息
祈れば胸に熱いものあり寒の明け
かわいい妻は炬燵で朝寝
コーヒー飲みつつ今日を組み立てる
喉の不調の咳払いばかりして
頭に歌が巡る
寒林の如し悩みが湧いてくる
逃げども逃げども悩みは湧いてくる
....
信頼関係がなければ
バスにだって
飛行機にだって乗れない
信頼関係がなければ
水道の水だって飲むことができない
弁当屋の弁当だって食うことができない
信頼関係がなければ
子どもを学校に預 ....
人にぶつからないように
生きても
まだ残ってる
四隅の角で
言葉を交わして
生まれた物語
優しさで晴れた空と
苦しさで切れた糸が
僕等の首を絞めた
この本の重さは
一緒 ....
春風受ける丁寧息をする
皿洗うに水を飛ばした、反省する
増えてきた白髪、そのままにしておく
欲しいものが沢山ある妻と暮らしています
路上、玉葱が落ちていた
孤独感情もなく ....
荒涼とした
この地に独り立ち
君の傷ついた足を洗う
地獄にも似た静寂が辺りを覆い
暴威の呪われた異邦の声が響く
冷えた原色の広がり、渦巻く虚空の灰
君は微笑む
いつまでも微笑んで ....
敢えて定型、季重なり
菜の花に春を見いだすふたりかな
春の風に動くすすきたち
朝は寒くも昼あたたかにして汗ばむ
立春を天丼食べて祝う
とにかく食べて掃除する
....
思想的骨格なんてないんだ
生活の輪郭は薄葉のように
透けて見えているさ
命の混迷はシナプスの独語にすぎない
教育は幸せの基礎を教えてくれる
ルール。道徳。
大好きな理科。
ち ....
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