今日も働いて帰って妻とふたりぼっち
少し食べて、やめて、物書く
どうしても星空にさびしみ想うのでしょう
「此処」は素になれる、ゆったりしよう
句作できるよろこびの抹茶ラテ飲 ....
はつゆめ未だみず、一月七日
空っぽの胃袋にチーズトーストいれる
アラーム鳴っても全然起きない妻でした
今日も働くことのボロボロな体で
朝、やっと落ちつけてお茶ばかり
僕ら ....
昼ふる雪 じっと眺めてこわいとおもう
つかれた体でなんとか胡坐している
何でも受けいれて変わってゆくじぶんにさようなら
現実に酔ってばかり煙草ばかり喫う
匂う足を洗ってから炬燵 ....
けさは妻の淹れてくれたコーヒーではじまり
全身筋肉痛の、それでも仕事のじゅんび
体が痛くて横になれない
つかれた軍手がたくさんある
のこり五本の煙草、大切に喫う
夜 ....
三日月が町に魔法をかけようとする
どうしよう手袋がなくて、原付に乗る
仕事できなすぎて涙ぐんでしまった
妻へプリンとミルクティー土産に冬の夜走る
初仕事 ボロッボロの体で帰宅
....
わけもなくしんどくて
ベッドに沈んだままの休日
気だるく甘美な死を思う
(緑の芝生にいつしか立って
思い思いに踊っている
私たちはたださみしいのだ)
ふるさとを遠く後にして
毎 ....
ゆうやけが地獄を洗っては沈む
ボロが併設された小さな社で拝む
山又山のさいご富士山を眺める
よく歩いた日のシャワーにほぐされる
シャワー浴びつつ妻のあたらしい歌聞く
....
西の空に日は落ちて
仄かに明るむ茜色
富士は勇姿を際立たせ
沈む地平に黒々と
聳える巨大なシルエット
すべて静寂に包まれて
遥かな距離を落ちていく
わたしもあなたも別々に
この ....
起きて快晴を浴びていた
ベランダに出てここが私の居場所
冬陽明るくあこがれていた
お雑煮いただいて「ふう」と息吹く
どこへいこうか空っぽのじぶん
それでも生きますサンタマ ....
誰かへの心配がつづいて
憂鬱が消えないなら
もう心配やめちゃえばいい
自分が楽になるためでしょう
自分を冷酷だと思ったり
またそれが心配になるのかな
心配が趣味なら仕方ない
でき ....
メッセンジャーが駆けて来て
身の置き場を探す
冷えきった朝
荘厳な音楽が鳴り響き
いずれ復讐される
そんな予感に浸され
一心不乱にステップを踏む
乾いた打擲音
連打されるスネア
....
夜明けに起きれば風呂上がりの妻がいる
風呂上がりの妻お得意の歌うたっている
朝飯前、キャンパスノートに句を書き落とす
未だ月という星が残されている
まずはコーヒーと寒さを立ち上 ....
元旦 寝たり起きたり忙しい
お元日からとなりのこどもが泣いている
初夢は明日かなと蒲団をなおす
妻未だもどらず、日向ぼこ
ありがたく新年の陽を受ける
食べるもの ....
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた
何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だ ....
年が変わる、と云うことに怖れだってあって
気が急ぐ年の瀬はよく御茶を飲む
急いでしかたない日向歩いてゆく
ひとり年をこすことになり咳きこんだ
妻の化粧品の埃ぬぐっている
....
みみずは、土と野菜をつくる
みみずがいなけりゃ、人類はいなかった
みみずはなんでも食べて
なんでも、楽しむ
夏になっても、僕は干からびないだろう
波が追いかける
そして逃げていく
一泊二日の温泉旅行
ひな鳥みたいにくっついて
足あとは私たちだけ
誰もいないね
雪でよかったね
今終われたら幸せなのにね
....
陽があたたか孤心を照らす
氷を口に入れて陽にとかされる私
再出発こころ得てじっと手をみる
再出発の手ぶらでいく
お年玉用意してしずか座っている
煤逃げ、草の刈りさられた公 ....
僕達は此処にいる
この川に隔てられ
君と僕、大空の下
絶え間なく落ち続ける
洋上で過ごすように日がな一日
此処で待ち続け絶えず思い出し損ねる
なぜ僕達はやって来たのか
なぜ僕達は此処 ....
けさは食事を摂らず青空ばかり
よい匂いの洗濯物ができました
妻とよく語り合いテレビが要らない
けさは小説を読む、言葉ながれてゆく
妻が動けば、朝が動く
わたしが家を発 ....
野を駆けていく
冷たい狂気が
天空に貼り付く太陽に向かって叫ぶ
白く凍てついた舌を揺らめかせ
壮大な夢をみて、壮大な夢をみて
極彩色のパノラマがひらけ
高らかな笑い声が響く
せり ....
いのち、いのち
いのち
つぶやけば
延びるもの
私のいのち
貴方のいのち
皆のいのち
だから
つぶやいて眠る
また明日目覚めるように
存在の孤独が
冷たく露わになるこの夕べ
雨滴は石を穿ち
震える胸奥を
抉るように流れ落ちる
ぽっかり深淵が口を開く
ぽっかり深淵が口を開く
遠くふるさとの汽笛が響き
わたし ....
冬晴れの光のなかを進み行く遠いシグナル仰ぎ見ながら
シグナルは冬陽に揺れる揺れ動く日々の果てから輝き出でて
掴み取る光の海へ泳ぎ出す死すと生きると詮無いことと
....
ひとりで生まれ
ひとりで死んでいく
たくさんの人々に見守られ
たくさんの天使に看取られ
根源へ 帰っていく
それは永らく喪失された場所
唯一無二の帰属すべき場所
透明な紐帯が雨に ....
月までの
長い階段を
上ってる
永遠みたいな
道のり
階段端で
休んでいると
月側から下りてきた
子供が隣に座る
何も言わずに
じっと私を見てる
腕時計を外して
....
春の喜び、
夏へのあこがれ、
秋の憂愁、
冬のさびしさ
時は過ぎ去り
季節は巡る
人生は進み
垂直に落ち
わたしのいない、春夏秋冬
かまぼこのカーブはいつまで美しいだろうか
遠くに霞んでいるトンネルの入り口
小雨が降りはじめ暗い匂いがする
黒く濡れた何かが静かに入ってくる
そんな車からさっと降りた
姉さんは真っ ....
ひどく冷え切った大地の感触が
次々と押し寄せる波のように
切迫する夜、
わたしはわずかな白飯を掬い
震える口顎の明け閉めを
そっとそっと反復する
鉱物質の肉体と
欲望の魂と
唯一無 ....
遺伝子の乗り物である僕たちは
摂理の維持装置としての個体を
あたえられたのかもしれない
数学は世界を解析する不思議な詩
物理学者はたぶんときどき詩人
純粋哲学あるいは応用哲学
でも ....
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