角度に実直に
ながれる水
起伏に忠実に
うねる水
感情に従順に
あふれる水
代謝に一途に
したたる水

速さを競って
にごる水
優しさに慣れて
とどこおる水
正しさを嫌っ ....
 宮沢賢治の『春と修羅』について、多少語りたい。もっとも、宮沢賢治についても『春と修羅』についても語り尽くされた感があるので、いまさら僕ごときが何か新たなことを語れるかは非常に心許ないのだが。
 『 ....
都会にポッカリと空き地
照らすのは日の出から
カンカンぎりぎりと草原に
射し込めてこの爽やかさ
今日という日の 日日草
翳りだけ待たされて
鼻先につん!とくる
風は明日を感じさせない ....
午前四時のまだ薄暗い横断歩道で手をふった。
いつもすれ違う同じ配達仲間のお兄さんがバイクでやって来たからだ。
お兄さんとは言っても一廻りくらい年下のおじさんだ。
信号で、鉢合わせに止まったの ....
スカートのホックがかからなくて
手を離した
十分に太りすぎた

決して焦らないこと
こんな自分を否定しないこと

まずは健康を願うこと
ほんの少しの回復を喜ぶこと
心が和らいでい ....
きみの何気ない頬笑みでぼくは生かされている
交差する熱視線は刹那から永遠に続くと思った

きみの手のひらはとても柔らかく暖かくて
冷たいぼくの手を優しく包んでくれた
戸惑うぼくの頬は少年のよ ....
一切の書き込みが出来なくなったそうです。
現フォはそれほど狭量なのですか?
洗足池で 
花見をしながら  
屋台の前のテーブル席で
生ビールを飲む

桜色の{ルビ提灯=ちょうちん}が
気持ちよさげに 
ゆらゆら
揺れる

周囲には
いくつもの
しゃ ....
ある晩に見た夢の中で
僕は詩人{ルビes=エス}に
なっていました

92年の生涯の最期の夜で
33937日目のことでした

おじいさんになった詩人は
細い息をゆっ ....
私の名前はローレライ
一生懸命語るほど
言葉はあなたに届かない

言葉が
言葉ではないことを
昨晩私は知りました

私の名前はローレライ
あなたを想えば想うほど
 ....
{引用=これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。(「創世記」第11章第9節)}


その昔
僕たちは ....
ともかくも
生きていた
生きていた

それだけで
奇跡的で
満点で

老政治家の言っている
「貴様、なぜまだ生きている」と

それだけで
飯がうまいというものだ
おまえのようなアンチを
飼っておかなければならない
僕の身にもなれ

当り屋相当
特に君たちが
清廉とも思いませんけどね

それに引き換え僕!
その潔さ、忍耐強さ、勇敢さ
唯一無二 ....
とおく あさく
どこまでもつづく海のように
僕たちの罪は終わらない
それが僕たちの生を規定している

そうして決められた生とともに
僕たちはいるが
僕たちの罪の裏には
それにふさわしい ....
五月は淋しい月
新緑の匂いに惑わされながらも
それらと一つになることのないジレンマ
暑くなり始めた気候に
責め立てられているような気分
五月蝿い虫どもがまとわりつく
ありえない煩わしさ
 ....
君と私の
淡いあわいに
  泡のように
  浮かんでは消える
  気持ち を


 小径の菫
 曲がり角のスウィートピー

  淡いあわいに
  浮かんでは消える
  泡
 ....
大きな呼吸の
あるところ
迷子の流れ星もどうぞ

下町の画廊
築百年
ブランデーみたいな色してる
二階が住居で一階がお店のタイプ
こまい植木鉢が外の棚にいっぱい並んでいて
植木屋さ ....
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく

腹が減った

赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
情けなくも迷うのか、それとも、情けとともにあえて
迷うのか、とりあえず、抒情とともに迷うということ
にしておこうか。情迷という態度を貫いてみる、人は
常に迷いとともにある存在であり抒情とは人にと ....
静かな朝
君はチューリップを活ける
春の心臓を器として

脈打つ器の中で
朝の光を溜めてゆくチューリップ
を見ている君
を見ている僕
実家の垣根は汚れていた。
その汚れに入ってきて欲しくて寄り添っていた
あちこちで接木でもしているのか
いろいろな低木が混ざった垣根で
花も二、三種類咲く
そういうのは滅多にない

いっ ....
朝の冷たい床を踏んで
温水を浴び始める
髪を洗う事にする
泡を立てて
それを洗い流す
泡が伝う
うちがわの
頬を触る


冬をひとつ
生き延びた
ことになる
手を握る
生き ....
あなたは
とうに知っているだろう、自由に書くということの{ルビ荊棘=けいきょく}を
はるかにふかいふかい穴の奥底から 
虐げられた名馬たちのいななきが聴こえる
ではただちにそれを装備し また外 ....
とうに終わったエピローグと
いまだ始まらないプロローグの
狭間に佇む

記憶はずっと仮縫いのまま
予感もずっと仮縫いのまま

だから
来たるべき時のための衣装も
ずっと仮縫いのまま
 ....
なぜだろう
深夜の台所から
──日々はそれでもおもしろい
と、誰かの声が聴こえた
食卓にぽつねんと置かれた
黒い{ルビお猪口=ちょこ}は 独り聴く
窓外に舞う雪たちの
億光年の唄を
死体は歌わない、
いや、歌わなくもないか、
ひうひうと風に吹かれて、
風葬の肋骨が歌う、
でもおれがほしいのは肋骨ではない、
きちんと歌うのは、
腕の骨でも背骨でも肋骨でもない、
きちん ....
正気に戻りなさいと満月の、
輝きやはらか白く圧倒
意識のしぐれること忘れ

蒼い谷すら越え唖然と観入る 、

一日を生き果たした私かな
生きてるか?ガンバってるか?
ケガに気おつけてな、
それがどんな詩よりも、
やさしい、
顔になった、ことば、
俺はどうやら異形の者になってしまったようだ

俺の不具の左腕は
不自然なかたちで捻れている
その苦痛とともに 無理矢理
腕を正常な位置に戻そうとしていると
俺は俺の異形を否応なく感じざるを ....
こしごえさんのおすすめリスト(4283)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 夏井椋也自由詩12*25-6-7
『春と修羅』における喪失のドラマについて- 岡部淳太 ...散文(批評 ...3*25-6-6
日日草- 洗貝新自由詩15*25-6-5
詩で人生を語らず- 洗貝新散文(批評 ...7*25-6-4
過食- 木葉 揺自由詩725-6-3
きみに- レタス自由詩7*25-6-3
リつはまったく何もしておりません。- レタス散文(批評 ...6*25-6-2
お花見- 服部 剛自由詩425-5-31
最期の息- 服部 剛自由詩225-5-31
願い事- 服部 剛自由詩125-5-31
反バベル- 岡部淳太 ...自由詩425-5-28
生存者- りゅうさ ...自由詩225-5-27
虫の居所- りゅうさ ...自由詩4*25-5-14
遠浅の...- 岡部淳太 ...自由詩425-5-12
五月- 岡部淳太 ...自由詩525-5-3
春のあわい- 塔野夏子自由詩4*25-4-25
下町の画廊- ふるる自由詩12*25-4-22
ラーメン- レタス自由詩14*25-4-19
情迷- 岡部淳太 ...自由詩325-4-14
四月寸景- 塔野夏子自由詩7*25-4-11
イネ- ふるる自由詩6*25-4-9
エイプリルシャワー- 大村 浩 ...自由詩13*25-4-1
荊棘- ふるる自由詩11*25-3-22
衣_装__Ⅱ- 塔野夏子自由詩11*25-3-21
おつげ- 服部 剛自由詩225-3-20
夜明け前- 服部 剛自由詩225-3-20
骨のうた- 佐々宝砂自由詩3*25-3-18
五行歌、ただ満月- ひだかた ...自由詩8*25-3-14
五行歌_どんな詩よりも- 本田憲嵩自由詩825-3-10
不具/異形- 岡部淳太 ...自由詩225-3-9

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