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首筋から
次々と抜け出していく
幾筋もの熱の糸たち
あなたを前にほどけて泣いてしまう
朝が来たり夜が来たりするたびに
揺れているのだきっと
いつだって泣く準備はできていたのだ
だから ....
なぁ
青春とは短く儚いものだったな
桜の色なんて
ああ
暑いな。ここは少し
木々の葉がさやぐような声が
ざわめかしい、朱夏
風の声なんて
ああだけど
底無しに ....
春の日をおもいだした
時間の流れをしらない午後
黄色っぽい、浴室のライトが
人肌の温度をもった水を
きらきらと透き通ってみせた
やさしさに満ちた浴槽で
ベビーパウダーが舞いあがった
....
彼女がまばたく度に
その瞼に乗せられた青が
小さく揺れ
私は時折それを盗み見るようにしながら
彼女と彼の話を聞いていた。
車内には遅帰りのサラリーマンたちが
妙な静けさとともにか細い息をし ....
それは一晩中泣き喚いた後の
空の真白
真白で無関心な、朝、まぶしくて
腫れ上がった目蓋と、熱い頬と
厭味たらしい空の
詩を忘れた
詩を忘れた
詩を忘れた
後は空白
空の
夜明けの鳥たちが、狂ったように群れて鳴いている。
悲しいとき、どうすればいいのですか。と訊いたら
それは致し方がないことなのだよ、と
優しい声で
言われた。
あぁ。私も鳴きたい。
灰色の群 ....
つま先をそろえて
腰の位置を安定させて
白い天井を見上げ
白い光に
遠近を失う。
救いがあるとすれば
かすかにある染みが。
何故、天井に
染みができるのだろう。
とても届かないよ ....
「ありがとうございます」とコンビニの店員が微笑みかける。僕にではない。ただ、この人、どこかで会ったことがあるような・・・。そう思った時、いつも妙な妄想をしてしまう。もしかして、世界にはほんの数十人の ....
明け方の薄い空の下で
やわらかく湿った地面の上で
何か、いいものを見つけましたか
たとえばきれいな色の小石
たとえばいい匂いのする野草
星屑のなめらかさ、夢で出会っただれか
その眼 ....
そうだ。あの空々しい夜明けの日
あのひとがわたしを呼んだ
わたしはかのこだった。
今ここにはない、となりの席で
あなたがわたしを呼んだ
わたしはかのこだった。
もしかしたら、夕方5 ....
本当は、踏みにじれるよ。
泥だらけのスニーカーで、悪びれもせず。
ハーブの浴槽を
かき混ぜて
えらいねえらいねって
かき混ぜて
わたし、泣いてはいませんでしたか。
いいえ、それでも笑っていたんだと思います。
はらはらとこぼれていくのです。
あの小さ ....
痛みを持ち上げて
此処に立っている
へしゃげた首も
切り落とせぬまま
鉄のような水面
なにを想う その心
芯から病んでしまった
水無月の花々よ
重たすぎる花弁を
いついつ散ら ....
きっと晴れる。
透明なフィラメントが
{ルビ雷=いかずち}を呼べば
この曖昧な空の色は弾けて
晴れる。
きっと晴れる。
いつものように
なんでもない顔をして
駅で電車を待って
頭ん中だけで
僕は僕を{ルビ撲=なぐ}っていたんです。
ふとしたことで
泣き出しそうになって
そんな自分がどうしようもなく
....