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ふわふわが
ふわふわに言います
もっと
ふわふわになる
光が光に目をふせ
渦の生まれを見ます
ふたつ
生まれた
ほつれ
ほどかれる指が
からまわりし ....
消化しきれず吐き出される
無駄な命の残骸を
手で掬い取ってみる
僕は無力で
無力な僕の血が混じった
その残骸は中途半端に溶けていた
近いうち
あなたの血が混じった僕が
吐き出さ ....
高校二年生の冬、谷川岳で幼馴染が遭難した。きっと、眠っちゃいけないと眠っちゃいけないと思っていただろう。その日の朝刊で捜索が打ち切られたことを知った。
初恋の人は学校を辞めて谷川岳に彼を探しに行 ....
昨夜は
わたしの体を切り捨てた反動で
わたしの夏がすうと遠のき、その反動で
体の、体であるという軸が大きくぶれた、ような
辛うじて肌寒いとわかるだけの
....
いつも、いつもそうかもしれない。
不眠症のあたしは12時過ぎたら何もない。
11時59分59秒以前も変わらないけれど。
あぁ、誰だってそうだ。
セックスをして眠るだけだ。
ギターを弾いて煙草 ....
この夕くれのひかりのなかに
ぼくはぼくをみうしなったりするだろう
そらの彼方のやさしいもの音よ
秋の風にさえぼくはこころを揺らしたりする
ぼくのであったものごとの全てに
ぼくは話しかけた ....
おネムです
フワフワ ポッカリ しろい くも
つつんで ゆらして こもりうた
おやすみ
ぼうやの 夢の中
....
種子が私を追い越そうとしている
それはとても嫌なことなので
速度を上げる
と、背が少し伸びる
冬に逝った人の名を
夏の終わりになって
帳面に書き足す
遠くが見えるということは
かわ ....
枝に ぶら下がってる
偽者の太陽
発火を夢みて
まどろむ 花弁
かかってくる
濃い 夜の 暗い闇
閉じない 瞳
はずれない 翼
あたたかいのは 私だけ
じっと 冷えた ....
{引用=
約束しないのが
封印された決めごと
矛盾を越えるのが
愛の役目だと思っていた
}
わたし
ひそかに
日記を付けてたんだ
携帯メール打つふりして
あなたがくれた
ちっ ....
詩が生まれた
あなたはどこから来たのでしょう
あなたに辿り着くまでに、
どれだけの根を共にしてきたのでしょう
たくさんの親指に包まれながら
あなたは産声を揚げたのです
この世に生まれた ....
自転車置き場の
かたすみで
セミたちが吹きだまる
かさかさと
枯葉のように転がって
閉じない瞳で空を見る
川沿いの
桜並木が手を振った
親猫は
いぶかる子猫を ....
夜
声を潜めて
雨と歌う
からからわれた
囁き声は
ひくく
ひくく
こぼれおちてく
すきまだらけの
....
電線の五線譜に音を入れ
夜三時に水平線を目指すオオムラサキ
世界を支えるピアノ線がゆっくりと緩む
深海にさく桜
魚達は星を夢見ている
海が静かにひいて
地軸がわずかにきしむ
....
未だ硬い、既に確かな
夏でもない、秋でもない、果実で
深緑は
瀕死であることを理解している
見上げれば、ひとつの一秒が
高速で遠のいてゆく
わたしは、何に対しても連 ....
彼女は
朝の遠いこのまちの
ちいさな刷毛で色をさしてゆく、群青
そらをぬりこくって笑う
その背中に
にじんでゆく夕焼け空を想起しました
けれどもうぜんぶ しずんでしまったから
....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒
ねむりの いわおに
腰かけ
仰ぐ
ちり ち り りん
金魚の尾ひれが
風鈴を蹴る
ちり ち り りん
黄色の帯と
左手
....
楽園の夢を見た
この世界ではいま
それが必要だから
まず
都市計画の話を
人間の楽園の話をしよう
ペブルビーチ
サンドビーチ
エプコットビーチ
椅子に座って
話をしよう ....
侵された柔らかな海の洞窟
蒼く反響する水底から
掬い取った石英は
浮き雲が見る夢のかたち
船虫の棲む加賀の潜戸は
時を流刑する賽の河原
打ち棄てられた白磁の人形
反転しない砂時計 ....
なんとなく気分のいい日には
枝を揺らす風だとか
キラキラした川面だとかを
鼻歌にして口ずさむ
そうやって
枝を揺らす風はやさしいなぁ
キラキラした川面はきれいだなぁ ....
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昔日の思想は僕の手に形をあたえる。指先を
くるむほとびた皮膜に沙漠のイマージュをな
がしこむと、僕の手指は草の葉をつまむこと
ができる。内臓の液化して ....
すきとおる泪が
青い洞門をすべり落ちる
あなたほど自然に私をさとすものはない
美しく象形した蚕の吐糸がやさしく肌を包む
あなたは私を裸にせず裸にする
新しい息吹は真珠となり
このく ....
切符を切るカチカチと
ポイントを温めるランプの炎の
二番ホームに雪を踏む
信号の腕木があがる
凍える両手に息を吹きかけたあと、空を見上げて吐息
....
しっとりと伏せられ、そのまま
こと切れたあとの、薄青い、薄暗い
目蓋のような擦り硝子を前に
決して、そこから
目蓋なんぞ連想しないと思い直す、おんなの
見下ろす、白百合の ....
腰の曲がった老婆がひとり
大雨の中を歩いている
両手を鎖に繋がれて
重い足枷を引きずりながら
濡れるに任せ歩いている
彼女にも愛は確かにあった
独り暮らしの雨は寂しい
愛は何処へ ....
夕闇から吹いてくる
嘆きのざわめきが 靴の音で新鮮だ
ふざけたのりで地面を撫でまわす
こうやってできてゆく
グランドキャニオン
幾層にもなって
髪がうんと高く飛ばされ ....
うそとまことに生死の境
ピッカピッカの緊張感
と
淀む日常に惑う
幽玄と夢幻がシーソーを揺らす
くるくると色をかえ
....
純粋ならざる錬成から生まれ、
おぞましき獣となりて、
いまだ人ならず。
異物、
或いは汚物を喰らい、
蛆と成り果て、
蔑まれようとも。
いつか人と呼ばれる ....
夏が欠けていきます
溌剌とした空の滴りを
濃厚な季節が吸い尽し
あとはさらさらと乾きゆくだけです
さっきりと出た月の高さも
いつの間にか伸びて
変わりゆく時は
青葉さえ少しずつ朽 ....
街路樹の緑葉
千切ってばら撒き
踏み歩く
秋の予行練習
さくさく しない
アサガオ望む縁側
置き忘れたカキ氷
蒸発してしまい
さくさく しない
鳴き疲れたアブラゼミ
ヒグラ ....
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