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かなしいものなんて
ボクにはないよ

やわらかいものなんて
ボクにはないよ

空に
一杯に手を広げ
防波堤のひらたい丘で

じりじり
ボクは乾いてく

太陽を
こんなに間近 ....
帰る場所を私は持たない
たとえば

ふるさとは
ほろびるだけで
東京は
ただ試してる

ことば
あるいは
ことば以外で
わかったようなつもりになって

帰る場所を私は持たない ....
賢い主婦はスーパーで
手前から古い牛乳を買うのだそうだ

ここにいない死者のために

未来
まだ生まれこぬ子供らは
つまり
まだ死者の国

私たちは循環する
古い牛乳を破棄する ....
さみしいと
寄り添うくせがあるので
いつも
ポケットにウサギ

鼻先を
ちょこんと出して
ふさふさの
耳をたたんで

私があまりにも
にこにこしてるので
人は誰でも不思議そうに ....
あの日
花を活けている母のそばで
私は
剣山を手に押しあてて
痛み
その直前で手を止める
残虐な笑み

横たわる百合の花
その白さと
花の奥
見てはいけない遠い闇

青い花器 ....
祖父が亡くなってからずいぶんの時が経つ
お骨になった祖父は白く そしてもろかった

まだ暖かい祖父の骨を私たちは火ばしでついばむ
生きている者を火ばしで持ち上げたりしないすなわち
祖父は名実 ....
影が私だ


私はようやく
私になれる

薄曇りの中で
私は埋没する
私はへらへらと笑っている
気づかれないように


私はくっきりとあらわれる
私が背伸びする 

 ....
さよなら、って
どこからか
吹いてくる風じゃなかった

私が
恋をするたびに
ちゃりン
ブタさん貯金箱
思い出が増えていく

思い出が
いっぱいになった時

私は
ブタさん ....
人に見えないものが見えたり
聞こえない音を感じたり
テレパス
そんなものに
憧れていたあの日

そんなものは
なかったけれど

好き

ただそれだけが
私に残る
超能力だ
 ....
雨を避けながら私は歩いている
傘に守られて私は歩いている
円形の
ぽっかり浮かぶその空間で
私は世界を眺めている

雨粒が傘の端から端から
あふれるように流れている
それは本来私の上に ....
きのう
夢の中で
誰かが死んだでしょう?

ボクの夢の中で
毎日
誰かが死んでいく
君はそのことを知っている
それは
君が仕組んだことなの?と
おそるおそる聞いてみる
ひ・み・つ ....
新幹線のドアの出口を
今日もニュースは流れてゆく
私たちの住む国は
800兆円の借金をしている、と

そう
そうかも
私たちの豊かさは
何を犠牲にしたのだろう
労働があって対価がある ....
あなたは曲線で出来ていて
髪の毛
しなる腕も
無駄のないポオズ
その
なだらかな曲線を
ていねいに
なぞって

あなたの
曲線とは裏腹に
こころには
ちいさなささくれが
いっ ....
通勤の途中にね。大きな川があるのだ。

もぅ海にも近くて、潮の満ち干きにあわせて、
川の水位がずいぶん変わるの。今日なんかは、なんての
もうほとんど水がなくて、はるか向こう岸まで歩いていけるの ....
あなたの胸に
魚群探知機
押しあてて
耳を澄ませて

あと
どれくらいありますか
時間という
さかなたち


あなたの胸に
泳いでいるのは誰ですか

それは
夕焼け雲で ....
星座になるのは簡単
目を閉じて

時間の数だけ
ふたりを
結べばいいから

星の距離で
 
 
 
何もない空から雨が
そんなふうに

あなたの存在が
私のこころを濡らすから

見上げても
どこにもいない
雲の
かけらも

だけど

私にだけ感じる声で
 ....
やり残したことはありませんか と
問われたらなんて答えよう
みんな
どこに帰るのだろう

ふるさとはもう
名前も奪われて
体育館ばかりがきれいになる

過去は
ただのおとぎ話で
 ....
たとえば
あなた宛てにメールを出して
それが
行方不明にならない
しあわせ

届ける
ことはできるんだ

つながってはいなくても
 

時折
いたずらな風 ....
最後まで
君の心のシグナルが
わからなかったボクを許して

その
深い瞳の色が
止まれ であるのか
進めで いいのか
点滅なのか
それとも
拒絶

ブラウスの
ボタンがひとつ ....
あなたの
しあわせ
のぞまぬ 
かくどで

ゆびの
ささくれ
みつめた
そのとき

だいじょうぶ
だよって
わたしの 胸を

ひゅう
     って 
 かける

 ....
さみしいだけ。 自転車置き場の
かたすみで

セミたちが吹きだまる

かさかさと
枯葉のように転がって

閉じない瞳で空を見る


川沿いの
桜並木が手を振った

親猫は
いぶかる子猫を ....
今日は地元では特別の式典。その時間を避けるようにシャワーを浴びる。ちょっと、少し、避けている。意識してることの裏返し、なんだけどね。

テレビの画面では、小学生があいさつをしていた。ある意味リーデ ....
−詩に没頭してるオトナって、やばくない?
そうそう。ある意味ね。

−だから学生さんとかが、ばーっとイベントとか、やればいいんだよね。
−オトナは無理だよ、無理無理ー。

詩を中心としたイ ....
こしごえさんのuminekoさんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ヒトデ- umineko自由詩18*07-3-21
帰る場所を私は持たない- umineko自由詩12*06-12-9
今ここにいない死者のために- umineko自由詩13*06-11-1
いつもポケットにウサギ- umineko自由詩20*06-10-7
百合の葬- umineko自由詩15*06-9-26
白の質量- umineko自由詩13*06-9-17
- umineko自由詩9*06-8-2
ハンドメイドでさよならを- umineko未詩・独白1*06-7-23
夕暮れエスパー- umineko自由詩7*06-6-3
傘をささずに歩く勇気を私はもたない- umineko自由詩19*06-4-11
じゃあまたね- umineko自由詩10*06-4-6
流れるニュースを私は見上げて- umineko自由詩7*06-4-4
夜の笛- umineko自由詩12*06-3-21
今日もおはようといって- umineko自由詩6*06-1-20
魚群探知機- umineko自由詩9*06-1-6
Star- umineko自由詩8*05-12-25
何もない空から雨を- umineko自由詩8*05-12-15
海鳴り- umineko自由詩12*05-11-5
元気ですか- umineko自由詩15+*05-10-22
流星夜- umineko自由詩9*05-10-5
かまいたち- umineko自由詩5*05-9-28
かえるじゃないよ- umineko携帯写真+ ...13*05-9-17
うつせみ- umineko自由詩8*05-8-29
立ち並ぶ銀色のビルたちと- umineko散文(批評 ...6*05-8-6
サハラ砂漠の真ん中で- umineko散文(批評 ...8*05-6-26

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