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新宿の雑踏に陽が差し込むころ
もう少し空気の言葉で話がしたい
自動販売機の隣で人を待つ人のように
母が持っていた日傘のことを思い出し
もう日傘がいらないことも
併せて思い出した
....
──献杯の酒を飲む夜に
* * *
高校三年生の頃、僕は恋をしていた
あんなにも好きだった娘(こ)に
教室で話しかけることもできず
震えながら・・・告白しようとした
夏 ....
赤いウインナーに、
十字の切れ目を入れて
四本の足を作る
さらに一本づつ 内側から
四回、切れ目を入れて
八本の足を作る
油を引いたフライパンで
コロコロ炒めると
足が開いて蛸ちゃ ....
原初の苑でヒトがたべた最初の有害物質 林檎
今 やさしくすりおろされて
病むおさなごのくちびるを癒す
有毒の糧の二つ名はなあに?
蜜をひそめ 彼女はうるんだ声でまろやかに笑う。
荒涼と熱くして
力 流出する
界の上層から
思念の此の原野に
垂直に
男と女
対極が求め愛
官能の
言葉を交わす
ロマン剥けて
踊り明かした暁に
ひび割れる家庭
笑い泣 ....
あゝこのまま死ぬのかもな
此の肉の魂の苦の境位に至り、
ひたすら光 眼差し
闘う必要無し
と。
内深く鳴るものに
向けらるる思考の力、
この硬直する肉の苦に
くっきり浮き立つ
....
#ながすぎる夢
たくさんためて
あらためて
新たなうたを
うたいます
あなたのために
桐の葉に 雨が降れば
涙なく 声なく
唯一人
流るる窓の滴に心あてなく さまよい出でる
あなたが何処に居ようと
わたしが何処に居ようと
生命だけしか上げるものが ....
あちら向き
こちら向き
淡いピンクのささめきは あなたと私の様
うす曇りな心に 寄せて消えゆく
秋桜のうた
....
僕らの夜をめぐる熟れた遊星
僕らの夜に降りそそぐ甘やかな流星
僕らはいつか来る終わりを
待ち望む気持ちを
ひそかに淡く抱きながら
今ひとときを寄りそう
銀の小さなフレームの中の
....
評価されるということ、
己が承認欲望超え
表現それ自体あり と、
他者に詩想され受け容れられ初めて在らしめられること、
ソレ このサイトにおけるポイントだから重要なんだ。
「今日」
足許が 冷たい
濡れた路面に浸む夜の訪れ
こんな日も
あるのか
早く帰って お風呂にでも入ろう。
....
生きることを
生活を
一生を
大事にしていきたい
母に抱かれ
あやされた
その日の私は
何を思ったか・・・
父の背に
孤独が
見えた日
私は何を感じたか・・・
....
この鉄空の荒地に
血は流され飛散し肉は裂け
恐怖絶望に貫かれた叫び声、
この人間世界殺し合いの連鎖
破滅へ堕ちようとして
自我 一点に為る私の、
血の水平から垂直に流れ
個体とし ....
明けて静かな正月
少し笑顔の戻ってきた母の顔を見て
また あの青空を思いだしてしまい
それから
僕らのパイロット・プラントを吹き抜ける風は
いつでも同じ音になった
....
あなたを音にする
わたしも音になる
狭いけれど
小さく響き合う
梨の実のように
透きとおった瞼に
指先で触れてみる
それだけでもう
抱きしめている
古い通り
澄んだ廃屋 ....
一度は殺し捨てたこの人生、
オノレ貫く力動の
坩堝の唸り 聴き入り
病みと共に生き進化し続ける、と
この肉身滅ぶ迄
灯火、
遠く確かに
輝き在り
律動の波打ち際に
独り生き続 ....
寂れた町の匂いのする
季節外れの席でビールを飲む
砂粒だらけの赤い足で、
板張りの床を踏んでいた
濡れた髪の女の子が
ハンバーガーとポテトを運んだ
台風が去った跡の景色が、
そのままこの ....
魚屋の前ではきっと
夕焼けが足りないと
うつ向いてしまうのだろう
戻って来た理由もどうでもいいので
僕も
ほんとにくさいと笑って食べた
世界の全てが ....
あの日の雨は
もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない
明日
海を見にいこうと思う
海を、見にいこうと思う
辞書の文字が夕焼けに溶け ....
すんと湧いて
すぅうと透ける
うっすら凍り付いた
たましいの音階波打ち
ぽっとぱっと灯る響きの光
鉄橋のなかを疾駆していく
空の青み際立ち笑いながら
たましいの音階波打ち
....
手はさわり
落ちていく
あたらしく
たどりつく波
その波のかたち
平日の空気を
涼しい寝台特急は泳ぎ
車体を残して
溶けていく
あなたは積木の
手本をしている
手は繰 ....
そうなろう
そうなりつづけよう
来年もそこにいよう
また台風が先に来て
それでも豪雨のやむ一瞬に
背番号がなくても
立つ場所があるなら
星から降る雨が流れて
やみまに観測する一線を ....
食べることは生きてる証し
我が人生は、食べることが目的
──でもないけれど、
事実は、かなりそれに近い
さて、今日は何を食べようかな?
中華そば大好き
煮込みハンバーグ激ウマ
....
すべての夢が燃え尽きたあと
僕と君とはふたたび会うだろう
そこには静かな風と
穏やかな光があるだろう
そして僕は
もはや語らないだろう
叶った夢のこと
叶わなかった夢のこと
た ....
或る 雨の朝
しぶきに打たれる鋪道の
流れる水の勢いを 感じながら
あなたを久しぶりに思った
夏の始めの山は緑だから
美しいし
君は 緑の年 ....
試着をし続けている間に
ぼくらはすっかり
年を取ってしまった
兄は定年退職を迎え
父と腹違いの叔父は
ベッドから起き上がれなくなった
会津に帰ると言って聞かないのよ
叔母が愚痴を ....
からっぽの手紙が積まれてゆく
借りてきた言葉ならまだしも
狩られているものは人の心じゃないのか
彼との間さえも誤魔化し
軽んずるためだけの言葉が連なる
綺麗なつもりでいて
嫌いとい ....
さやかなこまかなことばさきとどかぬのならそまず散るだけ
おとしぶみおとした文の子守唄
せきをしてもひとりよりすこしふかい秋はひとり
焼きいも売りの声すこしたかく
石黒くなりショパン ....
1
葉がふと 落ちる
はな れ て
ゆく
おとなしい
終りが
始まる
それにそなえて
私を 消す
2
浮き出た血管のように
夜を
青い星 ....
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