すべてのおすすめ
ある晩に見た夢の中で
僕は詩人{ルビes=エス}に
なっていました

92年の生涯の最期の夜で
33937日目のことでした

おじいさんになった詩人は
細い息をゆっ ....
私の名前はローレライ
一生懸命語るほど
言葉はあなたに届かない

言葉が
言葉ではないことを
昨晩私は知りました

私の名前はローレライ
あなたを想えば想うほど
 ....
{引用=これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。(「創世記」第11章第9節)}


その昔
僕たちは ....
ともかくも
生きていた
生きていた

それだけで
奇跡的で
満点で

老政治家の言っている
「貴様、なぜまだ生きている」と

それだけで
飯がうまいというものだ
おまえのようなアンチを
飼っておかなければならない
僕の身にもなれ

当り屋相当
特に君たちが
清廉とも思いませんけどね

それに引き換え僕!
その潔さ、忍耐強さ、勇敢さ
唯一無二 ....
とおく あさく
どこまでもつづく海のように
僕たちの罪は終わらない
それが僕たちの生を規定している

そうして決められた生とともに
僕たちはいるが
僕たちの罪の裏には
それにふさわしい ....
五月は淋しい月
新緑の匂いに惑わされながらも
それらと一つになることのないジレンマ
暑くなり始めた気候に
責め立てられているような気分
五月蝿い虫どもがまとわりつく
ありえない煩わしさ
 ....
君と私の
淡いあわいに
  泡のように
  浮かんでは消える
  気持ち を


 小径の菫
 曲がり角のスウィートピー

  淡いあわいに
  浮かんでは消える
  泡
 ....
大きな呼吸の
あるところ
迷子の流れ星もどうぞ

下町の画廊
築百年
ブランデーみたいな色してる
二階が住居で一階がお店のタイプ
こまい植木鉢が外の棚にいっぱい並んでいて
植木屋さ ....
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく

腹が減った

赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
情けなくも迷うのか、それとも、情けとともにあえて
迷うのか、とりあえず、抒情とともに迷うということ
にしておこうか。情迷という態度を貫いてみる、人は
常に迷いとともにある存在であり抒情とは人にと ....
静かな朝
君はチューリップを活ける
春の心臓を器として

脈打つ器の中で
朝の光を溜めてゆくチューリップ
を見ている君
を見ている僕
実家の垣根は汚れていた。
その汚れに入ってきて欲しくて寄り添っていた
あちこちで接木でもしているのか
いろいろな低木が混ざった垣根で
花も二、三種類咲く
そういうのは滅多にない

いっ ....
朝の冷たい床を踏んで
温水を浴び始める
髪を洗う事にする
泡を立てて
それを洗い流す
泡が伝う
うちがわの
頬を触る


冬をひとつ
生き延びた
ことになる
手を握る
生き ....
あなたは
とうに知っているだろう、自由に書くということの{ルビ荊棘=けいきょく}を
はるかにふかいふかい穴の奥底から 
虐げられた名馬たちのいななきが聴こえる
ではただちにそれを装備し また外 ....
とうに終わったエピローグと
いまだ始まらないプロローグの
狭間に佇む

記憶はずっと仮縫いのまま
予感もずっと仮縫いのまま

だから
来たるべき時のための衣装も
ずっと仮縫いのまま
 ....
なぜだろう
深夜の台所から
──日々はそれでもおもしろい
と、誰かの声が聴こえた
食卓にぽつねんと置かれた
黒い{ルビお猪口=ちょこ}は 独り聴く
窓外に舞う雪たちの
億光年の唄を
死体は歌わない、
いや、歌わなくもないか、
ひうひうと風に吹かれて、
風葬の肋骨が歌う、
でもおれがほしいのは肋骨ではない、
きちんと歌うのは、
腕の骨でも背骨でも肋骨でもない、
きちん ....
正気に戻りなさいと満月の、
輝きやはらか白く圧倒
意識のしぐれること忘れ

蒼い谷すら越え唖然と観入る 、

一日を生き果たした私かな
生きてるか?ガンバってるか?
ケガに気おつけてな、
それがどんな詩よりも、
やさしい、
顔になった、ことば、
俺はどうやら異形の者になってしまったようだ

俺の不具の左腕は
不自然なかたちで捻れている
その苦痛とともに 無理矢理
腕を正常な位置に戻そうとしていると
俺は俺の異形を否応なく感じざるを ....
ただ広いだけの野に
一つの観覧車が淋しく建っている
観覧車は時とともにゆっくりと回り
様々な風景を人に見せる
観覧車に乗り慣れた人は
見慣れた風景をまた見ることになるが
そうでない人にとっ ....
ただ広いだけの野に立たされて
私たちは呆然としている
野は広いだけで
本当に何もない
こんな場所で
何も持たされずに
何の約束もないままで
いったいどうしろと言うのだろう
私たちの戸惑 ....
舞い上がれ大空高く

透きとおった風となり

自由の天地を目指して

鼓動は久遠の鐘を鳴らし

晴れやかな未来図を描こう
無限遠に目を細めれば
縮尺の都合上
ちいさな羽虫の亡骸も
ぼくのこの身体も
だいたい同じくらいの大きさです

土に還るための段階は
どうにも煩わしいから
いくつか端折ってみる
飛ばな ....
決まりきった一日が繰り返されるように
決まりきった生が繰り返される
そうして生の脚韻を踏みながら
人は少しずつ あるべき真理へと近づいてゆく

(2024年12月)
かすかな気体が母音をまねて
つつましく
遠くの空をながめる子
瞳に映る季節、また季節
繰り返される慈しみ

陽射し
向こう側へ手をふる
帰れないと知っても
魂は旅をするかしら
平行 ....
ずっとむかしの
波しぶきの化石を並べて
もう聞こえない声の数々は
糸を曳くように飛び交う

白く露出した骨は
もう痛みを感じないから
少しずつ折り取っていく
日記みたいな作業

遠 ....
久々の一人旅で
新幹線に乗る

列車は加速し始め
多摩川に架かる空色の丸子橋を過ぎ
東京は背後に遠のいてゆく

あの日
君を見送ったのも
品川だった
かろやかに君は
こちらをふり ....
こしごえさんの自由詩おすすめリスト(3575)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
最期の息- 服部 剛自由詩225-5-31
願い事- 服部 剛自由詩125-5-31
反バベル- 岡部淳太 ...自由詩425-5-28
生存者- りゅうさ ...自由詩225-5-27
虫の居所- りゅうさ ...自由詩4*25-5-14
遠浅の...- 岡部淳太 ...自由詩425-5-12
五月- 岡部淳太 ...自由詩525-5-3
春のあわい- 塔野夏子自由詩4*25-4-25
下町の画廊- ふるる自由詩12*25-4-22
ラーメン- レタス自由詩14*25-4-19
情迷- 岡部淳太 ...自由詩325-4-14
四月寸景- 塔野夏子自由詩7*25-4-11
イネ- ふるる自由詩6*25-4-9
エイプリルシャワー- 大村 浩 ...自由詩13*25-4-1
荊棘- ふるる自由詩11*25-3-22
衣_装__Ⅱ- 塔野夏子自由詩11*25-3-21
おつげ- 服部 剛自由詩225-3-20
夜明け前- 服部 剛自由詩225-3-20
骨のうた- 佐々宝砂自由詩3*25-3-18
五行歌、ただ満月- ひだかた ...自由詩8*25-3-14
五行歌_どんな詩よりも- 本田憲嵩自由詩825-3-10
不具/異形- 岡部淳太 ...自由詩225-3-9
観覧車- 岡部淳太 ...自由詩625-3-8
- 岡部淳太 ...自由詩925-3-7
五行歌_遥かな想い- レタス自由詩5*25-2-21
葬列/下位次元展開- あまね自由詩11*25-2-19
- 岡部淳太 ...自由詩225-2-13
ヴォカリーズ、幼年期のための- あまね自由詩425-2-8
骨音- あまね自由詩1425-2-6
Poets_on_the_Road___──_旅立ったcho ...- 服部 剛自由詩625-2-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120