すべてのおすすめ

衣替えが近いので
冬服を夏服に入れ替えることにした
天袋の奥にしまいこんでおいた段ボール箱をおろし
夏服を一枚ずつ箪笥の引出しにおさめてゆく
最後に
去年の夏によく着ていた
さくらん ....
だあれもいない夜に私はたっています
それは夜のくらさのためではなく
そのくらさが私の影とまじりあうからでもなく
ただ私がどんなものともつながっていない
無縁のものだからなのです

とおくふ ....
{画像=100518032154.jpg}

幽霊坂という名前の坂は、東京都内にいくつも点在、
していて、神田淡路町、目白台、三田、田端など、に
ある。これらの幽霊坂は昼なお薄暗く幽霊でも、出 ....
白い光がふちどる窓辺で

二人はふるえる菫の口づけを交わす

二つの華奢な心臓が

透きとおってしまいそうだ
生まれる
ずっとまえから
さまざまの小さな
かけらたちがあつまって
この心身をかたち
つくってきていた
それらの小さないのちたちの集積で
ここにいるほどよい大きさのいのちがある
その後 ....
指のさき
雪がひとひら、消えました

わたしの熱を、あら熱を
かくまうように
消えました

うなずくべきことなど
何もないけれど、
わたしは確かに
うなずきました

す ....
ハワイは1年に3cmずつ
日本に近づいてるんだって
と君がいう
うん、いいね
とぼくたちは笑う

9才の君が
どんなに長生きしても
せいぜい3mか、そこら
それでも
いいね、とぼく ....
僕たちが狩りをするのは
生き残るためだったはず
いつのまに
狩りをするために
生きていることになったのだろう
などと僕たちが
思うはずもない
僕たちは今まさに
狩りをしているのだか ....
回転を少し止めた朝は
おだやかな
エメラルドの生地で

ひとつの心臓もない
白い砂床に
波のつぶやきを聴く

貝の肉のような
とりとめのない柔らかさに憧れ
ギリギリと角質の擦れ合う ....

十月も末になるとパソコンが
鼻をすするような音を立てながら起動するようになる
動作もどことなく鈍くて
悲しいつらい気持ち悪い
という類の言葉は迅速に変換されるのに
楽しい嬉しい気持ちい ....
空はどこまで
ってきく君の
求めている答えは
わかっていた
あのとき
君の肩は細くて

花びらを
青い水に散らして
一文字ずつ撹拌する
結実してしまうものが
何もないように

 ....
僕らは
らしんばんも持たず
はかなさを胸に抱いた
静寂の虚ろ子
からまわる螺旋
にじんでぼやけて
消えてしまいそうな鳳仙花 ああ
えがおは歪んでしまう
てがみは見つかり ....
誰も待ってくれないから
みんな子供であることを
あきらめるしかなかった
そうして前を見て進み汗をかいては
花の色でさえも忘れていった
たがいの溝を埋めあっても
ひとりずつは変らず小さく
 ....

私の本当の名前はスマコというらしいです
だけど父も母も兄弟もみんなスマと呼ぶので
いつの間にか私はスマになってしまいました
ときどき本当の名前について考えます
コというのはどういう漢字な ....
街は色彩と四角形が多い
色と形を捨てた僕は
自動車の中から窓越しに
後ろへと緊張していく風景に
様々な情緒の斑点を投げていった

山道に入ると木々が道路をにらみつける
おびえた道路は身を ....
暦を一枚、捲った下に 
「我事に於て後悔せず」 
と云う、宮本武蔵の一行が 
過去から語りかけていた。 

侍の幻影、目の玉を動かさず  
うらやかに 空 を観る  

暦を一枚、捲 ....
真昼のソファーで目を閉じると
いつだったか、夜を待った日の
高原の風を思い出します
肩の高さほどの草むらを抜けて
尾根にむかう踏跡をたどり
軽く息を切らしながら
ずっと星に近いところにたど ....
あの夜空に瞬く星は 
僕が生まれるより 
遥かな昔に、消えている 

幾十億光年の{ルビ宇宙=そら}を渡り 
あの星が 
地上の僕に呼びかけるなら 

すでにこの世を去った人の 
あ ....
あなたが始めたわたしを
あなたが終わらせてくれる。と
どこかわかっているわたしの夜は
静かだ


夏よ、あなたが
夜に満ちているよ
夜にこそ誰にも触れられずに
(ひそ ....
 
忘れ物のような話をしました
ただ長いだけのベンチがあり
終わりの無い話を続けました
読みかけの本が無造作にふせられ
背表紙は少し傷みかけていました
マリエはすぐに人を殺そうとする
け ....
ふと見下ろした煉瓦の上に 
蝸牛の子供が一匹 
二本の細い触角で 
何かを探るように、這っている 

少しの間、僕は思いに耽り 
ふたたび見下ろした 
小さい渦巻はさっきより 
確かに ....
雨の夜のアスファルトでは
光も熱帯魚みたいに濡れている
迫り来てよぎり過ぎ去り遠退く
赤い、黄色い、無数の鱗が目に入って
濡れるしかなかった視線が水性インクとなって
雨の夜に、明るい ....

夜の間
やわらかく曲がりくねって
遠いお伽の国へと繋がっていたレールは
朝の光を浴びた時にはもう
冷たく固まって
駅と駅とを繋ぐ
当り前の鉄の路へと戻っている
包装紙から出したての ....

目を開けなくとも蝉が鳴いている
目を開けなくともあなたの部屋にわたしがいる
けれど、目を開けて
眠るこの部屋のあなたを確かめる


蝉が蝉が鳴いている、ああ、夏なのだ
翅の ....
世界の尖端に
詩人のようなものが引掛かっている
重いカーテンをどんなに引いても
夜の窓から三日月がはみ出してくる
夢の過剰摂取の副作用が
紫色に垂れ込めてくる
中空には透明な旗が翻る
誰 ....
互いの杯を交わす 
向かいの席で 
微かに瞳の潤む 
その人は呟いた 


(今の僕は、昔より 
 孤独が澄んで来たようです・・・) 


この胸の暗闇には 
ずっ ....
つばめの描いた空の季節を
きりりとつま弾いた爪痕が
胸の奥で道程をたどってゆきます
命あるものの、ほのかな光が
湿った夏草の先で揺られています

  防波堤で砕ける波が
  どれほどのう ....
   人でなし

森が忙しく葉を揺らす
カッコウが巣の上で木々を見渡していた
小石のような小鳥の卵を
一つ二つと落としていくのだ


真ん中に一回り大きな卵を産むと
愛しむこともなく ....
空へと放った愛の言葉は
今ごろどこにいるだろう

雨の向こう側から
しずくのひとつを
ふと、思う



空から盗んだあの日の苦みが
髪と夢から香るとき
海はきまって
凪 ....
二人で引いたおみくじは
その元旦の初詣の甲斐があったのか

二人とも大吉だった


大吉にも中身が色々あって

満点の大吉もあれば
赤点の大吉もあるということを
同時に ....
こしごえさんの自由詩おすすめリスト(3575)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
家事をするけだもの- 吉田ぐん ...自由詩21+10-5-24
無縁仏- 岡部淳太 ...自由詩410-5-23
幽霊坂- 岡部淳太 ...自由詩810-5-18
早春小曲- 塔野夏子自由詩4*10-3-11
拾得- 岡部淳太 ...自由詩310-2-17
ロスト- 千波 一 ...自由詩21*10-1-6
空を飛ぶ宿題- 佐野権太自由詩30*09-12-19
月明かりの僕たちに- いとう自由詩9*09-12-16
貝夢想- 佐野権太自由詩16*09-11-27
冬支度- 吉田ぐん ...自由詩1209-10-30
水色スケッチ- 佐野権太自由詩14*09-9-28
遺伝子- 相田 九 ...自由詩2*09-9-17
必罰- 岡部淳太 ...自由詩809-9-6
或る少女の生涯について- 吉田ぐん ...自由詩2609-9-3
高原牧場- 葉leaf自由詩909-8-28
武蔵ノ伝言- 服部 剛自由詩309-8-20
花束の残像- たりぽん ...自由詩609-8-18
風のなかに_- 服部 剛自由詩509-8-11
甲虫の沈黙- A道化自由詩709-8-8
首都- たもつ自由詩1009-7-29
台風0号_- 服部 剛自由詩7*09-7-29
魚類の夜- A道化自由詩1009-7-28
ドア、閉まります- 吉田ぐん ...自由詩1109-7-28
蝉としゃれこうべの朝- A道化自由詩609-7-26
透明な旗- 塔野夏子自由詩8*09-7-17
孤独ノ星- 服部 剛自由詩5*09-7-16
初夏の眩暈に- たりぽん ...自由詩6*09-7-12
ふさわしい言葉- 千月 話 ...自由詩8*09-6-22
ぼくたちの空- 千波 一 ...自由詩3*09-6-18
縁結びのおみくじ- 瀬田行生自由詩17*09-5-31

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120