すべてのおすすめ
空にたくさんの綻びができて
あとからあとから雪が落ちてくるので
裁縫上手な婆さんに
縫ってくれ とお願いした
ひさしぶりの大仕事に
婆さんは大喜びで
せっせと針を動かして
つ ....
毎朝一缶のお酒を買う
ちいねえちゃんのことを思いながら
それを飲む
僕は頭のなかにいる人達を整列させる
たいていは 小さな羽アリに変身していて
ほとんどぼやけて見 ....
中学校の図書室で
詩の書き方という 本をひろげた
文芸部に入りたてで
それなりに 真面目だった
そこで 出会ったのが
高村光太郎様作 火星がでている である
ひと読み惚れという言葉 ....
言葉遊びに嵌ったら
これがなかなかの迷い路
右往左往して そらを見上げる
亜麻色の髪をこがねに輝かせ
少女は 湖一面に映った満月に
いったい どんな祈りの言葉を放 ....
{引用=
くり返す日々の中で 薄れてゆくものがある
流れゆく{ルビ時間=とき}の中で 根を張るものがある
切なさが泣くことを止め 愛しさの泉になるように
狂気が走るのを止め 懐かし ....
あなたを好きと呼ぶことは
抱きしめるふりをしながら
冬越えに飛び立つはずのあなたに
そっと鎖をかけている
あなたはやさしいから
気がついていないふりをしながら
ほどけるはずのその鎖に
ぼ ....
不純物はすべて取り除いて
何度も蒸留した
わたしがいます
つめたい
澄んでいる
淀み
夜のそらそのまま
映しこんでいる
潜りこんできている
そんな部屋だよ わたしの底流
....
雨が雪に変わってロマンティックな夜になる
という歌があったような気がする
北陸の片田舎の雨は冷たい
昨日から続いた雪が
遅い朝には
雨に変わった
ワイパー越しに見える女子 ....
おはようを言える奇跡。
こんにちはを言える奇跡。
こんばんはを言える奇跡。
ただいまを言える奇跡。
おかえりを言える奇跡。
いただきますを言える奇跡。
ごちそうさまを言える奇跡。
あ ....
考える日々に暇も無く過ごす日常は成り立ちと働き。
対する者には法律を束の間の休日を素面で過ごす。
日内変動の激しさに不安感が強く突破する。
感染する仕組みと倫理に基礎を解く。
....
夜が好き
塗り重ねた紺碧が
恥ずかしい輪郭を
消してくれるから
たやすく嘘がつける
夜が好き
冬が好き
穢れのない雪は
{ルビ男=ひと}を疑う心黒さを
隠してくれるか ....
真夜中の浜辺に独り立つ
君の{ルビ傍=かたわ}らに透明な姿で{ルビ佇=たたず}む 詩 は
耳を澄ましている
繰り返される波の上から歩いて来る
夜明けの足音
君の胸から{ルビ拭=ぬぐ} ....
何かを待つ
ということは
何もしていないことに酷似している
と、感じて
せめて俯いた
アスファルトが好きです、って目つきで
いま
手のひら
差し入れたポケットが
....
見えぬが故に
彩り溢れ
語れぬが故に
言葉繁り
聞こえぬが故に
音色輝く
何れが引き潮か
何れが満ち潮か
何時の時にも
円は丸く
影をうつすは
鏡なりや
少しづつ 咲く花も
少しづつ 枯れる花も
同じ時の中で 生を流れる
めざめて
めばえて
よりそい
続かなくなる息なのに
止める事に こだわり
いつまで夢をみるの
....
あなたの黒髪を
巻き付けて
どんな電流を流せば
私は磁石になるのか
あなたのコイルで
包まれて
熱が生まれると
それは法則だ
磁場の中で
迷子になり
熱が冷めても
....
たがいに ガラスの顎を
つきだして うちあった
なかまたち 言葉はいつでも
致命傷になるから タフネス!
生きていたら また会おう
かすれた声で
おめでとう
実家からもってきた赤飯は
冷たくておいしい
氷のようだ
誕生日
からだが溶けはじめる
誕生日
わたしは
生きていて
頭がざわめいて
こんにちは
わ ....
あなたの胸に
魚群探知機
押しあてて
耳を澄ませて
あと
どれくらいありますか
時間という
さかなたち
今
あなたの胸に
泳いでいるのは誰ですか
それは
夕焼け雲で ....
すき
きみがぽいんとをいれた し は、ぜんぶすき
よまなくてもすきで
よまないのに、ぽいんとをいれるのがすき
によいもすき
いんたーねっとの がめんのによいがすき
もじをよませる かいせ ....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう
何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
めぐりめぐる星雲に
招かれたまどろみは
開かれ 闇の中
光りが生まれ
現し夜は閉じられる
希望と魔法が
開花する
かくて
三つに割られた一日の
ひとつの内に自由は ....
眠る、寸前の浅い水温に
浸す指先の薄い心音
誰かが残していった空間の
点と線と、構成しているすべてを
場所も、時間も、爪先が触れているうちに
遠くに行かない、そのために
世界はきっ ....
1.
かみさまはいるよ、
って
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた
だって、あいしてるんだ
2.
きのう、かみさまを見か ....
にゃんこの目
かまいたちの爪
きたきつねの背中
ぴかりと光る稲光
みんなみんなまぶしくて
なまこのまなこは目をつむる
浜から揚がったお地蔵さんは
ぐっと一息飲み干す定め
辛口の ....
「月が明るい夜は
外に出てはいけない
みどりのコートを着たコドモが
生まれる時間だから」
そう聞かされていた
街のはずれの丘は
建設工事が中止になって ....
あなたが恋しい
わすれら
れない
忘れ
やし
な
い
あなたを食べずに
どうして
生きて
行け
と
い
う
の
細胞は主人に逆らえ
ないって
いうの
は嘘
....
母さんは夜なべをしていたけれど
手袋の類は編んでくれなかった
やがていつものようにフジヤマがやって来ると
腕相撲やカードの相手をし
それでも決してゲイシャ・ガールみたいに
振舞うこと ....
真夜中に、
嵐の音が怖くて目を閉じたジーナ
だけど嵐の音じゃなかったみたい
目を閉じている間に、
季節が変わってしまって
途方に暮れてる小さなジーナ
ふれる ....
紅い氷に
蒼い光はそそがれて
溶けては凍り
溶けては凍り
土へと向かう重なりの
まばゆい柱になってゆく
雪が召ばれ
風が召ばれる
木々は皆いっせいに
かしいではも ....
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