こんなに月がきれいな夜に
わたしはオオカミ
人を殺した。

  *

すれ違いざまに去っていくので
背中に向けてぶつけた、
言葉、と
言葉の。

 その間のお話。

 *** ....
黄金の蜜蜂が架空のゴシック建築を描いて飛翔するある夜明けの実
験室で彼女は頭蓋骨の中にひとつの王国を築くホルマリン漬けのギ
リシャ彫刻が語る月の犬の伝説はセメントに塗り込められた落下す
る九番目 ....
優しく濡れていた
公園の池が凍りわたるという法則を
冬だから寒いのは当たり前でしょうと片付けた母の
手の平の保温性が
今も強く、わたしの身体へと、わたしの眼へと
柔らかいままの金 ....
青い窓
と、部屋
泣きそうになるその人が
もう飽きたかのような指先で
コップの端を噛んでいる


くたびれてしまった
すこしねむってみたいな

そんな具合に
どこかから雨漏りがし ....
横着な猫の干からびたいくつかの夢は壁越しに粘着させられた食べ物のかすによって越冬させる こだまする音は小さなドーム状の過失を徐々に浮かび上がらせては消える 電波塔は滝の流れる岩山の上にえぐれてある フ .... 液晶が 関東平野を東へ走る青年 を映す 速度にまつわる素朴な
感嘆は冷気にあてるとしぼむ はずだから「ああ」という呼気をふ
くらまさず口のなか でビールと混ぜてのんでいる 速度よりも  ....
この世界の崩壊を
ぼく自身の修復を

無限のピースを
はめ込んでゆく

気のせいだろうか
ぼくの周りに
散乱したピースは

増えている
昨日よりも
増えている

このパズル ....
愛しんでいるのか
こわしてしまいたいのか
このからだ
誰のからだ
ある、からだ
だ、からだ
涙が感情とずれて
頬を官能的に滑っていく
私が悲しいなんてことは無い
ただ、からだの構造上 ....
朝から、青い陽に、
波シブトガラスが
割れそうもない節理を抱いて
泣いているぞ
かあハア

丸山薫よ

くあーっ

轍の臭いだ
草の遠く
それが、銀河より遠く
発泡スチロー ....
風が吹いたと思ったら
あなたはもういませんでした
見上げた空には
枯葉が一枚舞っていて
届きそうで届かない
私は
待っているのをやめて
風になろうと決めたのに
枯葉は  ....
誰もいない
雪のホームで
ふたつの足跡が列車を待っています

小さな足跡が二歩すすむのを
一歩で追い越す大きな足跡が
追いつけない
小さな足跡を残して
振り返るように立ち止まると

 ....
何か、ひとつ書いたらテンション上がってしまった。
腹も減った。米を水にひたしてる間に、もうひとつ書こうと思う。
日本人シリーズ、行くぜ!

知っている人は知っているが、現在俺は英語圏に住んでい ....
先日、女の子と喋っていたところ、意外な事を言われたのだ。
「男の子って、みんな外人好きなんだと思ってた」

この発言を受けて、本日も逝ってみませう。
リョウちゃんのー!独り言コーナー!!パフパ ....


「柴又ぁ〜、柴又でございます」

京成の電車を降りて{ルビ瓦=かわら}屋根の駅を出ると
前方には旅に出てゆくとらさんの像が{ルビ凛=りん}と立ち
柴又の町を振り返り、みつめている
 ....
その道は
街灯の小さな明るみの中に
白く浮かび上がっていた

様々な思いが通り過ぎていった
その白い舞台の上を
今日は
消え残る足跡がひとつ
闇の中に後ずさる

風が
粉雪と共に ....
丸山薫の詩を声に出して読むとたのしい。
なかなか他人の詩を声に出して最後まで読み通すには、自分の体力だけでなく、相手の詩にも
言葉を口にするのに「恥じなくていいよ」という「一押しの力」が要る。
 ....
僕の名前はベンジャミン。
朝起きると、親指が姫になっていた。
夢か幻覚だと思って、とりあえずしゃぶってみたのだが、親指姫はぴくぴく舌の上で抵抗していた。どうやら現実だ、僕の親指が姫になってしまった ....
さようなら、晴れる人

暮れ際の暖かさ、名残、手のひらの名前を
呼んでいる、聞いている、思い出している
花びらの震える下で潜り抜けた門を
指先で触れるくらいの気配で通り過ぎる
一度過ぎた言 ....
染み一つ無い真白な紙を埋め尽くす
白い詩の燃え尽きた詩人よ
家中のペン先が折れ曲がる筆圧で
描く 角張った情景
放り出した原稿のマス目から
飛び出す遊び文字を拾い集めて
茹で上げる アルフ ....
朝 起きてくると
窓越しに
遅く咲いた百合の花があって、
君はガラス越しにそれを見ていた
こちらを振り向くこともなく

 台所では
 しじみが口をあけてことりと音をたてる

僕は煙草 ....
  夜半
  電灯灯に映る
  雪の姿に
  ぼくはあなたの
  薔薇になれるか
  聞いてみた
  答えはイエス
  あなたの胸に飾られて
  ぼくはあなたを侵食して行く
  ....
 脳性まひ者の運動の言葉の中で、私に、とても印象を残したのは、「青い芝の会」という団体の「われわれは、愛と平等を否定する」というものだった。
この言葉は、たとえば、十九世紀末の詩人哲学者であるニーチ ....
何もかも傾いている
時間にもたれかかっている

不安なのだ

矢印を明日に向け
地に足をつけば斜めになる

上り坂の頂上に
日が昇るのを待ち

やがて

ビルとビルの間から
 ....
さくさくと軽い音をたてながら
生きものたちの影を求めて歩きました
胸いっぱいの冷たい空気を吐き出せば
白いけむりの中に春が見えないかと
苔にすべってつかまった木の肌は
渇いた鱗のように剥がれ ....
繁華街のビルの壁
男はチョークを振りかざし
白い壁に白い粉を降らせていた
書いた文字はたちまち剥がれ落ち
男の足元に降り積もる

時間×距離×事情 
時間×距離×事情・・・

同じ文 ....
 

  父は帰ってこなかった
  後で知ることになるが
  街の花柳界で板前として働いていたようだ
  華やかなところだから飲む賭つ買う
  生活を送っていたらしい
  ぼくた ....
僕が行く。

片手の平を道路にぴったりつけ、よっと逆立ちをする。
逆さの足は宇宙が吸い込んでいくように、空を飛びたがっている。綿パンのはためき。
そして、右手に力を入れ、道路を押す。ふわりじゃ ....
{引用=いくつもの山をこえ 
風は現れて
少年たちのてのひらに
しみわたる

あおい糸はまぼろし
淋しきはほこらのともしび
あおい糸はまぼろし
淋しきはほこらのともしび

うたは響 ....
先に子どもたちの声が消えた。流氷のひしめく冷たい海に放り出さ
れた私たちの生きようと叫ぶ声がむなしく響く。この海のなかでは
私たちは完全に無力であった。この冷たい氷の海のなかでは。
脱出を試 ....
青い地球を
踏み締めると

波が立つ
強く
つうよく踏み締めると
津波
津波が襲う

青く美しい地球

またさらに
青くなってびっくり
僕は慌ててにいげ出した

当 ....
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