先刻もたましいは訴えて
飼い慣らせない宇宙は慌てて
また
握りつぶして
わたしはそれを見ていた
ひとりきり
越境も
指たちも壁につぶれてしまって
凹凸も埋められてしまって

向こう ....
きみの合鍵を駆使する
ひとつの過去が
忍び込むその、とき

怖れているはずなのに
無抵抗に引きずり込まれる、混同する
きみの残酷さは少年で
叫ぶ
わたしの幼さはあまりに過去で

 ....
胃袋をふるわせて
吐き出した
現実は
見事にきみの同情を誘って
ううう、ううう、
うなる
わたしに蔓延する味方を
蹴散らせない
縋れない

泣かないで、なんて簡単に言うからだ
き ....
持て余した
生命力を
持て余す熱が社会を築く
その隅
引っ掛かってしまった
この髪が
縛りつける
遠心力の両足
掻き回す、両腕が
振り回して
そうして
ここに残った言葉なら信じて ....
ほどなく
空は なだめるように
いくどかのまばたきをした
何度目かの夏
もうすぐ花柄の猫たちが
砂丘のほしに
帰ってゆく

波の音
水平にひろがる
君のこきゅうと 両腕
ほど ....
他人のことは知らない。
自分自身について。


今は41歳だ。もうすぐ42歳になる。
13歳の頃から詩を書いている。
途中、8年くらいのブランクがある。
21から28歳くらいまで ....
裸足で海を確かめた後、
砂混じりに泡立つ波が残す
束の間の羊膜は
秋の曖昧な陽射しと融合して
反転の空を
この地表に造り、
(黒く濡れた浜辺は秘密裏に水鏡)
空を歩く、という我儘を赦して ....
たったいま完成した
きみの思考の円錐
てっぺんからひん曲げて打ち崩したいから強く
強い骨をつくるために
わたしは泥臭い牛乳を飲もうと思った
信じられないほど白い液体
きみを信じられないと思 ....
母は逃げ出した
母は我慢強いひとだ
景色を失ってもどこまでも失っても
触手のぬかるみをものともせず闊歩する
母はとても強いひとだ
母はわたしたちを愛している
母はわたしたちを置いていけるは ....
もう、ずっと、葬列のターンだ
山裾から行儀よく
山頂までの道のりを進む
お前たちの名前は
アダルベロ
だったり
クロデガンク
だったり
ジグラム
だったりする
高貴な熊や
有名な ....
手つかずの塗り絵です、
希望的な観測は
完成された白黒写真です、
絶望的な差異だった

容赦なく掌が、爪先が、舌が、
息が、声が、視線が、這入りこんだ
その底で
きみがなにか掴めるので ....
世界中にできた闇の部分がすごいスピードでずれて
くちぶえが遠ざかり
輪郭線が地平線とまじわりながらかたちをかえて
あたしたちはまだうっすらと汗をかいて
雲の裏側にのびていく光の筋が不意 ....
切り
開いた
現れた秘密
立ち眩むきみ
ただこれが信頼を顕せるのだと知っているわたし
ここは胡桃です
安心の窮屈です
近寄れないと知っているので
この膝小僧にキスをねだるのです
目配 ....
片足を曳いて
空を登る
これは頂上から下げる予定の頭
導く、斜陽は赤く、大きく
目を伏せる、花は白く、不気味に
大きく
わたしを
きみを
祝福して
大きく散るだろう花の学術名を手探っ ....
という問いには自分なりに一つの結論を持っている。

「現代詩は難しい?」
と聞かれたら、いつもこう答えるようにしている。
「難しいものもあるよ」と。


以前こんなことを書いた。 ....
屋久島の暮らしでは 
無数の鯖が 
村人達の手から手へとまわり 
こころからこころへとめぐり 

一匹の鯖を手に
樹木のように立つ老人は 
不思議なほどに 
目尻を下げる 

夜明 ....
函 館


黎明の
挨拶が
きみの喉から
洩れる、
と、
わたしのことばは
意味をうしなって
ぬれそぼった
草を
いたわることも
できない


窓からのぞめる
ふかい ....
アナタハ ダレデスカ

身寄りも帰る場所もなく来る日も河川敷を掘じくる佐久間少年ですか
地球の汚染大気に蝕まれ余命いくばくもないメイツ星人ですか
ふたりきり
河川敷の工場跡で
下水道に住む ....
 さいきん岡真史の名をネット上で目にすることが何度かあった。彼は12歳で投身自殺したという少年で僕より一回りくらい上である。かれが亡くなったとき、僕は1歳であった。

 
 知り合いお2人のブロ ....
 2008年7月5日、小説家の古井由吉さん主催の朗読会に行ってきた。実を言う
とゲストの平出隆さんを一目見るために。3串の現代詩コミュで情報を偶然見
かけて、それで出掛ける一大決心をしたのだった。 ....
青のジャージ、歯の抜けたおっさんが、にへにへ洗濯機回り、ゴミ置き場周辺を回っている。


アパート備え付けのランドリーな所で変質者はいつでも登場し、不動産屋が不正な自転車が置かれてないかと見廻り ....
川を見ると飛び込みたい私は終わり、ただそのゆらぎに見習いたい。

褒められて伸びる私は卒業し、缶コーヒーの絵柄が渚カヲルであることに笑う。

着物を着ている今の私では簡単にトイレに行ける ....
 今月の「ぽえとりー劇場」も筋書きの無い物語が続き 
唄歌いのゲスト・杉本拓郎君の後は「在りし日の詩人」
の面影が夜風に吹かれて訪れたようです。 

 先日僕が鎌倉文学館の「田村隆一展」に ....
 カメラに向かい
 天気図を背にして
「午後から雨になります」
 と伝え
 小さく頭を下げ
 辞表を提出し
 その日の午後
 先生は雨になった
 
 それは小さな雨だったが
 傘を ....
● MIDI「初恋」(http://hccweb1.bai.ne.jp/kakinoki/midi/midi032.html)





こゝろなきうたのしらべは
ひとふさのぶだうのご ....
山のあなたの空遠く
はっきりはっきり目が覚める
布団を押し上げて
燃えてしまっている
あなたが幸いではなく
きがかりだ
何の関係もなくきがかりだ
そう
そういうこと
きがかりだ
み ....
{引用=
Meruki『海に似た形の』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=151980



 何から話し始めるべきだろう。この作品の「彼女」、 ....
 私は卵について語りたい。だが卵について語ろうとするとき、私は古傷をえぐられるような心の痛みを感じ、私の心の流れは、卵という言葉から割れ落ちた無数の破片によって堰き止められる。私はこの透明で広々とした .... 信号待ちをするときは
雨のアスファルトを
濡らす夜の光を
滑るように踏み締める車の連続の
車、車、車の
融合しているかのようなスピードに
巻き込まれないだけの重さの、足 ....
   書いては消し、
   書いては、
   消し、


   夜 、
   に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
   雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
岡部淳太郎さんのおすすめリスト(1118)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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臨界- 伊月りさ自由詩1*08-10-3
繁茂- 伊月りさ自由詩2*08-10-2
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その空へ- 銀猫自由詩8*08-9-26
独走- 伊月りさ自由詩12*08-9-26
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グランツ- 嘉村奈緒自由詩708-9-24
突撃- 伊月りさ自由詩3*08-9-22
- モリマサ ...自由詩3308-9-22
篭城- 伊月りさ自由詩7*08-9-21
投身- 伊月りさ自由詩28*08-9-20
現代詩は難しい?- いとう散文(批評 ...23+*08-9-16
屋久島の鯖_- 服部 剛自由詩11+08-9-14
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ムルチ(怪獣詩集:帰ってきたウルトラマン)- 角田寿星自由詩1508-7-31
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ポエム的初恋のひと、平出さんの朗読会に- 大村 浩 ...散文(批評 ...6*08-7-6
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幽霊雨林- A道化自由詩1008-4-23
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