振り返れば
手の届きそうで届かない
「昨日」
に責任の全てを背負うかのように立っていた両足を崩して
独り誰からもかばわれることなく
地に身を伏せている私がいた

幻想の友情に終止符が打た ....
僕に露天風呂の中で本を読むという楽しみを教えてくれたのは友人Tだった。Tが言うには、夜の鞍馬温泉は人が少なくて、本を読むのにもってこいだという。僕は鞍馬温泉には行かなかったが、さまざまな旅行先で本を携 .... 赤錆の目立つ時刻表のバス停に立ち
来るか来ないかの
微妙な時刻にバスを待ってみた


進路の前にバスは無い
順路の後ろに気配も無い


行く先も馴染みの無い駅の
名前の書かれた ....
世界は みずでできていると 
きみは言ったけれど
肝心のきみも やっぱり みずでできていたのは
きみが死んで 五日経って ようやく思いだした

(そのとき みずが流れた)

深夜 人は大 ....
静かな風が吹き始めます。感情は涙の滴り。イバラの花びらはぼくらを遠くに抱きます。ようやくちいさな春がきましたが、ようやくきたちいさな春は、白い舗道の悲しい小学校に続いていました。香りの道にそって、夏の .... もちづきの ひかりやさしき はるのよい
たたずむみなもに ふりおりし


つきのこどもの くらげやゆれて
ははをおうてか なみまにみゆる

きらめくしぶきも はるいろみせて
たえまなく ....
彼女はあたしのもの
あたしは彼女のものでない
だから空いた方の片手(多分右手)で宙を掻く
彼女を犠牲にしてでも上へ 上へ行こうとする多分あたしは




(1) ....
いじめというくくり方には正直疑問を覚えるほど色んな方法があみだされているが、いじめ当事者にとっては、あの何ともいえない生暖かいような、それでいて凍りつくような、ずるずるとしていて、はっきりした妙な仲間 .... さんざめき、少しずつきえてゆくあなたの目に映るとうめいなちずをてのひらでよむ。ほほにながれるなまえをさがすように、丁寧なしぐさで紐を解く。なまぬるい、あめ、がらすにぶつかるたび、視界をぬらしてゆく。な .... 草よ、伸びよ
我が胸の内に
人々の胸の内に
その幾人もの胸の土壌に

根よ、根よ、根よ、

張りめぐらされよ・・・!

人と人を結ぶ{ルビ縁=えにし}の糸が
誰かに手を差しのべる
 ....
以前サカキバラ事件があった時、僕はとりたてて驚かなかった。
あれくらいのことは、やらかす可能性のある子はどこにでもいる。
単にやらないだけだ。僕がそう思うのは、いじめられていて、あくまで僕個人の主 ....
ずしん

頭の上に何かが落っこちてきたみたい
どうすればいいか
わからなくて
押しつぶされそう
地面にめり込んでしまいそう
でも
どんなに
形を変えても
絶対に
潰れたり
壊 ....
はたらくりっぽうたいにであったあるあさ、ぼくはあさごはんがわりのえきたいをのどにながしこみ、はたらきにでるひとびとをしりめに、あるいた。
ひみつをもったばかりのぼくはとてもおちつかなく、りっぽうたい ....
啓示は 下された
女が 死ぬ
男は 海に
自殺を 抱き
生き続ける

足下には 泥
むらがる 蟻は
蝉と 十字架を
運び
凹凸の激しい
排便

排便 そこには
美などなく
 ....
チューズデイ・ラブ。朝、目覚めれば彼女はパティという名前だった。お母さんはパーマがうまく巻けないし、お父さんの口臭が嫌いだった。そして階段を軽やかに滑り落ちる。今日は太陽ごっこよ。太陽ごっこをして遊ぶ .... 錆こする
     蝉 が赤土の
踊り場を囲い 哉
 哉哉哉哉 といにしえの

唱をまねび叫ぶ
     哉 哉哉哉 哉
橡の木の下で錆び
       た旋盤機が
抱 ....
私の中に
午前を飼っている
白い舟がいくつか
遠く漂う午前だ
華奢な草の葉がためらいがちに揺れ
吹く風のなかに
覚束なげな青さが
消えない午前だ

もう長いこと飼っている
だからも ....
バリバリの文系なわけですが、小学生からSFは大好きだったし、科学ももちろん好きでした。
高校1年で物理Iを学び、2年になるときに物理IIを希望したのですが、文系クラスで物理を希望したものが20人弱し ....
胸の小さな鉄板を
裏返しにして
お互いにハンダ付けした

ここはホホエミランドリィ
ミンクのファー投げ込んだ
信号が青になる方へ歩けば
たどり着く場所

30分前、鎮痛剤ぶち込ん ....
      潮風にのって白髪が
      飛散するのを
      じっと 
      唇をかみ締めて
      耐えていた、
      (藤壺を舐める舌の痺れ)
     ....
長雨の続く夕刻の水溜まりに影が映ることは
ない。泥水のように濁るわけでもなく、清水
のように色も無くすべてを透過するわけでも
なく、それは雨水と呼ばれるものと酷似して
いる。事実、それ ....
夜明けまえ、
廃止された鉄道分岐点で
ぼくは枯れ枝を燃やした。
低空によどむ雲、その裂け目に
うすい煙の筋が消えていった。


正午まえから雨。
うす暗い昼のあいまにぼくはウィスキーを ....
幸せな手ほどき 幸せなあなたの
春の手ほどき


日当たりの良い場所で発芽した幼子たちが
小さな口を尖らせて
黄色い山火事を起こします
霧散した空気があらゆる涙袋を膨らます
それは ....
――――――――――――――――――――
昔日の思想は僕の手に形をあたえる。指先を
くるむほとびた皮膜に沙漠のイマージュをな
がしこむと、僕の手指は草の葉をつまむこと
ができる。内臓の液化して ....
    喰いたくてそこに居るのなら
    苦痛だけは残しておいてくれ
    苦痛さえあれば
    数億年後に詩はふたたび生まれるだろう



    間延びした快楽 ....
  山並みを巡って
  一本の道が続いていく
  夕暮れ時に
  耳元でふと寂しい曲が流れるものだから
  あの道がどこへ続くのかを
  未だに誰にも言えないでいる



  「 ....
それは、いつだろう
遠くないかもしれない、毎日、かもしれない



水平線、その丸みが空に一番近いところ
大型船が突き抜けていくのを
海辺で、並んで、手を振って
ただ眺めている人たちの ....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で

そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
がらがらなので油断したのか
可愛らしい蜘蛛が天井から
電車の天井からまっすぐに
するすると降りてきた

慌てて写真を撮ろうとしたが
うまく撮れない

         (可愛らしい蜘蛛 ....
    私の瞳は濁った緑
    私の指は三本しかなく
    私の髪は闇の捨て子だ
    私へ向かうすべての心は
    空の貝のようにねじくれている
    本当の心は ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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落陽の標本箱- 青色銀河 ...未詩・独白505-9-14
愛しいうた- しらいし ...自由詩11*05-9-13
ジョコンダ_《L・H・O・O・Q》→〜Elle_a_chau ...- 人間自由詩2*05-9-9
いじめ2ー「いじめられた者にも原因がある」という言葉について- 石川和広散文(批評 ...14+*05-9-6
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草の下に埋もれた鳩- 服部 剛自由詩7*05-9-6
いじめ1ーサカキバラ君について- 石川和広散文(批評 ...8*05-9-6
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午前を飼う- 塔野夏子自由詩26*05-9-3
詩人の方程式- クリ散文(批評 ...6*05-9-2
微笑みランドリィ- 木葉 揺自由詩905-9-1
こころみ__3- るか自由詩2505-9-1
傘と白い手- いとう未詩・独白17*05-8-31
雨のなかの火- 安部行人自由詩1105-8-30
パリフ- 嘉村奈緒自由詩1105-8-29
(窓)(部屋)- 葉leaf自由詩10*05-8-28
ノート(29Y・9.26)- 木立 悟未詩・独白405-8-26
帰路- 嘉野千尋自由詩11*05-8-24
去り行く人は、海辺の- 霜天自由詩1105-8-23
ロマンスカーの幽霊- チアーヌ自由詩25*05-8-22
蜘蛛を撮る- あおば自由詩505-8-21
ノート(25Y・11.7)- 木立 悟未詩・独白305-8-20

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