*


わが家から消えてしまった冬は
ちゃんとタンスの奥の
小さな白い箱に
しまわれています。







*

少年がたいくつな授業を
受けているとき
校庭で春 ....
うたびとの記憶は木の葉のように、それぞれの滑面を散らしながらはすに重なりあってはひめやかに燃えていくのです。残り火は隔たりをときはなって、思い思いの灰を降らせながら真空にうずもれてゆきます。灰は年老い .... 笑ってくれだなんて言わない
笑えるときに
我慢せずに笑ってくれればいい

それだけを言うためにも
僕ははるかに遠回りをしてしまうのだろう
もしかしたら
あなたの笑顔が好きなんです
なん ....
どうにも身動きが取れなくなる私の
胸の上のあたりで、座っている息苦しさは
行進の仕方を忘れて
隊列に戻れなくなっている
らしい

それは確かにそこに存在しているので



手を頭の ....
隠喩的な記述は、それがどれだけ通常の語法から離れているかによって、いくつかに分類することができる。

M1.社会通念上十分ありうる記述
例)桜が散った。
(受験に失敗したという意味)
M2. ....
ぽつりぽつりぽつり

ひとり部屋にたたずみ
明かりかすかに瞳に浮かび
いくつもの雨音に呼び起こされる色々

色鉛筆で
一番最初にへってしまうのは青色でした
空の色なんてわから ....
  星の夜には
空から銀糸が降りてくるという幻想を持って
  今は亡き
あの人と、あの人と、あの人と、あの子 と
日記のような会話をします。


瞬いた先から、雫が玉のように伝わって
 ....
僕のことを知らない

あなたはきまって
この公園で昼食をとる
いつからか
それは僕の習慣にもなってしまい
僕のことを知らないあなたと
会話をすることもなく
この公園で昼食をとる

 ....


こころ
ころころ
ねずみのあなへ
ぺたぺたついた
うさぎもち
つきにならべて
おひとつどうぞ
さるかにころん
ひとやすみ



あしたわたそか
わたしかあしか
 ....
おとつづき
おとからぬおとび
おとげびり


おとな おとのな
 おとと おとうど
おとじ おとうじ
 おとす おとねの
おとぎ おとさの
 おとめ おとめな
おとば ....
海と陸をつなぐように
あなたは海岸線を歩いている

砂浜で波とたわむれる
あなたを見失ってしまいそうで
急いでかけよった
僕の砂まみれの顔を笑っている
あなたの白をたどれば
その薄紅色 ....
世界の優しさを浴びて
ことばで光合成する

前頭葉の発芽

それを

できるだけ
大きく
ひろげる

光が射すほうへ

できるだけ
大きく
ひろげる

開花する瞳
 ....
    
   だけど君は駆けていったんだ



 思い出の丘を、雲の影が滑る
 丘の緑はかわることなく風に揺れ、
 遥か彼方に、夏の海を臨んでいる
 ごらん、あの細い坂道に
 僕ら ....
かみさま
大人になった僕は
ずいぶんと長いことあなたのことを忘れていたようです。
時に僕はあなたの姿を見たいと
{ルビ只=ただ}、無力な両手を組み合わせては空に向け
一心にお祈りしています。 ....
水平線から屹立する歪んだ石棺の中で、僕は世界を描いている。つねに覚醒する神々の息吹に合わせて、僕は一日を造形する。鳥たちは朝と昨日とを見つけ、太陽は残酷に衣装を剥ぎ取る。選ばれているのだ。だが、奪われ .... ふわりふわりふわたり雨よ
ゆりちゃん、さわってごらん
うわぁ、ほんとにやわらかい雨
めったに見れないけしきだよ

むこうになにがみえるかな
お店がいっぱいみえてます
なのにとってもかろや ....
『寝ながら学べる構造主義』(内田樹/文春新書)というのがとてもおもしろかったのですが、そのなかのジャック・ラカンの項でラカンの鏡像段階論というのは、こんなふうに読み解かれています。

ヒトのこども ....
          <絶対>の詩学〜『無門関』を読みながら


{引用=趙州和尚、因(ちな)みに僧問う『狗子(くす)に還って仏性有りや無しや』。州云く『無』。

        ....
細かにえぐられた容積を抱え込む椎の木立が潜熱としての意味を失う地点であてどなくさざ波は広がる。枝間からこぼれ落ちる木の葉ははじまりを告げる単音を虚空に受精させ大気がむららと熟するのを苔のように待つ。
 ....
ワタナベ『リフレイン』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=34796
丘 光平『壁』
http://po-m.com/forum/showdoc.php ....
お昼の雲に
あなたを見つけようとしています

風がゆるく吹き
低気圧を含んだ雲が、南からの春風に押され
違う国の雲になろうと準備していました
静かな、わずかな運動です

雨が細く降って ....
{引用=伝わらない色々を
伝えようとする色々でかきまぜれば
伝えたくてしかたがない}

口にすれば単純な言葉ほど
意味は遥かに広く遠く薄れて消えそうに思えて
やはり口にできない

人を ....
首をかしげるのが可能である場合にだけ、地球を止めたいと思います。空を見上げるのはいろいろな事です、そして、するのが可能であるなら、まず一つ目はキックの話でしょう。




1.キック。

 ....
いつの間にか春だった

去年の夏に出した
扇風機は秋を過ぎ冬の間も
僕の部屋にあって
まるで使い道もない無駄な存在として
小さく佇んでいた

僕は
冬の寒さに凍えながら
扇風機を回 ....
雨粒が落ちるのとほぼ同じスピードで
わたしも落ちていっている
雨粒とわたしの相対的な速度は
限りなくゼロに近く
わたしの周りで静止した無数の雨粒は
刹那と永劫の境界線上に
ありえないバラン ....
 のろま
 のろま
 のろまどけどけ
 みちいっぱいに
 ひろがって
 こちとら
 あしが
 ばいぶする

 のろま
 のろま
 けっとばしてやりたいのはやまやまだけど
 こち ....
ぼくの部屋の電気を消すと、カーテンが発光して、それだけになる。隣のマンションの窓がすぐそこにある。昼間、すこしだけ部屋を覗いたら、そこには書類や分厚い本が重ねて置いてあり、おそらく研究者か、その類だと .... {引用=二本の線が近づくとき

強くひかれあう
お互いをただ求めれば
いつか交わり 
やがて離れてゆくもの

けして交わることのない平行に引かれた
二本の線は淋しそうな隙間をのぞかせて ....
 一昨々日から左腕が痺れている すれちがうから すれちがうように 魂清めを遊んだのね わたしたちはこっち そうでないのはあっち ひえこちゃんズルしないで なんてはしゃいだフリをしながら .... 母をおくる と
おそらく
わたしの半分が終わる

半分が終わる と
わたしには
守るものがたくさんあって

後戻り
できないことも
また
たくさんあるのを知って

さみしさの ....
岡部淳太郎さんのおすすめリスト(1118)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春がうまれました- 青色銀河 ...未詩・独白605-4-28
- 葉leaf自由詩13*05-4-27
笑ってくれだなんて言わない- ベンジャ ...自由詩5*05-4-27
夜半麻酔- 霜天自由詩605-4-27
隠喩と論理形式- 葉leaf散文(批評 ...19*05-4-26
ふるえるように雨がふる- ベンジャ ...自由詩7*05-4-26
金曜の星夜_土曜の月夜- 千月 話 ...自由詩11*05-4-26
黒い手- ベンジャ ...自由詩8*05-4-25
かえりうた- ヤギ自由詩4*05-4-25
おとつづき- (1+1 ...未詩・独白2*05-4-25
どこまでも白い海- ベンジャ ...自由詩4*05-4-25
光の体操- 043BLUE自由詩305-4-24
夏、少年- 嘉野千尋自由詩10*05-4-24
屋根の上に寝転んで_〜かみさまへの手紙〜- 服部 剛自由詩9*05-4-24
来迎- 葉leaf自由詩4*05-4-23
ふりだした雨のうた- 木葉 揺自由詩10*05-4-23
ひとはみんな少しずつ狂っている- 藤原 実散文(批評 ...105-4-22
ぼくの脳髄はカンシャクのステップを踏む- 藤原 実散文(批評 ...1*05-4-22
滅び- 葉leaf自由詩12*05-4-22
批評05/4/22- 黒川排除 ...散文(批評 ...1105-4-22
雲を追いかけて- ふく自由詩9*05-4-22
ありふれた愛の歌- ベンジャ ...自由詩6*05-4-21
蝶よ流線をなぞる- nm6自由詩6*05-4-21
冬の扇風機- ベンジャ ...自由詩5*05-4-20
ゼノンの雨粒- 大覚アキ ...自由詩5*05-4-20
人類愛に富んだ電車愛用者による人類絶滅計画案- 北村 守 ...自由詩405-4-20
うすぐらく、ふかい部屋- ピッピ自由詩705-4-20
交わらない線- ベンジャ ...自由詩4*05-4-20
わたし(たち)の午後- スローラ ...自由詩105-4-19
母をおくる- umineko自由詩31*05-4-19

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38