三千(日後)の遊歩道に
一斉に蝶の降る憂い
黄金の泥を横断する
スイマーの幻視が
燐粉の臨死者を照らす
二月の陽光を暗示する
立ち枯れた電柱の果実よ
蔦を羽の様に伸ばし
貴様は貝殻のビ ....
窓辺のてーぶる
並んだふたつの影を朝日に落とす
じゃがいも・いちご
似ても似つかぬ後姿の影を背に
似た たましいの まなざしそろえ
窓の外に光のたまる
明るいほうへ   *

 

 ....
この住宅地は
どこか変なんです
川っぷちにあって
どぶ臭いなんてことは問題じゃありません
臭いのならむしろ
どこからともなく漂う
昔の横須賀線の臭いの方が
ずっと気になります
日当たり ....
唐突に ざわめき始めた夜のいとまに手を伸ばす
鍵括弧と 鍵括弧の中に押し込めてしまう
かなしみや さみしさを
あなたは知らず
いいえ 知ろうともせず
いいえ 知ることもなく
恨むくらいなら ....
神社の境内の中心に
夕闇の光が満ちて来る
日暮の鳴き声を子守唄に
私は貴女の膝の上で眠っていた
薫る貴女の全て
額に浮かぶ汗でさえ気にならず
ずっと私は眠っていたのです

見えはしない ....
  青い森の中の小さなベンチ
  腰掛けたままの少年は
  もうずっと切りとられた空を眺めています
  かつて街角の公園だったその場所は
  今では小さな青い森
  時折少年の握り締めた手紙 ....
波立たぬ水面を漕いで行く
誰かの唇からこぼれて落ちた
言葉の破片を掬い取るように
静かにゆっくりと
しかし確かに
前に漕ぎ進んでいく

百年前の詩人が書き記した言葉も
百年先の詩人が書 ....
   ひゅんひゅんと北風はめぐり
   ぼくはタバコの火をつけられないでいる
   詩を求めて詩から放り出され
   いくらタバコを吸っても安息は得られない
   一月は何とか切り抜けた
  ....
『努力』

本当に努力をしている人は、その自覚が無いし客観的に見ても分らないことが多いだろう。端から見て、努力しているように見える人は、そう見えるよう努力しているだけだ。


『誰かのため』 ....
空に向かって
「さよなら!」って言っても
空はなくならなかった

僕もそのまま

ただ思い出だけが
涙を揺らします


「さよなら」は

いつも寂しい風でした
未だ詩に成らざるもの申すなり
未だ死に鳴らざるものもう簀なり
いまだしに ならざるも のもう すなり
   未だ死に損ないのものものみちてもうすなり
       (薄ス酢に浸して野蒜ヒサぐも ....
後頭部のかさぶたかきむしって
かきむしってはじき出したコンテンポラリー都々逸 雷鳴のごときフレーズ
こいつをひっさげ天京ツアー 俺たちの前で
広大なクレーターは激揺れ 無音だ ....
ゼロから誕生するものなど
あるはずもなく
すべては発見であり
けっして発明ではない

オリジナルであるという幻想
オリジナルでありたいという病

きみの頭の中に
天啓の如く降り立った ....
きれいな空があることを
忘れたくなかった

雨が降るのを
空が落ちてくると言った 僕は
落ちてくる空を見たことはない

びしょ濡れになってもいい
見上げた空がきれいであるこ ....
  雪が白く彩るために切なさは増すのか
  薄紫の雪原に伸びる影はただ一つだけ
  記憶の奥深くにあの憧憬を閉じ込めて
  氷の枝の先に探す冬の太陽は遠く遠く
  深く俯いて一月の短い午後 ....
友よ、
すでに日の光を受けている君の震える足で
「初めの一歩」を踏み出そう
まだ描かれてはいない、空白の明日に向けて

深夜の闇の部屋の中で
耳を澄ますと聞こえて来る

胸 ....
そうして
僕らのこれまでの順路を
紙の上に書き出してみる
その上に雲なんか浮かべたりして
無駄に力を入れて笑ってみたり




過ぎ去ったあとで
自然に昔話ができれば
それはそれ ....
  
   枯れた草むらに
   寝転がるようなことはしないで
   ライターで火をつけてみた
   なかなか燃えない
   新聞紙がない
   紙屑がない
   諦めた
   炎は美 ....
けれども
身じろぎもせず息をひそめて
眠ったふりをとおす
それがきみのためになればいいのだけど

夜が終わるのを待つあいだ
カーテンの裾からもれる淡いひかりに
痙攣するまぶたでこたえなが ....
静かに という言葉を 使いすぎてはいけない
そこには たしなみ が あるから

多くを語らずにいても 多くが漏れる
ので さいだいげんの 多くを 語る

よそ者のなんにんかは いじけてしま ....
すこしだけ、遠くを考ることにして
足元の言葉など
深めの空へ向けて投げる
そこまで
届いた音を見届けてから
ぼくの窓からロケットを打ち上げる


高いところ
見渡せる、空が近い
た ....
石炭を掘りし祖父らの手のひらにひとすじ青き川の流るる


コーヒー店ここにあるぞと言う父の初恋よぎる遺伝子の夢


をさなごと眠る畳に健やかな妻うつくしき秋の遊具も


弟は真夜中銀 ....
今朝、あまりにも小鳥がうるさいので。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

・・・・・闇で射った。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・ ....
はめこまれた ものがたりに
はめこまれる必要はないので
かなしみも あちこちと 
さまよっている

そのへんに いっぱいの ものがたり
悲劇も 喜劇も 
不条理劇も 無意味劇も
はめこ ....
先生のケツの付け根あたりからなんかコードがでてたのを見つけた佐藤君が
「先生 ケツからコードがはみだしてますよ」と言ったら
いきなり先生が「みてんじゃねえっ!!!!」と叫んで
佐藤君の左目にコー ....
かーごーめ かーごーめ

  うずくまっていました、ずっと
  赤い空がぐるぐる回って
  頬を舐める風が怖かったから

かーごの なーかの とーりーわー

  怯えた背中を公園の木に ....
さしこむ月明かりに
浮かび上がる
窓枠におかれた青白い手
古びたホログラムのような
その手の
輪郭が、ぶれ
はしる、ノイズ
握られたナイフの
かるい重み

ナイフは澄んだ鏡
凪い ....
脳みそが痒いな
朝から痒いな
のこぎりでギリギリと開けて
痒いところを掻きたいな
掻いたら脳みそぐちゃぐちゃになっちゃうかな
ぐちゃぐちゃになった脳みそは味噌汁になるのかな
 ....
猫の眼のような月が
僕を見ているようでしたが

見ていたのは実は僕でした

そこには宇宙が広がっていましたが
実は僕こそが宇宙でした

常に生まれ
常に死にます

それは調和のた ....
   
   雪が降る
   ぼくの心の河に

   丘の上の
   立ち枯れた一本の木にも

   雪は送電線のように
   誰にも話しかけないで

   綿帽子になっている
 ....
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