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忘れてしまった砂浜の
波打ち際に{ルビ踞=うずくま}り
要らなくなった古地図を
寄せ来る波に流します

月の鏡に照らされて
寒さの夜に肩を抱き
独り寂しく朝を待ち
失くした夢を探します ....
釣りから帰ると
ポストに1通のメールが届いていた
{ルビ一滴=ひとしずく}の涙が零れ落ちる
それは川に流され海へと溶けていった

琥珀の水に氷を沈め
紫煙を{ルビ燻=くゆ}らせながら
そ ....
山を登り

渓に入る

木漏れ陽に照らされた緑は鮮やかに

日々の些事を追い払い

火照った胸を癒してくれる
夜のスーパーは人影少なく
ゆったりと買い物ができる

入口を入ると野菜コーナーでアスパラとエリンギが眼に飛び込んだ
明日の朝はベーコンと一緒にバターソテーにしよう
このスーパーでは半額シール ....
渓流竿は刀のように美しい

日本独自のもので

種類は今まで数百はある

明日は碧羅という強竿を携え

大物を狙いに行ってみる
熱いシャワーを浴びて

火照った気持ちと体を吹き飛ばした

気の置けない友と友との笑顔が嬉しい

年に二度の宴にジョークは飛び交い

無言の内に元気で居ろよと励ましあった
私は魚を釣ったらすぐにピックを使い脳天絞めをする
頭にピックを刺してゴリゴリと捻じるのだ
魚はポッカリと口を開き昇天する

少年の頃はフナの解剖やカエルの解剖をエスケープしていた
臆病な私は ....
休日の昼下がり

虹鱒を追いかけていた

ザブン! と飛び込む親子

魚がいるぞ! 父親が叫ぶ

ぼくは仕方なく水と戯れた
午前3時に起床
アイス珈琲を2杯飲み
{ルビ微睡=まどろ}む{ルビ眼=まなこ}を排除した
速乾タイツ 速乾パンツ 速乾Tシャツを着込み
釣具・クーラーボックスを車に押し込んで
走ること2時間 ....
渓に静と動あり

静は岩

動は水

森はそよぎ

小鳥がさえずる
文字通り{ルビ酒盗=しゅとう}というものは酒を盗む
土佐の山之内容堂公が名付けたといわれる
カツオのハラワタを塩辛にしたものだ
ちっとも生臭くなくて香ばしい
メーカーによってはとても塩辛くて食 ....
{ルビ渓=たに}と渓が合流する遠い澱みには
銀鱗の女王が潜んでいると釣人たちはいう
普通のロッドと仕掛けでは逃してしまう
いよいよ本流竿の出番がやってきた
7mで250gの本流ロッドは軽くしな ....
渓谷の明日は晴れのち曇り
毎週土曜日は4700尾のヤマメと720尾のイワナが放流される

梅雨の中の貴重な天気で釣り人が我も我もと集まって
養殖の魚は警戒心に疎くて入れ食いになる
週末だけで ....
瀧の轟音

小鳥のさえづり

風に揺れる葉擦れ

せせらぎの旋律

{ルビ渓=たに}は音に満ち溢れている
激しい雨が降る中でカーヴを攻めながら
深い緑の里にある道の駅を目指した
イワナとヤマメの通年入漁券を得るためだ
普通ならば釣師は梅雨を嫌う
ぼくは登山用のレインウエアを着込んで
梅雨の日も釣 ....
詩人は筆を選ぶと誰かが言った

釣り人は竿を選ぶ

今夜は憧れの渓流竿を落札した

宝石のような魚が呼んでいる

明日は雨だが深山の様子を視にゆこう
ゆらりゆらりと

漆黒の水底を泳ぐ孤独な生き物

彼らは輝く太陽を知らない

ぼくらは昼と夜が無いと

生きてはゆけないのだ
来週はまた緑に溶けてゆく

透明な水をかき分け

鮮やかな{ルビ生命=いのち}を奪う

舌鼓を打つたび

一粒だけ涙を流す
突然の嵐に襲われ躊躇した

飲んで 飲んで 飲みまくり

今夜は酔いつぶれ

明日は本音を吐くから

信じてください何時までも
鉛色の空の下

紫陽花が咲くのを待っている

そこにカタツムリが居たら

梅雨空も悪くはない

四季折々の美しさがある
ゴルゴダの丘に晒された御子は
悲母の腕に抱かれ
復活などは無いと知りながら
静かに我が子を抱き締め
ピエタは今も紅い涙を流す


         初出 日本WEB詩人会 2024/03 ....
みまちがえるほど
美しくなったきみは
微かに少女の面影を残して

窓際の席で紅茶を啜りながら
リルケの詩集を読んでいた

机を並べていた頃は
何でもなく話せたのに
椅子に画鋲を仕掛け ....
水晶にろ過された水ほど美味いものはない
ある天竺の行者が言った
彼は24日間水だけを飲んでいた

それを知るために20年の歳月を費やした
誰に指図をされた訳じゃない
ただ行者の言ったことを ....
深海の水底に眠る者たちよ
我らはいま至福の中で歌っている

君たちは永遠に若く
我らは次第に歳をとってゆく

君らが捧げた{ルビ生命=いのち}は
決して無駄ではなかった

傲慢な思想 ....
金と銀の龍は螺旋を描き
{ルビ蒼穹=そうきゅう}をかけ昇り
久遠の果てまで行ってしまった

アレクサンドリア図書館に
地球の円周を解き
数学者は美しい数式を描いた

ガンジスの行者は
 ....
朝霧のもやる中で
ぼくは尾瀬の夢をみた

ニッコウキスゲの咲く湿原に彷徨い
{ルビ詩=うた}を歌いながら
ぼくは大切な何かを忘れてしまい
グルグルと彷徨った

あれは何だろう
ルビー ....
月と鏡はお似合いの恋人だから
同じ夢を語りあっているのだろうか

耳をすませばその囁きが
少しは聞こえてくるかもしれない

梅の花はほころび
君たちに祝福を歌ってくれている

ねえ… ....
光りと闇の狭間で酒を飲め!
草原の覇者のように夢を見よ
新たな世界はすぐ其処にある
胸を張り眼前の壁を崩せ
地の果てまでも路は続く
愛は強くしなやかに

恋は切なく甘酸っぱくて

歓びは高く天を突き破り

悲しみは深海に沈みゆく

光りと影の協奏曲が響きあう
天空の彼方から銅鑼の音が響き
東の風とともに
青い龍が螺旋を描き
舞い飛んできた
干からびた大地に
人々は飢え
龍を待ち望んでいた
鉛色の厚い雲が湧き立ち
雷鳴は轟き
銀の雨が降る
 ....
リリーさんのレタスさんおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の歌- レタス自由詩7*24-11-26
珠玉- レタス自由詩10*24-9-20
五行歌_【渓流】緑- レタス自由詩7*24-8-13
夜に蠢く- レタス自由詩8*24-7-24
五行歌【渓流】大物狙い- レタス自由詩7*24-7-21
五行歌_暑気払い- レタス自由詩8*24-7-20
命を奪う- レタス自由詩6*24-7-19
五行歌【渓流】水に遊ぶ- レタス自由詩8*24-7-13
【渓流】大物狙い- レタス自由詩6*24-7-8
五行歌_【渓流】_- レタス自由詩7*24-7-5
酔いどれの戯言- レタス自由詩5*24-7-4
【渓流】銀鱗女王- レタス自由詩4*24-6-25
【渓流】釣りの組曲- レタス自由詩4+*24-6-21
五行歌【渓流】協奏曲- レタス自由詩6*24-6-19
【渓流】雨の日に- レタス自由詩6*24-6-18
五行歌【渓流】銘竿_匠- レタス自由詩5*24-6-18
五行歌_深海魚- レタス自由詩7*24-6-13
五行歌【渓流】山女魚狙い- レタス自由詩7*24-6-9
五行歌_独白- レタス自由詩6*24-6-8
五行歌_梅雨待ち- レタス自由詩9*24-6-2
アヴェマリア/カッチーニ- レタス自由詩6*24-3-14
- レタス自由詩5*24-3-13
水守- レタス自由詩7*24-3-13
弦楽のためのアダージョ- レタス自由詩7*24-3-6
夢の欠片- レタス自由詩6*24-3-6
朝霧の中で- レタス自由詩4*24-3-5
蜜月- レタス自由詩7*24-2-21
五行歌_蒼き狼- レタス自由詩3*24-2-20
五行歌_夜の想い- レタス自由詩4*24-2-18
青龍- レタス自由詩5*24-2-17

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