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【期間限定~9月15日】23歳以上の人の『夏休み読書感想文』(原稿用紙3枚) (創作系)スレッドオペレーター:深水遊脚
・本日より9月15日まで限定(9月16日には過去ログに入れます)。
・23歳以上の方の投稿を募ります(上限はありません、年少者の年齢詐称についても特に追求はしません)。
・「本(電子書籍含む)」の感想に限定し、映像、音楽、美術、演劇等、他の芸術的表現の感想は除きます。
・本のジャンルは問いません。
・「課題図書」は自分で選択してください。
・文字数は原稿用紙3枚(1200字)程度でお願いします。
・投稿本数に制限はありません。
・夏休みをとれない方でもかまいません。

【公的注意事項】
・コメント冒頭に「課題図書」の著者名・作品名(必要な場合は出版社名・出版年)を明記する。
・「課題図書」の文中から引用する際には、引用であると明確に判じられるような記載方法を行う。
・他の文献からの引用も同様に記載し、引用元を明記する。

過去の感想文はこちら。
http://po-m.com/forum/threadshow.php?did=216237
http://po-m.com/forum/threadshow.php?did=237579
http://po-m.com/forum/threadshow.php?did=277622
http://po-m.com/forum/threadshow.php?did=294236

[14]nemaru[2015 09/15 23:59]深水遊脚
ホテル・ニューハンプシャー 上・下巻 J・アーヴィング 中野圭二訳 新潮文庫



ちかごろ仕事でやりぬく力、つまりバイタリティや信念が足りてない。それで小林製薬の亜鉛の粒を飲んでみたり、この本の語り手(ジョン・ベリー。祖父に重量上げを教わる。得意技はベアハッグ)と一緒に筋トレをがんばりながら読んだ。

あらすじは、すごく簡単に言うと、やたらとホテルを作りたがるおやじに振り回される家族の話だと思う。

会社でも原理のよくわからないおやじがたくさんいて、よくわからない原理で動いていて非常に迷惑しているが、その源は何かと考えることは多い。会社の項目にはリーダーシップとか自己実現とかいう、言葉にするとさもありそうだが実際の根っこを掘り起こしてみたら、空疎かグロテスクにしか振り切れようのないものがずらりと並んでいる。

この本では、その「おやじ」の謎を周縁から丁寧に掘り起こそうとしているようだ。必要なものがレシピにして書いてあるわけじゃないが、必要なものが何かというヒントは書いてあるような気がした。

信念といったところで、最後の最後のほうが支えきれないと思う。自分で結んだものがほどけないわけがない。もっと朦朧とするか、無意識が必要だと思う。もともと単純作業から入った叩き上げで、特に野山を駆け巡り、ごっこ遊びをして基礎力を蓄えたわけでもないから、考え方をシフトしていかないと、早晩くびにされてしまうだろう。

そんでマネジメント理論がいるなと勉強してみても、結局のところ、人がどういう理論で動いているかなんて謎だと思う。そりゃ問い詰めるとどこまでも言葉でそれらしく逃げていくようにも見え、寝る前には核心なんて何ひとつないと思うのだが、ニヒルでも立ちゆかない。底でカツンとなる必要があると思う。

本書では「開いてる窓の前で立ち止まるな」という言葉が何度も繰り返され、島田紳助も昔テレビで「自分がホテルの窓を開けるかもしれないので、窓に近づけない」という話をしていたし、ぼくらも奇遇にも「アイキャンフライ」と書き込む世代であり、アニメのオープニングは不用意に空を飛びすぎているようにも見受けられますが、それは実際飛ぶわけではないけれども、別に夢は見てないという言い訳のようなものだろう。

じゃあ夢を見なきゃいいのか? 窓の前で立ち止まらなきゃそれでいいのか? とも思うのだが、そういうのは再帰性という言葉とも相性がいい。なんべんもふりだしに戻って意味を考え、前に進まない。そりゃ困ると思う。あれもしたいこれもしたい。

この本を読むと、倒さなければならない人物がひとりふたり思い浮かぶかもしれない。そしたらその人は倒さなければならない人だと思う。私の場合は古谷実「シガテラ」の登場人物になぞらえて「谷脇」と呼んでいる人物がそれだ。彼はチッパー・ダヴに似ている。

人生でなくても、会社でも「開いてる窓」の前で立ち止まる人というのはいるだろう。どの段階でも「やめる」ことの前には窓が開いているものだと思う。

後半になるとある詩人の詩が引用されるようになる。それはまだ英語で、英語を読んでみようと思うようになった。

読んでて思い出したのが、山本直樹の「ありがとう」という漫画だった。
 

[13]深水遊脚[2015 09/15 23:56]
miy0n さん、参加して下さりありがとうございます。タロットはフィクションと結び付きが強い、ということを思いました。絵柄が綺麗とのこと、読んでみたくなります。

さてそろそろ過去ログ行きです。
滑り込み投稿、まだ待ってますよ!!
これを書きたかったんだという一言、
感想や星入れなどでもいいです。
 

[12]深水遊脚[2015 09/15 23:47]
『裾花 』杉本真維子 著

 ブログかツイッターか忘れたけれど、夏休みの読書感想文のアドバイスに、詩集を選ぼうというものがあった。どれか一篇だけ選んでその感想を書けばよいのだという。それがものすごく短時間で終わるよ、だとか、午後にはプールにでも行って泳ぎなよ、などと年齢のバレる余計なお世話までつけて。散文よりも文字の量が少ないということは、語るための足場もそれだけ少ない。詩の感想は私は難しいと思う。でも語り尽くせないほどの思い入れがあるなら、強烈な何かを唯一篇から受け取ったなら、本当に簡単に書けてしまうかもしれない。

 杉本真維子さんのこの詩集を手に取る子供がいたら、その子が締め切りが迫るなか幸運にもそんな一篇に出会えるとしたら何だろう、そう考えて詩集のページをめくった。少しずつ積もるもの、不意に突き抜けて背後で音を鳴らすもの、様々に感じた。思い入れという感覚ではないから訥々と書き記すしかないけれど。精神も身体も、存在そのものが不安定で不穏。うっすらとそんなことを感じるのだ。読書感想文指南も午後のプールも、そんな自分を微塵も疑わない存在たちを彼方に感じる頃、詩に入って行けるのかもしれない。

 拍手という詩の、ひとはふっくらと一人である、という言葉からはむしろ「一人」という状態の底の深さを、幾通りにも感じるのだ。ふっくらと、の語感はやさしい。でも内部の壊れた声、回数制限と博士の注意深い指示は、それが危険なものだということを伝えている。この詩のあなたと私の曖昧さは、目は空をうつしきれず 大空が目をうつし という言葉と呼応していて、主体、眼差しが「一人」のなかにも幾重にもあることを、ごく自然なこととして受け入れそうになる。

 道祖神という詩の、魂の壮絶な喰らい合いは身体を突き抜けるのを感じたもののひとつだった。ただ単に喰うだけでなく、「おまえのため」という他者を自身の存在理由とする狡猾なやさしさだったり、供え物を疑う やせたこころを 犬が喰う という言葉が示すような猜疑心を美味として求める衝動だったり、喰うことの罪深さの描写に気圧された。実際、魂のやり取りというものは現世でもそのようなものかもしれない。

 眠る女たちという詩の最後の2行、隈なく点検し、明日になったら男たちに かえしてやる という部分は、返されるのはおそらく脱け殻だろうということ、脱け殻の所有を男たちは望んでいるということ、それが型になっていることを思った。会話とも孤独ともつかない女たち相互の関係と距離、そして実際に身体が発する微かな鼾、寝返りなどは脱け殻ではない本当の姿で、それを暴きたてたり恥をかかせたりすることなく、そのものとして受け入れればいいのかもしれない。それが出来たところで「女たち」というのを男たちは所有できない。結界のなかの女たちの精神のありようを結界越しに見ているような不思議な感覚で読んだ。

 私の足場というのも心許ない。言葉にしてみてその不安から逃れられない詩集との出会いを喜びたい。
 

[10]深水遊脚[2015 09/14 08:44]
明日の24時に過去ログ倉庫に移動します。これから投稿される方は文書を保存してから投稿されることをおすすめします。過去ログ移動の際に投稿中の文書が失われることが考えられますので。
 

[9]深水遊脚[2015 09/14 08:33]
ふるるさん、とおこさん、ありかさん、あおばさん、参加して下さりありがとうございます。
『カラマーゾフの兄弟』私も読破に挑戦してみたくなりました。『荊の城』良質な同性愛の描写は参考にしたいです。『ロック母』出産シーンのグルーヴ感はいいですね。『火花』きちんと読めてませんが、お笑いと詩作の類似性を私も感じました。

残すところあと2日。書きたい方はお早めに。
私は詩集でもう一本書きたいものがあるので少し頑張ってみます。
 

[8]あおば[2015 09/12 23:09]深水遊脚
「火花」又吉直樹著 発行者 吉安 章 発行所 (株文芸春秋社

火花と花火は似ているがまるで違う。火花はケであり花火はハレである。
著者が花火とタイトルをつけなかったのは、彼が本職のお笑い芸人であるから、確かに存在としてはハレなのだが、ハレが常態となり意識し辛くなり、常態になっているから、もはや、ハレではなくケとして意識している。気難しい現在、生活人としてもハレであり続けるのは、難しいのかもしれない。
読んでいて、特別なクライマックスが無い、きわめて現在的な小説にも思えた。天才的な先輩お笑い芸人の伝記という体裁を取っているので、作者が天才でないのは明らかで、秀才の位置に甘んじざるを得ないのは仕方が無い。お笑い芸人を詩人と置き換えても構わないくらい、類似性が有り、お笑い芸も、芸術なのだなと納得できた。これからの作者は、どうなるのか些か気に掛かる小説でも有った。

表紙の絵柄を見ると線香花火の残り火のような些か醜悪にも思える熱そうな奇怪な塊が目に付き、これが、俺たちなんだよと言っているようにも思えた。半妖怪のねずみ男を抽象化するとこんな風になるのかもしれない。鬼太郎はいつも弾けている打ち上げ花火だ。

価格は1200円+消費税 ハードカバーで、紐の栞さえ付いているのだから、200万部突破の威力を思い知る。
芥川賞が欲しくても取れなかった太宰治の顔と長文の毛筆の嘆願書を手に当惑する佐藤春夫の顔を思い浮かべていると、どこかの夜空に上がった、一瞬の火花が花火となり尾を引いて流れてゆく、これも皮肉と言うより世の必然なのであろうか。
 

[7]深水遊脚[2015 09/10 14:32]
「書を捨てよ、町へ出よう」

 この言葉は取扱に注意を要する。読書なんて役に立たない、というお手軽な暴走か、あるいは読書も大事だけどそれだけじゃアカン、という壊れた説教を生むだけかもしれない。たとえばこう。

http://toyokeizai.net/articles/-/13404?display=b

 この言葉にまつわるこの類いの主張は迷惑と思うけれど、主張することは自由。確かなことは、それはつまらない。そしてそのつまらなさで町は充満している。

 だいぶ時代は違う。見るなり濃厚な昭和臭を感じてまともに読まないのは無理のない反応だろう。それにしても「書を捨てよ、町へ出よう」という言葉はこの本のなかで一番つまらない部分ではないか。少し言葉を探そう。


《第一、身繕いのできなくなったギャンブラーというのは必ず負ける。「人は見かけによるものですからね」》

偶然性に身を委ねる怖さを知る人は、その備えが身繕いに現れる。この言葉は「ギャンブラー」として踏み出した人に向けた言葉。規範に守られる範囲の外にでた人への言葉。自分も他人も間違えを犯すという目を反らしようのない現実がこう軽やかに語られるのはいい。

《考えてみれば、月光仮面は私立探偵社で安月給をとっている、変態癖の中年男である》

 マフラーと仮面とオートバイで変装して別人のように力を得たとして、力を使う理由は、たとえば警察のように既にある正義に準拠しているに過ぎない。力は得ても踏み出してはいない。それを描くこの言葉の辛辣さはいい。

《使えるものは、はやく、有効に、そして美しく使うべきである。老人たちに、「あいつは力がありあまっているようだから、ひとつ自衛隊に入れてベトナムにでも送ろうか!」といわれてからでは、手おくれなのだよ!》

この言葉までに語られる、老人であれ若者であれ男の性的欲望しかみていない部分は、読まずに捨てても構わないと思う。でも誰かに利用されないうちに、誰かに無力だとされている力を、自分で信じて自分のために使うなら、それは多分美しい。

《なぜなら、一般的な社会通念というやつは、「きれいな花を見ていたら死にたくなった」とか「一寸死んでみたかった」という心情など決して理解してはくれないからである。》

 私は自殺を推奨しない。これについてだけは踏み出さないことを主張し、実力で阻止するかもしれない。でもそのとき、理由のないことを愚かと諭す一方で、何の根拠もなく生きることの大切さを諭す矛盾を晒すしかないかもしれない。



 私の身勝手な選択と感想なので以上は一切気にせず、ご自分で言葉を探すことをおすすめしたい。読まずに語るなんて、書にも踏み出さないつまらない行いは、出来ればしたくないもの。

 最後にこの本の第三章、ハイティーン詩集がとても楽しめたことを書いておきたい。とくに秋亜綺羅さんの「百行書きたい」、どの行もいい。この章は昭和平成あまり気にせず読めると思う。


『書を捨てよ、町へ出よう』寺山修司著、角川文庫、改訂十五版をもとに書きました。
 

[6]深水遊脚[2015 08/30 06:35]竜野欠伸
子供たちのリアル読書感想文の締め切りは間近。2週間ほど前から悲鳴が聞こえたり、書き方指南がいろいろ投稿されたりしています。学校の宿題としては、本を通じた自分語りが求められるようです。それをスムーズに書けるようなフォーマットもツイッターで拡散されていました。

本をきっかけとした文章はもっと多様でいいと私は考えていて、たとえば批評タイプも、ゲームシナリオ作成タイプも、マニアックな細部抽出タイプも、ダメ出しタイプも、本を通じた表現として認めてもいいなあ、と思います。このスレッドの読書感想文は、田代深子さんスレオペの頃からそんな自由さがありそうで、とても好きでした。

今年のこのスレの締め切りまであと2週間ほど。1200字前後でしっかり書きたい方はそろそろ読み始めたほうが良いです。紙の本でも電子書籍でも、本に向き合い言葉で何かを表現することは、作家としてどのステージにいるとしても必要なことではないかと私は考えていています。その思いはほぼ確信に近いです。

#このスレを田代さんにお返しする準備はいつでも出来ています。あくまで不肖、深水めは代行という認識です。
 

[4]とおこ[2015 08/11 23:34]深水遊脚ふるる松岡宮ゴースト(無月野青馬)
『荊の城』サラ・ウォーターズ著、中村有希訳 創元推理文庫 2004.4

 大人の女性同士の恋愛を描いたミステリーで、このミステリーがすごいで1位を取った作家の手による作品だということを前評判で聞いていた。私はレズビアンなので、自分自身が憧れ共感できる、端的にいえば私の胸を熱くすることができる女性同士の恋愛ファンタジーを求めている。世の中で「恋愛もの」と言えば、ヘテロ(異性愛)のことを指す。20代になりもはや少女と呼べなくなった私も、若い女性であるというだけで「ヘテロの恋愛ものが大好物」という雑なマーケティングをされてしまう。世の中に異性愛があふれるなかで、女性同士の恋愛を描いたコンテンツで良質なものは驚くほど少ない。もはや私は、女性同士の恋愛ファンタジーに飢えていると言っていい。

 前置きが長くなってしまった。この小説は19世紀末、ロンドンの下町で泥棒一家に養女として育てられた17歳の少女スゥが、詐欺師の〈紳士〉と共に、郊外の城に住む孤独な同い年の少女モードを罠にはめ、モードが結婚したら相続するはずの財産を掠め盗ろう、と計画するところから話が始まる。当初スゥはモードの侍女として、なんとか〈紳士〉とモードを結婚させようとするが……、この先はネタバレになってしまうので詳しくは言えない。

 この物語は、私が求めていたものだった。私の胸は熱くなったし、読み終わって数日間はスゥとモードがこころのなかに住んでいた。ミステリーに分類されていることもあり、物語の筋は巧みで、登場人物の印象は冒頭から二転三転し、そのたびにすべての出来事が違って見えてくる。この物語には、善人はほとんどいない。みんな誰かしら騙しているし、利用している。作中もっともいいやつだったと断言できるのは、スゥの下町仲間であたまが少し弱くて騙されやすいディンティだった。騙されても「こなくそ!」と言わんばかりに憎悪を燃やす登場人物もいるなか、彼氏にそこそこひどい扱いを受けていたディンティが示す思いやりには、彼女の知的能力を低めに設定した作者の意図があるかもしれない。ディンティの思いやりと知能の関係には少し注意が必要だ。

 ところで、19世紀イギリスは、貧困や病が罪である時代だった。ロンドンは汚く混沌とし、狂人病院(今で言う精神病院)の入院患者に人権はなく虐待が当たり前だった。いったん入院させられてしまえば、出ることはほとんど不可能だ。貧困に社会的構造が関係していると判明し始めるのは、20世紀初頭のことであり、貧困ゆえに罪を犯すような人間は「他人を出し抜くかさもなくば死」という生活実感のなかにいただろうし、精神障碍者の人権(本当に入院治療が必要かどうかも含めて)についてまじめに議論され始めたのは20世紀後半のつい最近のことである。

 この作品全体を通して言えることだが、登場人物がみんな生き生きしている。善人はほとんどいないと書いたが、みんな生きるために抜け目なく頭を使っていて、そういったところに好感が持てる。特に女性キャラクターのしたたかさは、ステレオタイプのか弱い女性像を打ち破り、性格の悪いところこそが、彼女らの精神的自立を感じさせ、魅力的だ。まだ読んでいない人はぜひ読んでほしいと思う。

1290字(少しオーバーしました)
 

[3]深水遊脚[2015 08/06 15:24]ふるる松岡宮ゴースト(無月野青馬)
『神戸在住』木村紺著。講談社アフタヌーンKC。

 阪神淡路大震災から3年過ぎた1998年6月から始まり2006年の5月までアフタヌーン誌に掲載された漫画で、コミックは全10巻です。大学生辰木桂とその友人を中心として、大学生活などを題材としたエピソードが描かれます。

 辰木桂はおとなしい性格だけれどしっかりしていて、先入観をもたないので様々な個性、バックグラウンドの友人ができ、関係が続くというキャラクターです。いろんなエピソードの語り手としても、読者が共感して作品世界に安心して入って行けるキャラクターとしてもよい感じだという印象をもちました。本をよく読み、音楽をよく聴くという設定もいいです。そこから広がる世界をイメージできそうで。桂以外で、あくまで私の把握した印象をもとにこの感想文に登場するキャラクターを紹介します。

鈴木タカ美: 桂と同じ美術科の同期生で、よく喋りよく騒ぎ周囲を笑わせる。
金城和歌子:英文科で桂と同期生。派手めで洒落た雰囲気で、自立した気質と気さくな人柄が両立している。
林浩(リン・ハオ):文学部で桂の2年先輩。金城和歌子と恋仲。両親は文化大革命のときに日本に帰化した中国人。日中英仏4ヵ国語を操る。
泉海洋子:英文科で桂と同期生。学生であり、日本人離れしたプロポーションをもつ現役のファッションモデルでもある。プロ意識が高く、センスと身体の維持のため地道な努力を怠らない。
日和洋次:イラストレーター。桂が作品に惹かれ、人としても慕うことになる。事故で足が不自由になり車椅子に乗っている。


 震災については所々にそのときの記憶やその痕跡を感じます。特に私の印象に残ったのは、鈴木タカ美が、少しの揺れの地震を誰より先に気付き激しく動揺して桂にしがみつき、揺れが収まったあとも震えていた場面(第1話)、林浩(リン・ハオ)が震災当時ボランティアをしたときの一連のエピソード(第23話から第25話まで)です。キャプションにはこんな表現がありました。「この瞬間、後に震災ボランティアと呼ばれた活動が始まったのである」。最初は何が起こったかを確かめるために役所に行った林浩が避難所のリーダーに誘われ参加し、手探りでいろいろ動く。当時のことを桂、和歌子、洋子に話す林は「あれは人助けとかそういうものとちゃいよるねん。国やら自治体やら公共機関がしてくれよった事を自分等の手ェでやるーゆう事やねんね」と語ります。林浩が最初にハヤシと名乗ることなど、活動のなかでの些細だけれど単純ではない心の動きが繊細に描かれています。

 日和洋次の死に衝撃を受けた桂の内面が第62話から第64話まで描かれます。つらい出来事の、他の人にはどんなに親しくても共有されない部分を自分で守りながら日々の生活を送ることのしんどさが刺さります。「つらい時はね、泣いていいのよ」という言葉によってその部分が解放され言葉も涙も一気に流れ出し、桂はいつもの桂に戻ります。この言葉の主は原作とドラマとでは違います。コミックを読むときのお楽しみ。
 

[2]ふるる[2015 08/05 14:48]深水遊脚ゴースト(無月野青馬)N.K.
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー著 原 卓也訳 新潮文庫

過去何度か挑戦しては挫折してきたカラマーゾフの兄弟を、読破しました。原 卓也訳が私にはよかったです。
若い頃に読んだ時は、三兄弟の誰も素敵と思えなかったけど、今読むと、「若さゆえの色々は面白い」と思います。(28,24,20歳の三兄弟)
だいたいの登場人物にダメな部分があって、ダメ人間見本市みたいなところがあるけど、作者が人間好きなのか、何か憎めないです。
兄弟のダメ父フョードルでさえ、自虐的にピエロを演じる性格、でも寂しがり屋のところもあって、しょうがないおじさんという印象。

お話は、真面目にキリスト教や社会問題を語る部分と色恋沙汰が交互にやってきて、色恋沙汰の部分はほんと喜劇です。
そんな中、あっちこっちから話を聞いてだの伝言頼むだの救ってくれだの言われる三男アリョーシャ。
誰からも愛される修道院見習い僧のアリョーシャですが、父親はお金にずるくて女好き、長男は父親殺しの容疑で逮捕、次男はせん妄症で
息も絶え絶え、尊敬していた長老は亡くなるし、兄さんの喧嘩のとばっちりで子供には噛まれるし、彼女は残酷大好き。気の毒すぎて笑えます。
というわけで、楽しく読めました。

テーマが色々あって読む人によって違うと思うけれど、私が心に残ったのは「幼児虐待、許せん!」というドストエフスキーの心の叫び。
三兄弟のみんなが、子供には愛情をもってて、「ひどい目にあってる子どもをなんとかしなくては」と思ってる。(イワンがコレクション
した幼児虐待情報の酷さがものすごい)
別の親子のすごく愛情にあふれたやりとりのシーンもあるし、子供が犯罪者になるのは、親がちゃんとしないからだ、と弁護士が熱弁を
ふるってるところもあります。
なので、未完と言われるこの小説、その先は三兄弟が何らかの形で子供を救う…という話も入ってたかもなあ、と思います。

無人島に持って行く本をひとつ選べ、と言われたら、これにしたら、面白いところだけ読んで面白がってもいいし、真面目なところを読んで考え込んでもいいし、書かれてない続きを妄想してもいいし、色んな角度から、何度でも楽しめてお得だと思います。


私が好きなシーンは、

超クールなニヒリスト次男イワンが弟アリョーシャに、「小さい頃お前はさくらんぼのジャムが大好きだったじゃないか?」と言うところ。「兄さんはそんなことをおぼえてるんですか?」「何でもおぼえてるさ」だって。
ツンツンしてるけど、やっぱり弟好きみたい。

直情型の長男ドミートリイが、酔っ払いの百姓を起こそうとして悪戦苦闘するところ。この辺りの一連の行動、このお兄さんは本当に28歳なのか。これほどかっこ悪いシーンて滅多にない。まあ、いい人なんだろうけど。

三男アリョーシャが、ゾシマ長老が夢に出てきた後で悟りを開き(?)その時にみた美しい星空の描写。アリョーシャがあわあわしてるシーンは全部好きなんですが、真面目に苦悩してるところもよいですね。
 

[1]深水遊脚[2015 08/03 13:53]ふるるnemaruとおこゴースト(無月野青馬)
本年も私が立てました。よろしくお願いします。
「本」という縛りと1200字程度という字数の目安がありますが他は自由です。
R23については実年齢よりは表現の幅と捉えて頂ければと思います。
 

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