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いまは何一つ好きにはなれない

しろい夏に鳴き終えて落下する少女

夏は夏らしく振舞うことで時を虚ろにする

日に焼けたこどもたちよ

謎が謎でなくなる未来

夢に見たものの本 ....
憂いでも
蔑むな

笑っても
嘲るな

怒っても
憎悪を飼うな

泣いても
己ばかりを憐れむな

楽しめ存分に
できることなら誰かと一緒に

叫べ
耳は塞がずに
 ....
きょう美術館でシャガール展は観なかった

美しい青が踊り

悲しくなって微笑んだ

僕は僕の人生とミスマッチしている

一人の時にだけ呼吸する

奇妙な半魚人だ

夏に生まれな ....
 

何時の頃からか詩が化けている
病身の助けになればと書いてみた
介護詩は気味の悪い怪語詩に
看護詩はよく解らない漢語詩に
理学療法詩はまさかの自爆消防詩だ
イガ栗養蜂詩になりたいと打 ....
 今夜の月は何か変だ

と 思ったその時
小さく ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている

 えっ ひよこ?

一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
 ....
風の愛撫に
はらり ほろり
八重桜が泣いた

すらり と知らん顔
真新しい翅を輝かせ
トンボは行ってしまう

墓地への細道
静かな午後

まだずっと若かったころ
感性は魚のよう ....
 風に吹かれて空き缶が
 ゆるい傾斜を上って行く
 カンカラ転がり上っては 
 カラカラカラリと下りてくる
 あの風が止んでしまえば
 あとは 下りるだけ
 底の底まで落ちぶれて
 それ ....
言論の自由の中で
わたしたちは饒舌な唖になる
会葬者の囁きにも指先を踊らせるが
本心は棺の中
乾き切った筆のように横たわっている

表現の自由の中で
わたしたちは着飾ったマネキンだ
禁 ....
死に逝く間際
人は自らの人生を 遠く
心象風景として眺めると言う

ある者は石くれの丘に広がるぶどう畑を見た
長年の労苦のまだ見ぬ結実を眺望し
その芳香と甘さを味わうかのように
微笑みな ....
雨編む朝は天邪鬼
いま忌む意味を遺書にして
嘘に倦んでは海に埋め
えにし選べず益を得ず
恩は怨へと惜しみなく

春は華やか白知の波乱
昼の日中に日照りの蛭か
古き深井戸腐の吹き溜ま ....
真っ赤な林檎の皮をするり剥きますと
白く瑞々しい果肉が微かに息づいて
頬張れば甘く酸っぱく
口いっぱいに広がっては
心地良く渇きをいやしてくれるのです

そのおんなもまた
高い梢に輝いた ....
春がやさしく微笑むと 
白く積もった嘘が融け
ぬかるんだわたしの心を
悲しい泥水となって流れ下る

ひび割れたアスファルトの肋骨
空に頭を踏まれたままの道あるいは時間か
仰向けに開いた記 ....
アパートの暗い階段を上って行くと
二階には嵌め殺しの窓があり
そこだけがまるで古い教会の天窓のよう
純粋に光だけを招き入れていた

迷い込んでいた一羽のすずめは
幼子の震える心臓のよう
 ....
  ――なんの欠如を
    怖れているのか


 踊りたいから踊るのだ
 何が悪いか阿呆ども
 元来人は踊るもの
 踊って歌って
 笑って泣いて
 怒れるものが人なのだ

 鳴 ....
雪に埋もれたまま青く影を落とし
家々は俯き黙祷する
気まぐれにも陽が歩み寄れば
眩い反射が盲目への道標

抱擁されるまま

冷え切った頬が温もり
辺りに耳が開かれるころ
頭の後方 梢 ....
無骨な魂の素描をさらしたあの頃 
恋は糖衣に包まれた苦い薬
駄々を捏ねても得られないものがあることを知り
喪服を脱げない大人になった

今 砂糖とミルクを入れてゆっくりとかきまぜる
あなた ....
たまには自分の信仰について書いてみる

そいつはキャッチボールみたいなもの

この友はいつだって良い球を投げてくるのだ

「愛」とか「希望」とか「信仰」とかね

おれもそれなりに返すの ....
四角い団地が建ち並ぶ
その中には四角いドアが並んでいて
ドアの向こうには四角い部屋が連なっているのだが
暮らしているのは どこか
丸みを帯びた人間だ

四角い暮らしに疲れてくると
 人は ....
月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り


 だが本当は流されているのは雲の方 
 月は自分の道を行くだけだ


きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく 
 ....
一巻の蝶がほどけ
色と熱を失った記憶の羅列が
瞬きもせずに四散する
錐揉みの燃える落日に
ことばには満たない鱗粉が
乱反射しながら霧散する


重力が半減したかのように
その長すぎる ....
陽射しは澄んだ冷気を纏い
静かに微笑んでいた
病床から起き上がる母親のように

すると蒼白い時と仄暗い人の群れで編まれるはずの朝が
心なしか ふと暖色に染まり
視線は飛翔してはまた憩う 小 ....
季節の車輪を転がしながら

時代の坂道下って降りて

さあ年の終わりと始まりのテープが切られました

あなたの目にはどんな時代が見えますか

世界は灰色にもバラ色にも染まります

 ....
クリスマス以降
全くやる気が起きなかった
どうにか今日で仕事納め 
やっと時間が心に追いついたのだ


裸婦像みたいな街路樹の肩にカラス


除雪車に削られた白い壁に車を着けて
ふ ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう

君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ

それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
人生はだまっていてもギャンブルだ
伏せて配られたカードは平等なんかではない
そこからスタート
幸せな人生がどんなものか本当はわからないまま
何かを捨てて
何かを拾って
ペアだとかハウス ....
契約社員の給料は安い
だからアルバイトも必用になる
午前四時前 朝刊配達に出かけると
山のふもとの住宅地
時折いろいろ見かけるが

エゾシカを見たのは初めてだ
角ある雄と雌のつがい
街 ....
廻り廻ってさようなら
季節はまたも去って行く
やがてはわたしも去って逝く

寒くなったね

それでも今夜はまだ
震えながらも網をかけて

待っていましたよ
今夜はまたすらりとして
 ....
重たい鉄兜を被せられた人がいる
気がついた時にはすでにそうだったから
それが自分だと思い込んでいる
ゆらゆら不安定に生きていて
ある日たまたまどちらかに傾くと
それっきり右なら右
左なら左 ....
大海原の真ん中で
 立ち泳ぎ
途方に暮れて日も暮れて

せめて目指すべき陸地が見えたなら
それが遥かに遠くても
そこに向って進もうと
いのちの限り泳ぐだろう

だが今 四方八方 
 ....
まーつんさんのただのみきやさんおすすめリスト(135)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
何一つ好きにはなれない- ただのみ ...自由詩18*13-8-8
政治家にはなりたくない- ただのみ ...自由詩18*13-7-23
きょう美術館で- ただのみ ...自由詩28*13-7-14
詩人の孤独死- ただのみ ...自由詩31*13-7-6
宇宙ひよこ- ただのみ ...自由詩27*13-6-18
墓地にて- ただのみ ...自由詩28*13-6-13
カラカラ- ただのみ ...自由詩24*13-6-1
それは薄汚れた顔で笑っている- ただのみ ...自由詩19*13-5-18
叢の日- ただのみ ...自由詩22+*13-5-8
戯言/口元のゆがみ- ただのみ ...自由詩21*13-4-17
心の化石- ただのみ ...自由詩25*13-4-1
この春を何と呼ぼうか- ただのみ ...自由詩28*13-3-21
嵌め殺しの窓- ただのみ ...自由詩24+*13-3-6
自由舞踏派宣言- ただのみ ...自由詩23*13-3-2
永久の瞬- ただのみ ...自由詩27+*13-2-24
投降命令- ただのみ ...自由詩20*13-2-17
たまには自分の信仰について書いてみる- ただのみ ...自由詩20*13-2-11
まるしかく人間論- ただのみ ...自由詩20*13-2-1
孤高の旅人- ただのみ ...自由詩21*13-1-26
残像- ただのみ ...自由詩22*13-1-19
稀有な月曜日/あたたかいもの- ただのみ ...自由詩21*13-1-9
2013年_新年に思うこと- ただのみ ...自由詩24*13-1-1
連休熱- ただのみ ...自由詩15*12-12-29
存在と錯誤- ただのみ ...自由詩28*12-12-5
冬に見つけられてしまうと- ただのみ ...自由詩18*12-12-1
わたしがギャンブルをしない理由- ただのみ ...自由詩20*12-11-17
もみじ悔いたし鐘は無し- ただのみ ...自由詩21*12-10-25
廻り廻ってさようなら/月と蜘蛛- ただのみ ...自由詩30*12-10-19
虚しい夜に描いた詩- ただのみ ...自由詩27*12-10-13
遥かな灯- ただのみ ...自由詩16*12-8-26

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