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天根の辻で水をもらう
日の暮れるには早い刻で
このまま休みたくもあり
まだ行くかとも計り
いつまでもたばこをのむ
新開通の鉄道がここいらを
過ぎ越してさびれた土産屋
小唄の焼 ....
おれだけならばあの塔までも行く
がおまえが
いて
ああ見てみろ青あおく明けそめの空
がひとすじの月
に切れる
うなだれた影たちが行く
塔へ
(動くな)
影をおさえ
て低 ....
薄い光が
瞼の縁からにじみ
あまねく人々は夜をなくす
かくも永き不眠
頭骨の隙にガムテープを貼り
モジュラージャックから脊髄を
抜いて試みる
眠れない人々は言おうとするだろう
....