肩が
うっすらと重みを帯びて
雨だ

気がつきました
小雨と呼ぶのも気が引けるほど
遠慮がちな雫が
うっすらと

もちろん
冷たくはなくて
寒くもなくて
そのかわり少しだけ
 ....
空の瓶が
割れない、音
そして
割れる、音
そして
割れた、音


さ、ゆう、


往復の波で揺れるのは
左右の、
暗い曲線の、
たったふたつの、耳
 ....
 何ともやっかいな詩人を採り上げてしまったものである。しかし、一度決めたからには、筆を先に進めなければならない。
 入沢康夫は難解な詩人である。とても一筋縄ではいかない。僕のような素人が立ち向かうな ....
窓から空を見上げると
 直線的なエッジを持った二条の白い雲がある。
 これは、と思ってよく見ると
 天井蛍光灯の映り込みだった。

 そうだ、自然界には直線は無いか極端に少ない
 直線 ....
生まれ ささげ 手わたし 去る
鏡のなかに増えてゆく
誰もいない家並みに
打ち寄せるすべての見えないもの
やわらかく 冷たく
悲しいもの


暗がりに立つ光の線が
自 ....
わたし、という曲線を
無謀な指が
掌が
少しの優しさも無くなぞる


書院窓の向うでは
秋の長夜の鈴虫が
交尾の羽音で月の影絵を滲ませて


こっちにきて
こっちにきて、と ....
瞳をとじて あかい海

金魚の鉢に くちづける

からからの ぷらんくとんを ばらまくと

ゆれる水面に さざめくひかり 

プランクトンはぷくぷくみずを吸い込んで、
ぶくぶく息を吐 ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる


うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
 ....
まちぜんたいをみおろせる、

たかいやまにすむ くまは

だれにもばかにされないくらい

おおきなくまになりたくて

やまのものをつぎからつぎへ

たべつづけていきました。

 ....
こどもみたいに
世界の底
天井がつきぬける
ように書きたいが

不自由な気持ち
気持ちとは無器用なものだから
なかなか
屈折率
もって
言葉はくねっていく

詩らしい詩はもうい ....
    足元に散らばる光を
    ずっと数えていた


    胸元にひろがる光を
    ずっと数えていた


    目をそらしても 目を閉じても
     ....
ごらん、


イルカが橋を飛び越えて行くよ。
高校生だった僕は
泣いて
泣いて
チンピラに憧れて
チンピラになりたくて
夜の街を歩いていたのです

高校生だった僕は
お金も無くて
遠くに行けずに
ただ地元の真っ暗な商店街を
 ....
否定的眼で見る
どれも好きになれず
すべてが嫌い

肯定的眼で見る
どれもが素晴らしく
すべてが好き

否定的眼で見る
誰もが罪を隠しているようで
誰もが罪人
 ....
実家の部屋の掃除をしたら
引き出しから、アルトリコーダー

袋は底が破けていて
ちくわみたいだと笑われた事を思い出した

ほんのすこし掃除は休んで
エーデルワイスでも吹いてみようか

 ....
あなたは

そこに

なにを

おもい

えがくのだろう
 心臓を 下さい
 何処かに置き忘れたのです
シナプスを飛ばして 過去の駅
遺失物預かりの四角い顔は
どうして揺れることがないのでしょう
同情して下さい なんて 
云えないのだけれど

 ....
紙ひこうきが空を舞う
 非常階段の手すりにあごをのせて
  僕達はそれを見てた


やっぱりあの屋根の向こう側までは飛ばないよ


そんな君は大人びた子供で
  僕は子供じみた大人な ....
毎日公園の小さな池で
私は探す 飛ぶ宝石を

濁った水の上を鳴きながら
あの空のかなたに飛んでいったきり。
随分長いこと会ってない気がする
もう一度会えたら
きっと幸せになれる


 ....
    冷えた茶を飲むとき
    私のなかに
    雀が居るときがある

     
    様々なものに殺された雀が
    私のからだのなかではばたいている
 ....
背伸びして飲んだ{ルビ珈琲=コーヒー} 背伸びして聴いた深夜の米軍放送


本日のワインのようにおごそかに東証一部平均株価


満潮の時刻は過ぎてまた一人行方不明の遺体があがる


 ....
こうそうまんしょんの

さいじょうかいにすむおんなのこは

よるになると まどから

かならずつきをみます。


つきをずっとみていると

からだごとすいこまれそうになります。
 ....
やはらかな ひかりの かけら

あつめて はなつ かほり

かぜの おびを ほどき


めざめよ


とほき ゆめの かなたより

はなは あさに ひらき

とりは ひ ....
座ル女の像
大平原
岩国の米軍基地の事で
自由自在

草を踏み固めた道は続く
葦は三本
脳幹と運と
無粋に今日も無粋に今日も

昭和五十三年
裏庭の櫟の下で
拗ねた節を聞いた
 ....
    空が割れて

    大きく割れて

    なんという光のむだづかい

    小さな笑みを照らしている
こぼれる夕暮れの赤

そのにじみの跡を

窓ガラス越し、指で混ぜれば

ばらけていく赤

カケラになったり

粉になったり

くびれた小瓶に入って
 ....
もちには もちもちしたもち米を炊いてつぶした もち質というものがあって
それがむちむちしていたら まだうち足りないので ちょっともち質は居辛くて
早めに打ってさしあげてください そうしましたら
 ....
さなぎの、笹食べているのを見て
いると暗澹とする。ささ、さあ、
こちらにおいで、さなぎ。どうせ
おまえは動けないのだから、せめ
て、こんな年寄りのところまで、
這いずり回って、混沌のようにや ....
朝の音がきこえる
新しい今日を祝福する歓びのうた
優しいひかりが応えるように射して
静寂に包まれた世界を そっと 彩る


僕は、その感触をたしかめるように
ゆっくりと目を閉じ

祈 ....
こすもすもくもく
ゆけむりもくもく
おはなむずむず
おなかゆるゆる

よかぜぶるるん
こすもすゆらゆら
あかトタンやね
くずれておちた

いつかわらった
こすもすころころ
みづ ....
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