ひまわりと眩しさ競い痛み分け
ローソンの前にキャミソールが落ちていた
どこをどうやったら
そんなとこにキャミソールが落ちるのかが分からない
しかしまぁ、理由はどうであれ
結果としてそこにキャミソールは落ちていた
落と ....
大きな花火があがります。
小さな花火もあがります。
中くらいの花火もあがります。
きらびやかな色という色が
夜空を照らすのではなくて
夜空を背景にして
星の合間 ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
いくつか 折りたたんでいくうちに
角が たくさんできるから
どこかの角で
会えればいい
続かない我慢が
言葉を避ける
触れるものは きちんと
きちんと きちんと
....
風を含んだふくらみが
道からひとり飛び立とうとしていた
波は空を洗いつづけて
地平に着いては羽になった
指は闇に触れていき
倒れたままのかたちを知る
波を無色の魚 ....
高村光太郎が
智恵子の首を彫ったのは
34歳の頃だという
写真では
苔生したような絨毯の上に
白い
智恵子の首が
ぼそり と
載っている
愛なのか
悲痛なのか
....
日曜日に夕日があたるので
さらに 奥まで入り込みますと
サヴォイの 看板が
悟ったように私は
このままの 状態で
さらに 奥へと進みました
壮健な 壮健な ....
手に手をとって
風に陽に
戯れて咲く
夜になると
魚は目を閉じて
消えていく泡の行く末を思う
消えていく
自らの姿に思いを馳せ
静かに
目を閉じている
夜になると
魚は目を閉じて
自らの見ることのなかった風景を見 ....
あなたがいなくなって
正直
ずいぶん楽になったなと
思います。
もう、泣いたりわめいたり
行かないでくれとすがったり
不条理にいらだったり
そんなことをしないで済む分
ずいぶん、楽 ....
夜明けの風にほどかれた
雲の帯をたぐるように
よぶように手を伸ばす
朝日 そのへりにそって歩くぼくを
路地の無音のスピーカーが振り向かせる
民家の中 ただひとり
あのひとが嘲っている
日 ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
空は鋼鉄製の空
優しい飛行機だけが
僕らの所有する
すべてだった
乗客は皆
海のかたちをしていて
ポケットは
いつもだらしない
客室乗務員が
小学生のように
一人
また一人と
....
とことん凹めと言われなくてもとことん今凹んでるジャン。
2人は、一生懸命会話している。
内容は成立していないけど・・・ただただ・・・とことんとんとこ。
太鼓の音が鳴り響いている。
....
花は
咲きました
果てしなく
遠い色をした
沈黙の産声を放ち
それは
ここに刻まれています
みわたす限り
墓標の無い地平(こんな世界があるとしたら)に
墓穴をほり
ここに
種 ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
はっぱをめくればなめくじ
みんなにきらわれて
しおをまかれたりする
おまえなめくじ
うまれてからずっと
からだじゅうでないている
おれだっておなじ
みんなにきらわれて ....
それは
いまにもきえいりそうに
ふわふわと
ぼくらのまえにあらわれ
ながれにおち
みずいろにひかりながら
ながされていったけれど
あのひ
だれにしられることもなく
ひ ....
玉ねぎが自分で自分の皮をむいている
オレハ ドコニイルノダロウ
いくらむいても自分は出てこない
それでも玉ねぎは自分をむき続ける
オレハ イッタイ ドコニイルンダ
その間 ....
酔っぱらった僕は
フライパンの真似をして
空に羽ばたいた
一番高いところで
激しく嘔吐したけど
よく見ると
それは言葉だったので
ますます気持ち悪くなった
肩に触れていたなだらかな重さが
消えていることにふと気づくとき
部屋のなかを見わたす視線は
ほんの少しだけ傾いている
今日も夕空を見忘れて
蒼い窓を通りすぎ
破りとられ ....
あっけなく飛び込んでいった
プールに飛び込むみたいに嬉しそうに
星を見上げるのは星になろうとするためか
弾け飛ぶ後悔と切望のように核融合によって放出されるエネルギー波 フォトン
....
月が見ている
わたしの行方
ひどい青さの落果
そんなに思い出を失くしてどうするの?
夢をみてるのね
ゆるい傾斜の果樹園で
ひとつひとつの木には
実がふくらんでいて
それいぜんには
花が咲いていて
遠い
息が ....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
硝子細工の
幾つかの重なりは
小さな風の溜まり場をくるくるとかき混ぜて扉を揺らし
丘に続く小道を夢見るのです
夏が降り
気まぐれな模様を織りなして
あのひとの指に留まった雨粒が私の
....
あたりまえの、キスを、ください
追いかけるたびに
春はもう
ふりむきざまの、目くばせ
早足にからまるイヌフグリの、青
追いつかないのは
季節のせいなんかじゃ、ない、と
....
沈む夕日を見ていると
今日もまた唇が淋しい
姉さん
そうつぶやく僕には
生まれてこの方
兄さんしかいなかった
中心へ向って途絶えない無数の
緑の中に駈け寄って
眼の後ろで呼ばれた光は
しだいに
向かい合わせた最後の場所で
塵に変わりゆく扉に刻まれても
痛みのオウトツを識らない
薄まら ....
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