くずれるび
jei




こぼれる夕暮れの赤

そのにじみの跡を

窓ガラス越し、指で混ぜれば

ばらけていく赤

カケラになったり

粉になったり

くびれた小瓶に入って

砂時計になってみたり

窓ガラスの粒子もパラパラ

なぞる指さえパラパラ

時の砂のかたちに変われば

あとは恍惚の

恍惚の気化を待つ

崩れる美



自由詩 くずれるび Copyright jei 2005-09-06 19:02:53
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