大丈夫、シナチクは食べられるから大丈夫。
大丈夫、海を渡らなくても大丈夫、
溺れるなら、歩いてゆけるから
優しいのは同じで、寂しいのは八分目。
だからいつも同じ髪型でも平気
いつ ....
一
あなた
あなたから
あなただから
あたたかだから
あなたあたたかだから
あなたあたたかなからだだから
あたたかなあなたはだかだから
あたたかなあなたはばかだから
あかさかはあさだ ....
ありがとう
うまかった
ありがとう
まずかった
いつも
いつも
飢えていて
ありがとう
食べてきた
皿盛りの肉
絞った蜜
犬の舌焦げ
ありがとう
母の ....
今夜もまた
毛布を
かける側と
かけられる側に
わかたれる
夜ごと
息絶えてしまう人々のせいで
仕事のない両手と
凍える胸たちが
あぶれてゆく
失った者たちは
寝どこ ....
ロマンチックは
たったひとりの食事のようで
たったひとりのセックスみたいだ
ロマンチックは体では作ることができない
言葉
はロマンチックを形作る
ロマンチックはカタカナなので
哀愁として ....
東大の赤門で
「ほんとに赤いね」
と言った私を
「ほんとにそんなこと言うんだね。ふつうだね」
と言っていたあなたは
鞄にこそぎ見える
赤いギンガムチェックのショーツを
「こんなにかわいい ....
不治の病にかかった
「愛している」と言おうとすると
「うすらトンカチ」と言ってしまうらしい
もう
うすらトンカチと言える君は
そばに居ない
ああ、うすらトンカチが
死語でよか ....
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった
風と風ではないものの境に
あなたは立っていた
空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい ....
「エロビデオのセックスってさ、こう、なんでいつもオトコはみんなマンガの書割みた
いにのっぺりと影がうすいんだろー? ・・・オンナはオンナで自分の快楽ばっかに集
中してなんか機械みたくアヘアヘ鳴 ....
東北の湯治場
暗く高い天井にもうもうとこもる湯気
湯に漂う吸い尽くされた乳房
東京の銭湯
午前三時
夜の女たちの化粧を溶かし込んだ湯が
白く濁る
水に集う
サバンナの象の群れ
....
とどまらせようとするかぎり
けしてそこにはとどまらない
手をとり 馳せる
見えない姿
見える意思
ほぐしても ほぐしても
つむぎあうもの
暗い光の
いち ....
これ以上
大人になったら
何日か 一緒に暮らしましょう
棄てられた道のざわめき
野に沈んだ鉄の轍が
震えるたびに運び来るもの
蒼と紫の光が軋み
激しく小さな
数え切れない夜になり
雲を鳴らす音とともに
草の波をつくりだ ....
あきらさんの問いかけ
{引用=
作詩は若葉マークの身の上ですので、これから書いていくにあたり、技術上の約束事や注意点などについて知りたいのです。
現代詩も ただ自由に書くというわけにはいきません ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った
蝶が来て
狂いたい
と言 ....
ニュージーランドにいるキウィという鳥は
羽がすっかり退化してしまっていて
空を飛ぶことができない
夜行性のその鳥は
夜になると木の穴の中などから出てきて
えさを探す
もちろん飛ぶことが ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し
「そら」
と書けば
どこもでも青く
「もり」
と書けば
木々が香り
「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり
「ま ....
親友の孕み女となる便り花舞い散るはいつも奇跡だ
レンギョウの黄に向日葵を想いけり みどり児生まれくるとふその日を
さくら花おもたく露を含ませて我にこそ宿れめ我にこそ宿れめ
....
さらばわかめよ
さいの目の豆腐よ
鰹よりも昆布よりも煮干のだし汁が
行平の片手鍋の中で
煮えくり返るその様よ
天然ガス13Aは
ハイカロリーバーナーより青白く燃え盛り
今まさに妻は夕餉の ....
太陽を心臓に収めるなら
身体は夜に属し
内部から見る風景は
表面を失う。
呼吸だけが光の所在を吐き
事物は吸収体として
見えない主を探すのか。
駅前で冷蔵庫が名刺を配っていた
私も一枚欲しくて列に並ぶ
冷蔵庫の中が無性に見たくなって
ドアを開けようとすると
少しムッとしたみたい
ガサガサ音をさせる
もらった名刺には冷蔵 ....
虫歯が痛んだので歯医者に行った
虫歯を治してください
口をあんがあと開けたのはいいけれど
白衣を着たおじさんに
ここは目医者ですと言われてしまった
仕方なく
僕は自動車の整備工であ ....
ねえ、雨
+
音
+
遠い
+
いつも
+
記憶
+
遠い
+
ねえ、雨
+
崩れる?
+
崩れない ....
1.
顔を洗って髭を剃ると
私の顔は鏡の中にあった
洗面所の窓
その外にはいつも外があって
夜がまだ薄っすらと残っている
貞淑なやす子は朝食の後片付けをしている
今までの毎朝 ....
なにげなく 空を見る
雲一つない青空が 僕の心に染みました
なにげなく 山を見る
空に近い頂上が 僕に孤独を教えてくれました
なにげなく 海を見る
押し寄せてくる白波が 僕に恐怖を与 ....
夏痩せしたみたい
はり金が差し出す腕は確かに細くて
どこまでが腕でどこからが腕なのか
わからないままに、痩せたね、とさすると
そこはこめかみよ
拗ねたふりをする
食卓には温めたロー ....
芳賀梨花子さんの『Is it good or not?』http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=78の「スウプ」
{引用=ねぇ、そろそろ、好き嫌いばっかり言ってな ....
{引用=
未詩とは、未だ「詩」ならざるもの、という意味の造語です。{画像=050529070227.gif}「詩」のジャンルはちょっと雰囲気が合わない、または、詩というよりも「ひとりごと」に近いと ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36