三日月に 梯子をかけて
一緒に 昇っていきましょう

僕の秘蔵のワインボトル マントの裏に忍ばせて
風にあおられるトンガリ帽子を 飛ばされぬようおさえながら

夜遊び仲間の君の肩 しゃべる ....
空のひとすじ
とぎれとぎれに
たましいたちの渡り
祝祭の予感が
はりつめて街に灯る

肌をかさねる
こいびとは柑橘の香り
湿り気を母音に換え
いくつも降らせ
打ち上げて

土く ....
朝の光が 羊毛の絨毯の上にうずくまっている
まるで まぶしい水たまりのように
君は 寝癖だらけの髪のまま
そこに まだ生まれ落ちる前の 思い出を探している

揺れるレースのカーテン 風は優し ....
悲しくない
誰かの子供が死んでも
無垢な命が 奪われても

悲しくない
正義がなくても
押しつけがましい 物差しがなくても

悲しくない
君が泣いても
乾いた泥にまみれた頬を しょ ....
愛していると告げた時
何かが間違っていた
それは
蜜を湛えた
花というよりは
壁から伸びた 鎖だった

君という船を 僕という港に 繋ぎ止めておくための
その言葉は 何も与えずただ 拘 ....


冷たく また暖かく
風は吹いてくる 駆けつける
通りの角の向こうから 木立の間から
病院の屋上で 夕暮れの空に黒い影を揺らす 洗濯物から  

冬の風は 静寂を厭う
その身体をよ ....
なにかが 出てきそうだ
僕のおなかの あたりから

いつも 予感がある
それは身じろぐ 胎児にも似て
この意識の どこか内側の さらに内側にある
見えない子宮の中で もがきながら 訴えてい ....
  傷だらけの携帯電話を見ながら
  明日のことを思いめぐらす
  不利な戦いになる
  このまま今日が続くなら
  
  偶然とは理由がわからないだけの必然
  真夜中に白い氷が降りはじ ....
ゆうちゃんは無口な転校生だった

四年生の春に
ぼくのクラスにやってきた
ゆうちゃんと、ぼくは
なぜか気があって放課後はいつも一緒にあそんだ

がっこうは友だちできへんからきらいや。
 ....
狼が疾風となって駆けるのを
ぼくはただただ見送るばかりだ

(ぼくには強靱な脚がない)

狼が鋼となって獲物を狩るのを
ぼくはただただ見守るばかりだ

(ぼくには牙がなく爪もな ....
空いてます
ぼくのとなり

とても広くて
あなたのわがままはすべて叶います
来ませんか
ぼくのとなりへ

ちょっと高くてこわいし
階段もないけど
その右手も 左手も
ぼくに差しの ....
  たばこのけむり
  あいまいのなか
  そっと
  てをふるもの
  ひかり



  ふりつもるゆき
  とうめいなゆき
  ぼくを
  ふちどるもの
  ひかり ....
緩やかに
時は
さみしさと
むかいあいながら
深呼吸する
○が□に惚れたのは

とても嵐の午後でした。
大きな嵐が横切った
山を越えて谷を越え
川を跨いで横切った。
嵐は朝から走っていたが
なぜか□は電車に乗って
○のいる図書館に
ビニール ....
言葉を
干からびた 食べようとした
白色のものが それは
干からびた 言葉を見ていく

取り出すように はき出されたものに
屍の外から 転がっていた 血から親指に
僕の魚のように
取り ....
「鉄棒」



無理強いされた逆上がりでヘマをして背中から落ちて
立ち上がったら黒い虫が潰れていたのが分かって
潰れた脚を引っ張ってなんとか元に戻そうとして
無理強いした
うつ伏せでいると
とても静かで
うつ伏せでいると
とても安らぎます
立っている時の
喧騒や幻覚からも
逃れられ、一時幸せです


うつ伏せでいると
守られている気がします
うつ伏 ....
 石をみている
 石の奥に映る光をみている
 石の奥に映るわたしをみている
 石の奥に映るわたしの瞳をみている
 石の奥に映るわたしの瞳に映る光をみている

 石とわたしのあいだには
  ....
いっそのこと
壊れてやろうかと思ったのです

午前8時20分 正確には午前8時19分49秒
あなたは怖いものでも見るような目つきで
私を見ると言葉でない何かを叫びました
それから物凄い ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく


降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
 ....
海の中の岩は水の中に
住んでいると思っていた

魚が時々 遊ぶ
漂着したものが
流れ着いては
またくるりと
一礼して 海原へ

どこにも行った事がない
どこかへ行きたいなあ
ちょ ....
死んでいくことで
踊っていける、たった
ひとつの
空だけを
おぼえている、

わたしか、きみが
いるために
誰かがいる、場所
三日後にわたしは 
三十三年間着ていたわたしを脱いで 
風の衣を着るだろう 

その時世界の何処かに響く 
あの産声が 
聞こえて来る 

その時空から降る 
透けた掌と差しのべるこ ....
「口さけ女」

{引用=
耳元まで、口が裂けて広がっている女性噂妖怪。
幅の広いマスクで口を隠しており、道行く男性に、「私、綺麗?」 と尋ねる。
答えた男性には、マスクをはずし、口を見せ付け ....
幼い頃は
兄と妹と三人で
床を並べて寝ていた

がっしりした骨格の子供だったが
神経質で泣き虫なわたしの為
寝室はいつも完全な暗闇にならないよう
蛍光灯の一番小さな橙の光がともされ
両 ....
タイトルに「あなた」なんて使って気恥ずかしいのですが、
なんかそういう気分なので(笑)。

さて。
蘭の会(http://www.orchidclub.net/)の「ふみばこ」というコーナーに ....
ぼくの隣
静かなきみのポケットに
たぶん幼い
春が来ている

手を入れれば
指先に形のない手触り
必要な幸福は
それで足りる

春になったら
そう言い続けて
ぼくらは今
何を ....
人ごみの平日はどこにも排気口がなくて
呼び捨ての間柄がどれくらい大切なことかを知った
ひとりで歩く 眩しさが送っている

啓蒙とかスピリチュアルとか癒しとか
生き方の模索
悲しみの何割かは ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
魚は
夜に鳴く
なくした
ラッパを思って

+

砂糖瓶を
よく洗って石段に
並べていくと橋を渡る
来客があった

+

探し物の
予定のない日
菜の花畑で一人
ラジ ....
つきのいし.さんのおすすめリスト(1054)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
三日月に梯子をかけて- まーつん自由詩12*11-12-22
即興(多摩、12月)- 橘あまね自由詩1411-12-20
羊毛の絨毯- まーつん自由詩6*11-12-20
フクロウ- まーつん自由詩5*11-12-15
契約- まーつん自由詩5*11-12-13
- まーつん自由詩11*11-12-2
予感- まーつん自由詩7*11-11-29
今日という日は死ぬけれど- ただのみ ...自由詩12*11-11-27
陽だまり_2011- たま自由詩37*11-10-18
父と子- ゆべし自由詩4*11-10-1
- たま自由詩37*11-8-28
ひびき- 草野春心自由詩411-5-3
願い- はなもと ...自由詩7*11-3-22
恋に落ちて- ……とあ ...自由詩7*11-2-9
砕く、石を見る- 番田 自由詩109-9-22
体育の授業中は哀しくなる事が多かった- ゴースト ...自由詩7*09-9-20
うつ伏せ- ゴースト ...自由詩2*09-9-16
『石の鼓動』- あおい満 ...自由詩7*09-2-16
目覚し時計- nonya自由詩22*08-7-19
海辺- 木立 悟自由詩1108-7-12
ザ・ブーン_- 砂木自由詩6*08-7-11
_- こもん自由詩808-7-11
風の衣_- 服部 剛自由詩2008-7-8
都市伝説- 吉田ぐん ...自由詩2408-7-7
夜の幻覚- 吉田ぐん ...自由詩1008-7-7
詩という“表現”を選んだあなたへ- いとう散文(批評 ...59+*08-3-17
裏木戸- たもつ自由詩3008-3-7
帰途- 唐草フウ自由詩18*07-6-6
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
さよなら- たもつ自由詩29*07-3-12

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