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東京の街路樹では
幾種類ものセミが鳴いていた
夏の時が豊か、だった
品川プリンスの坂をあがる
湿ったアスファルトの匂い
木々のひんやりとした匂い
いまからきみに ....
なつの朝に
くりかえしくりかえし
泣きながら、うまれる
声と声と声が
遠くの地球
むこうにしろいくも
横ばいに漂う
わたしたち
くりかえし生まれて
体操して
朝の匂い
....
自分で思い出すより
誰かに話しながら思い出したほうが
色鮮やかに甦る
あの涙を
いま、この手で拭えるように
僕らは大人になってゆく
俺にもこんな時間があったのか ....
夏の日の朝
外はまばゆい光があふれて
テレビのニュースは
原爆の式典の様子を伝える
平和を願う
人々の祈り
そのニュースの後で流れる
外国の空爆の事
沢山の人々が死んだって
こんな矛 ....
http://www.geocities.jp/mfta29/akubi.html
夏の朝の暗い空に
ヤマナラシが揺れていて
それの陰を燃えるような
....
終わりが始まりを招くの
君の傍らにいないことが
淋しくないと思えるようになったから
この場所からはもう何もはじまらない
死んだ空間に蹲る
君の歪んでいくさま
あたしの崩れていくさま
....
蓮の葉ベットの上 雨水が風に合わせコロコロ遊んでる
水玉が転がる やわらかさで 落ちる闇の雫 揺れる花
心情も背景もモノクロで
理屈ばかり浮かんでる
疲労の蓄積に心も肩も背中も凝 ....
カラリと渇いた道の上に立ち
待ち侘びた時間の束を
そっと放つ
その影の尾が
通りの向こうへと細く消えて往くのを
私は呼吸だけを携えて
一筋に見つめている
明らかに失ったことを
....
あたしなんか、早いとこ死んでしまえばいいのに
そんな言葉に音楽がそっと寄り添ってくれる
この部屋はむせ返るような君の匂いに満たされていて
あと3秒もすれば鼻が慣れて、何も感じなくなるだろう
....
上昇する空に
なすすべもなく
はじめて聞く翼の音に
耳をかたむけた朝
土は懐かしく湿り気をおびて
無数の記憶が飛び立つと
残された孤独の夜が
夢の中から
僕を見降ろしてる
とろり、と満月が零れる
そんな夜に終わったのだ
もはや何も共有しないあたしたち
心は見えないほど近くて
ベクトルはすれ違った
泣きたいときこそ涙は枯れて
代わりに零れる月、琥珀 ....
煙突の、
屋上へと続く螺旋階段。
登りきったおまえは
吹き出された
シャボンの中に飛び込む
弾けちった光の粒が降り注いで
町中、
石鹸の匂いがする
{引用=
器用な
きみでさえ
泣いている
恋は
単純で
むずかしいのと
きみは言う
不器用な
ぼくは
そんなきみを
好きになりそうで
ああ
だめだ
と
からっぽの
....
「 抵抗することに疲れた 」
そう言い遺してある友は
自ら世を去った
思い通りにならない日々の
不自由な鎖を巻いたまま僕は
しばらく横になっていた
ランプの灯りの下
....
軒先から落ちる雫が
あなたの頬を濡らしてた
あなたは
待っていた私の頭を
くしゃっと撫でて
少し困った顔をした
秋から冬にかけての
その川のせせらぎの音は
とてつもなく柔ら ....
その子は
お客さんにね、どんな死に方が綺麗なのかを教えてもらったと
妙に笑顔で言った
そのお客さんは仕事柄 色んな遺体を見るんだと
そっか
どうでもいいけど 一応 聞いとくよ
....
暗い暗い、
星も月もない闇夜より暗い
そんな場所に
今、私はいる
想う人は遠く
もはや、出会うことはない
だけど結局
誰がいても変わらないから
たった独りは変わらないから
孤独な闘い ....
暗闇が押し寄せて
冷たい驟雨は街を灰色に染めた
ミッドナイトを巡る 静かな宵
闇 深く 真実の時は流れ始めている
嘘をついたような蛍光灯の下で
折口信夫 読み止さしのページ ....
寝苦しい夜を終えた朝に母が言った
洗濯機の中を覗きこんでいると
その一言を思い出す
同じものを何度もぐるぐると網膜に回しながら
嗚呼、わたし、洗い流されてゆけ。
悲しいなら泣いてよ
水音で泣き声をごまかすから
逆様にした時計の砂は
またさらさらとこぼれる
残された時間にたくさんの
「おかえり」を伝えてゆくから
軽やかな羽根
沼
振り子
絶望と幸福の永久運動
不安と絶望の境目はどこだろう
グラスの音
立ち上る泡
磨かれた床
硝煙にまぎれたダイアモンド
虚ろな日々とささやか ....
空に目を上げるとあなたのにおいがした。
あの町に寄り この町に寄った
その街に行き その街から去った
幾日もの歩みを 無為に過ごし
幾多もの景色を 眺めた
感動は できなかった
それでも 無感動ではいられなかった
い ....
目を覚ますと
ベッドの上にいた
白いシーツがどこまでも広がり
睡眠中
あつくてはいだのか
山のように連なる毛布から
上昇する太陽が
まっすぐわたしを照らしてる
もう三日歩い ....
息つぎは上手じゃなかった
あるものないもの欲しがって
白く滲んだ指の隙間から
空をめがけて投げてばかりいた
例えば優しくしたくって
だれかに優しくしてほしくって
地球が ....
私は生きているらしかった
時計が回るのをただじっと見つめて
ご飯を食べるのも忘れ
私は下校のチャイムが聞こえるのも忘れ
泣いてばかりいた日々の中で
鋭敏な空気の中に孤独を感じ ....
なにげなく偶然に
となりどうしになった、名前
お互いブランコだなあって
思った、夜
こいでるスピードもたぶん違うし
わたしは何かとものを言いたがるから
足でとめて また土をける け ....
携帯電話があるので
ぼくはいつでもきみと
繋がっている
きみを想うとき
携帯電話がなる
ひとりで寝付きの悪い夜
暑くて眠れない夜に
携帯電話がなる
想う暇なく
声をき ....
私の中に
巣喰うもの
恐怖を煽って
私の体を
支配しようとする
私の首と
私の心臓を
つかんだまま
離さない
指先から
消えていく
私という存在
呪縛
今も消えない
ぼくときみは違うから
同じものにはなれません
でも
同じくらい価値のある
別のものにはなれるはず
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