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カラリと渇いた道の上に立ち
待ち侘びた時間の束を
そっと放つ
その影の尾が
通りの向こうへと細く消えて往くのを
私は呼吸だけを携えて
一筋に見つめている
明らかに失ったことを
....
慌ただしい今日の影が
私鉄電車の線路の上で
蒸発していく
なぜこんなにも美しく
空は色の層を創るのだろう
混ざり合わない
それぞれの憧憬を
ほんのひと時
寄り添わせるように
....
しばらく海を
見ていない
とうに街には
飽きてしまっているけれど
それにもすっかり
慣れてしまった
誰の笑い顔も
どこかぎこちない
それでも疑うことは
何より疲れ ....
平凡なお別れをした僕らは
やがていずれきっともうすぐ
偶然も必然も届かぬ場所で
二度とその声を聴くことも無くなるのだろう
覆い被さる波のような日々の中で
わずかにこの手に掬い上げられ ....