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毛がはえて
羽がはえて
とんでいって仕舞うのは何
根を絶たれ
芽を摘まれ
それでも咲きつづけるのは
屋上にたたずんで
日記帳を焼かれて ....
まだ拭いきれない残酷さは
幼少の頃から根付いた罪深さは
その胸のポケットに仕舞いこんでおけばいい
連なる群青の浅い夜と深い朝
いつ芽吹けばいいの
だれが運んでくれるの
分か ....
今日の次に
明日がくると
疑いもなく生きているのだろうか
明日とは
不確実な未来であるが
明日が来ない未来を
想像する人は
どれほどいるのだろうか
今日という一日を
....
キラキラ星は掬う指先から
ながれていく
落としていった光りを
かきあつめている
いつか
欠片にして胸にとめるため
星が燃えあがって
生まれたところへ還る ....
その空には雲がかかっていた
君は君らしくありたいらしく
空は空らしく空っぽがいいといっていた
真綿のような白い大きな雲
を はしからつまみだそうとしたが
どこがはしかわからず
しばらく ....
外国に行きたくて
海を歩き続けた
それなのに
海はどこまで行っても
海のままだった
道に迷わないように
紙幣をまき続けた
それも尽き果てる頃
家に帰ろうとして
鞄から地図を取り出 ....
あたたかな雪が
時のうろこ 一片と供に
もう一度、もういちど、と
落ちてくる
あなたの冗談は
胸に入ってるカイロのようにふんわりして
窓の中 しゅんしゅん伝う蒸気が
寂しかった空洞に
....
哲学するには遅すぎる
夢を創るには遅すぎる
しかし
残り少ない人生の中
人ごみに紛れて 流れて
生きてもいいじゃないか
悲しみを悲しむなよ
こんなにしずかに
寂しさを寂しがるなよ
だれもいないのに
月があって
光がある
たったひとつ
君がいて ....
どうにかなってしまいそう、
あたたかさの包みこんだ夜の隙間で
うたうたいの瞳がやがて変えて、いく、向こう。
憂鬱ななきごえは
黒に近いグレーみたいだ あれが、
夜明けに近づいて
....
ペテン師と言うと
響きは悪いけれど
とにかく君を乗せたいな
肩でも、口でも
どちらでも構わないさ
うな垂れたまま空にカメラを向けた
屋上から見えるのはいつも
真っ赤な夕日
今日が晴れだったならそのまま家に帰れた
でも、今日は雪
車のエンジンをかけると流れるのは
いつもおなじ ....
一度口にした言葉 やり直しがきかない
発した言葉には それなりの真実
勢いにまかせた言葉が 人を傷付け
おまえに言われた言葉は忘れないぞ
別れ際にそう言われた
あなたに贈られた言 ....
のたりくらりのらくらり
朝はまだ明けぬ
霜柱の立つ冷たい風
コケの生すまに
時はのろのろと
さざんかははらりひらり
雪が降ってきた
鳩が2羽飛んで来た
夜は明けて
一面真っ白 ....
「 2月14日あけておいてね 」
期待しちゃうじゃない チョコレートとか
平日で仕事も忙しいけど 有休取って会いに行くよ
引っ越しの手伝いなんて 聴かされたのは前々日
より ....
水の泡
ぷかぷかぷかり
魚たちの鼓動
波のオーロラ
逃げろや逃げろ
人間がやってくる
水中の楽園を壊すもの
金持ちが苦しむ仕組み
有機スズ、PCBの生物濃縮
第一子が沢山譲り ....
郵便ポスト、その赤
狭い歩道、低い街路樹
助手席から、眺めている
くんっ
はっ!?
くんっくんっくんっ
鴬じゃねえかっ!
郵便ポスト、その赤
狭 ....
おんなから
そんなこと言われりゃ
逆ギレするしかないわけで
逆ギレしたところで
それはふたりの
延命装置でしかないわけで
寒が山を薄くしている
アイドリン ....
呼びさえしなければ
知らずにすんだ苦しみを
あやまることしか思いつかず
ただ 宿っただけの意味を
悲しんでいたのだけれど
あれから十年以上もたち
やっと今 私だけでなく ....
たとえば外が見渡す限りの草原で
はるか遠い地平線のうえ
まろやかな月が重たげに光っているなら
外は月夜で
という古い唄をうたってもいいとおもう
あるいは外が見渡す限りの大海原で
薄暗い ....
こころにとまった鍵盤が
偶然、泣きたい気持ち
降ればいいのに
アスファルトの上
からころ転がって
軽快な音跳ねる
割れそうな色だ
いつもどうしようもなく
触れたくなる透明だ
....
呼ぶ声がするので
窓を開ける
小さな庭に
いつものように
日が差しこんでいた
午後
僕はこの星でたった一人
光合成をはじめる
息を吸っては
自らの命に
窒息しそうになりながら ....
冬
愛しさを連れて 君と湯町
乾いた太陽の熱が嫉妬を増幅させる
君の唇から小さな白い吐息と湯けむり
悲しまざるは僕と石畳
君の足が時計の針
昨日の僕が明後日を招く
海が見える ....
消えないように、
残しておきたいの。
消えないように、
伝えさせてよ。
消えないように、
ちゃんと憶えていて。
「アナタに会って伝えたい」
それだけのコ ....
突き放して欲しい
抱き締めて欲しい
云って欲しい
云って欲しい
たった一言でいい
云って欲しい
云って欲しい
あなたを信じるのに必要十分な言葉が欲しい
声を掛けて欲しい
触れさせ ....
人について考えるとき
僕の足はひとりでに川を渡る
無機質な思いに淀んだ川
夢はあるだろうか
吹く風は優しいだろうか
明日は来るだろうか
....
家に着いたときには
すでに落としていたのかもしれない
部屋に入るまで
気持ち悪さがとれなくて
何度も 何度も
自問自答
何をなくした?
なぜこんなに満たされないのか
家族に ....
一月の東京に
ひともまばらな
青のイルミネーション
風がふくらんだ
夜が白くひかる
一月の東京に
においのしない
青のイルミネーション
風が ....
ぽっつりと。
水面に輪ができた。
ゆれる、空をまたいでいった。
空は青かったか?
地上は寒かったか?
それよりも、
揺れた空が端っこで、
境界線を描いてい ....
湿った身体。
やまない雨。
傘を持つ手が落ちそうで、痛いほど。
探し続ける視線の先に、なにが見えるの。
歪んだ心。
冷たいつま先。
滲んだ血は傷を覆い隠して、痛いほど ....
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