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海辺の小さな町は
人がすれ違うだけの
狭い路地しかない

何か食べ物の匂い
古い畳の匂い
苔の匂い
それから年を経た人間の匂い
灰色の板塀越しに
苦い烏瓜の実が生り
この庭に人はい ....
夏は終わって
風が吹いた

私の周囲1メートルの世界は
凡てがもちろん
変異した

そうして
たぶん1ミリに満たない皮に
包まれて
私は
羊水に浮かんでいた

ビルの屋上には ....
落ち葉を拾って
小さな切手を貼って
送ろう
つたえる人はいないが
つたえることなど
無いが

手紙を
送りたいのだ
たぶん
未来に

まだ生まれない
現象に
ツタエタイ
 ....
目の奥がずんずんして
とても眠かったが
夕方の電車に乗って
町に向かった

子供の頃
縁側に
本箱が置いてあった

陽がたっぷり差し込み
田んぼや
小川や
遠くには山も見えた
 ....
まず
スープを作る
トマトともやしと固いウインナーのスープ

鯵のフライを揚げなおし
カット野菜の上に乗せる

解凍したご飯の上に納豆をかける

テレビを見ながら食事を摂るのはやめた ....
薄い春を透かして
透明な雲雀は歌い
浅い海では大蛤が
長い舌を伸ばして
むせ返る蜃気楼を
吐きだしている

遠い空では
砕かれた者たちが
陽射しを照り返し
鋭く突き刺そうとする
長い時間を 
かけて
傷つき
破壊された肉体が

捻じ曲げられ
かしいで
柔らかな樹木となり

夏の
窓の外の
埃の浮かぶ
光の中を
静謐に往く

浮き草を揺らし
水霊 ....
白妙の開襟シャツを
風が吹き抜け
猪目山には
夏の雲が浮かぶ

ピンで留められた
7月のカレンダーは
はるかな尾瀬の
遠い空

固い凍土に覆われた裏庭で
キャチボールをしよう
 ....
夜更けになると
一両だけの黄色い電車が
黒い森に向けて
走り出す
鼻高山の尾根が
急角度に夜空をめざすあたりから
月が紫色のサーチライトを照らす
生き方知れずの子供たちは
ハーメルンの ....
山陰線沿いの小さな町で
夏祭りの夜
フクロウが飛んだ
神話とは何の脈絡も無く
舞台では
痩せた若者が舞った
(高速バスのキップ代が
案外と高かったから)
トントンと踏み鳴らす細い脚
 ....
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