ボタンが取れて
心も取れた

はだけた世界に
乱れて飛んだ
あなたの思いは
月に溶けて

宙を舞う力なき手に
ただ一つ
霞だけでも掴めれば

わたしの思いも粉にして
あなた ....
今日も大きい舞台の上で

あなたは
綺麗に生きていて

歌声も
まだ少し聴こえている


やっぱり哀しくなるけれど

今はまだ
直接顔を向ける事が出来ないです


 ....
日曜日の朝 
シャワーを浴び 
鏡の前で髪を整え 
{ルビ襖=ふすま}を開け
薄暗い部屋を出ると 
何者かが{ルビ袖=そで}を引っ張った 

振り返ると 
ハンガーに掛けられた 
高 ....
ぼくは詩人

何が現実で何が夢なのか
寝ても覚めても同じかもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
野原に出会いました

誰もいない
寝転んでみると気持ちがいい
目の前 ....
ぼくは詩人

星は自分で探すもの
幸せは自分で見つけるもの

今日もまた

朝の散歩をしていると
少女に出会いました

 星を探しているの

しゃがみながら熱心そう

朝に ....
詩と技術ということを常に考えています。
というのは、私は詩を書くとき、技術的なことはぼんやりとしか考えていないから。
ぽっと浮かんだものを何も考えないで(言葉で表せるようなことは考えてない)書いて ....
5センチの猫が
水槽に飛び込んで
すべての魚を
粉々にしてしまった
遅い春が さらに足踏みをして
私たちの日曜日は
台無しになってしまったけど

公園からの帰り道
陽当たりのいい住宅街の一角で
うっすらとつぼみの綻んだ
可憐な桜を見つけた

ブロ ....
せかいはつまらないと
きみは言うけれど よく考えてみて
せかいはなぞだらけなんだ

たとえば、空はなんで青いの
ぼくはいまだにわからない

たとえば、夕焼けはなんで赤いの
空の下のほう ....
ぼくは詩人

新しい形というのは
古いものの中から
発見されるものかもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
1冊の詩集に出会いました

まさに散歩の
そして詩人の先人 ....
ぼくは詩人

言葉をつなげたものは
単純な言葉の和ではなく
積や累乗に拡大する

今日もまた

朝の散歩をしていると
フラスコに出会いました

丸底フラスコ

物質と物質を混 ....
ぼくは詩人

飾った言葉も
無垢な言葉も
言い表せない時もある

今日もまた

朝の散歩をしていると
白い蝶に出会いました

ふわりふわり
その飛ぶ姿を目で追う

ぱたぱた ....
寒い冬の空果てない心と

かじかんだ手をこすりあわせる僕がいた

カチカチと腕時計の秒針がうるさく

すれ違う人たちが

全員僕のこと見て笑っているようにみえて

悔しくて走って逃 ....
ぼくは詩人

感謝されることよりも
感謝する方が難しいこと
かもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
老婆に出会いました

花に向かっては
「ありがとう」

小鳥 ....
一.


春待ちゆびが
くちびるにふれて
かた
むね
こし

跳ねていく

抱きぐせがつくからだめよ




二.


ぱた ぱた
と舞う洗濯物を
清潔とす ....
ぼくは詩人

心は見えなくとも存在し
色もまた
無色であっても存在する

今日もまた

朝の散歩をしていると
いつもの花畑に出会いました

ほどよい咲き心地

その広げる葉は ....
彼女は彼を語るたび、
彼女は彼を見つめるたび、
その白い頬に桜色を映す。
艶やかで儚い恋する微笑みを目の前に、
私は彼女に勝てないと思う。
そして何かと言葉を呑んで
彼女の話に相槌を打つのだ。
密かな ....
ぼくは詩人

今があるのは過去の努力
そして明日へとつながる

今日もまた

朝の散歩をしていると
少女に出会いました

桜の花が散っていくのを見て
もの悲しそうでした

ぼ ....
所詮、君のセンチメンタル
付き合い切れないヒステリック

劣等感に苛まれて
笑えないと呟く君の笑顔が
世界で一番大嫌い

感情、トラウマのリサイクル
傷ついて治らないプラスチック

 ....
ポエムが生活を横切ることがあります
最近増えてる気がします
たなびかないわたしの毎日を
理由もなくそそのかします

今朝もあわただしく流れました
飲むことを忘れていた珈琲にミルク ....
空でばらけたピアノ音
ひとつの音からさみどりの雨たち
愛したその指で描かれた
もう会えない


朝色が鎖骨の赤をカモフラージュする
蜂蜜酒に光
フローリングに落ちた黄金色
染まる猫の ....
色彩々の
螺旋を描いて
くちびるを震わす風に
ほころぶ花びら
さえずる鳥は枝高く

春のうららに
「なべて世は事もなし」


※「なべて世は事もなし」の部分
上田敏の訳詩を引用し ....
かごめかごめ籠の中へと残されてさくらはひとり散っていきます

口惜しく散って逝くならあわれむも花いさぎよく嫉妬するのみ

たとえばと、たとえるものを探しても見つけられない春の終わりを

 ....
この骸に湧き出でる
形無きもの

己の心に押しつぶされるならば
その重さはどこから来るというのか

わたしがあの人を想うとき
どこかで誰かの心から
何かが消えているのだろうか

わ ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの


お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
 ....
「つまらない。」

と思えるほど
慣れたものだ

あとは
今度の花見にかけてみよう

「あのね、金がなくて
 ほんとに 髪を切りに行けないのよ。」

新鮮なものは
とれたての鯖 ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
見送るものは、誰もいない。
錆びれゆく確かな場所を示す
冬景色の世界地図を
燃やしている過去たちが、東の彼方から孤独に手を振る。
知らぬ振りをする眼は、遥か反対を伺って、
不毛な距離をあらわ ....
見上げた空は
朽ちた星々の残留思念
生まれて死んで
死と再生を輪廻する満天

静まり返り
押しては返す波の音がひたすらに
耳に鳴り響くよ
死と再生のメトロノーム

何もない世界で
 ....
一度だけ夜を飛べない夜がある冷えた灯りのはばたきの道



降り来る火誰がおまえを責めようか燃えくずれつつ書きとめる日々



しあわせを感じたとたんしあわせは遠く ....
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