暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。

装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
 ....
ちょっと足らないだけだものね
八時二十分を指している
あなたの眉毛の上に
ボールペンかざしてあげる

いざ出かけようとしたら
小糠雨降り出して
傘を差そうかどうしようか
迷うのにも似て ....
ゆっくりと回っていた
気がすんだ頃には夕方だった
ちゃくちゃくと網目のような道をわけいって
最後についたのは少し丸くなったひみつ基地

眠りにつこうとしている
朝まで待つことはあきらめてい ....
あしたあたしはあの女から命を授かる
口紅と下着とカロリーメイトと退廃の
散らばる部屋に産声を上げ
ストッキングで顔をぐるぐる巻きにされ
タンスの{ルビ抽斗=ひきだし}につめられるんだ

耳 ....
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく

遠い昔の夏の夜
二人で ....
数週間かけてつくった 
富士山の大きいパズルも 
遂に最後の1ピース 

・・・というところで 
頂上のましろい1ピースが 
無い・・・! 

わたしは探す 
目を血走らせ 
床を ....
ひとはそれぞれに地獄を持っている
それ故に
その人にしかわからない
幸福がある

その意味で
人は真の意味で
孤独で
自由だ
カメラが置き去りにされていた
ウコン色の砂の中に
捨てられたように
置き去りだ
ずっと地面を見つめて
語りかけている
それを受けて砂がサラサラ応える

秘密の地下室が
永遠と機械を組 ....
吐息でしか呼ばれない名前があって
あたしはこれまで彼女の手によって
数々の眠れない夜を越えてきた
けれど、近頃はめっきり彼女を必要とせず
夜をやり過ごせるようになった
おそらくこの先、大抵の ....
アスファルトに捕らえられた君を
すくい上げたこの手が
愛だと信じていた

四畳半の沃野に
刳り貫いた天井に

それでも君は
ただ背筋を伸ばして
その時を待ち続けていた

この手が ....
ちいさいころ熱が出ると

お母さんはよく桃の缶詰を開けてくれた

白くてやわらかい桃はもちろん

スプーンで飲ませてくれる甘いシロップも

冷たくてとてもおいしかった


お母さ ....
ハローグッドバイ
ハローグッドバイ
ゆらりゆらりと
朝のメルヘン
たびからたびの
たびからたびへ
百万光年も
二百万光年も
神のためにその石は削られ
深い傷を負った陰影を語り継ぐ
 ....
あンたがいつでも泣きにこられるように
冷蔵庫にはいつでもスプーンが入れてある
晴れ上がったまぶたをこれで冷やしなよ
放っておくと酷い顔になるぜ
もうなってるけど
もっと酷くなる前に

ス ....
私はほっそりしていて
身長は高いほうである
私は風雨にさらされても
風邪などひかず健康なほうである

だが
私は夜行性である

そのため
私は夜の仕事をしている

夜の仕事といっ ....
ほんとうのことは
今俺がお前の中にいること
どれほど身体すり減らしているのか
知りながらお前は綺麗な眉をひそめて
お前の中の俺を撃ちつづける
挟まったフライドチキンを爪楊枝で遊ぶ
この ....
私だってね
私なりにね
考えているんだよ。
このチクチクした頭をね
もう必要としないなんてね
ひどい話だよ。

なんだかね、
頭から否定されてね
じゃあ私は何なんだよ。
じゃあ私は ....
季節の針は梅雨ど真ん中をさし
天気も梅雨らしい重たい空を示す

しとしとと溜め込んでいた湿気を
吐き出す雨は降り止む事を知らず

と言う風に全てが予定通りに進めば
なんとなく安心できるの ....
殺しあったり自殺したり
争ったり憎みあったりいがみ合ったり

それは仕方のないことで
脳みそやらDNAの仕業であってね
オレたちは生まれてくる前から
邪魔するヤツらにヘンな酵素爆 ....
サイドウインドを下ろすと、波の音が聞こえた。
半袖ではまだ肌寒い季節。
新聞が毎日のように失業問題を取り扱っていた、97年。
私は、サファイアの街を訪れたことがある。

清潔な食布、簡素な ....
暗闇にはだぁくんがいる
たぶん夜行性で
明かりのない部屋とか
夜中の長い廊下とかに
体育座りをして
誰かが来るのを
待っている

照明をつけないで
廊下を歩くと
だぁくんは近づいて ....
あなたがいってしまった次の朝
庭の隅に赤いバラを植えました
赤いバラの蕾から
黄色いつばめが飛び出します
私はつばめの背中に乗って
雲の向こうへゆくのです


虹はリボンになって
風 ....
 
 若い頃の私
 若い人と睦みあった が
 無知だったので
 性欲を昇華する術を持たなかった
 仕方なく、一緒に並んで座り
 土手の風はさやさやと
 耳の中の産毛を撫でながら右 ....
この つらさ は

望んで 与えられたもの ではない

打破したくても、

許されない。

この つらさ は

誰のものでもない。


中途半端に プライドを植え付けられ
 ....
一筋の夢
指で先を足していく
空には届かない
私の背伸びでは届かない
そのまま
ぷつん と途絶えた
音信

首元がさむざむするから
結っていた髪を切った
ただそれだけのこと
今朝 ....
修理相談センターに電話すると
またあの女のひとが出る
状況を報告して電話を切って
しばらくすると
修理のトラックがやってきて
私を段ボール箱に梱包して
工場へ連れて行く

修理されてい ....
絶壁のコンクリートの僅かな隙間に
いのちを宿した君たちは
迷うことなく天を目指して
もう背丈よりも大きくなった

直角に身体を曲げて上へ上へ
ひたすらに迷うことなく
君たちは ....
暗い
暗い暗い海の中で
私は浮かんでいる
浮くことも沈むこともない
そのときの私は
長い髪で
白いワンピースを身に纏っている
ゆらゆらと
私は漂い続けている
そのと ....
となりのひとの
新聞
読むでもなく眺めていたら
恋のひやりはっと
って記事が
目に飛び込んできた

おとこのひとに見つめられ
ひやっとして
揺れるわたしに
はっとするってことかな
 ....
埃をかぶった辞典を開いて
君に伝えたい言葉を探してみる

学のない頭から出てくる言葉は
ありふれた簡単な単語ばかり

君を勇気づける言葉を知らなくて
根拠も言えず「大丈夫」を繰り返す ....
まあ、炭酸でも飲みなさい。
そんな堅苦しいこと言って
論理矛盾が許せないとか
知性が霧散していくとか
考えなくていいから
まあ、炭酸でも飲みなさい。

まあ、炭酸でも飲みなさい。
そん ....
山崎 風雅さんのおすすめリスト(1310)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
包まれる夏の風景___デッサン- 前田ふむ ...自由詩33*07-7-11
明日になれば- 恋月 ぴ ...自由詩35*07-7-10
ちょっとそこまで- 加藤泰清自由詩507-7-9
誇りある嬰死- 悠詩自由詩6*07-7-9
遠い昔の夏の夜- ぽえむ君自由詩15*07-7-8
幸福のピース_- 服部 剛自由詩8*07-7-8
地獄- 渡辺亘自由詩1*07-7-8
キンコム- たけ い ...自由詩5*07-7-7
コール・アウト・ミー- かのこ未詩・独白307-7-7
ヒメジョオン- 悠詩自由詩9*07-7-7
桃の缶詰- a/t自由詩1407-7-7
フラグメント- もりおか ...自由詩10*07-7-7
冷蔵庫にスプーン- 虹村 凌自由詩1*07-7-7
電柱- hiro自由詩507-7-6
ホントウノコト- soft_machine自由詩13*07-7-6
タワシおやじ- ブルース ...自由詩10*07-7-6
*七夕七景〜Eve〜*- かおる自由詩7*07-7-6
ちゅん- shu自由詩807-7-6
Where_are_you_from?- んなこた ...自由詩207-7-6
だぁくん- 小原あき自由詩15*07-7-5
夢色幻想- 石瀬琳々自由詩13*07-7-5
まぬがれ- 錯春自由詩3*07-7-5
雨_、また_雨。- 李伍 翔自由詩3*07-7-5
音信- ku-mi自由詩16*07-7-4
ゆりかご- 小川 葉自由詩407-7-4
断崖の花- あずみの自由詩307-7-4
白昼夢- 麻生ゆり自由詩7*07-7-4
- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-7-3
見つからない- 北大路京 ...自由詩30*07-6-28
炭酸サバイバル- ブルース ...自由詩4*07-6-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44