( ピエロは独りよたついて
( {ルビ歪=ゆが}んだ後ろ姿で
( 深夜のネオン街を横切ってゆく 


早朝 夢から覚めると 
そこはネットカフェの個室だった 
昨晩は酔いどれたまま
揺 ....
電柱と同じように
等間隔に植えられた木々の公園
朽ちた木材のベンチだけが
元来の自然を人々に示す

誰も座れなくなったベンチは
誰も迎えることができず
ただ一人で
日向ぼっこを楽しむ
 ....
どこにも行かないで
そばにいてみつめて

月も凍えるこんな夜は
誰もが人恋しさに震えながら
星の{ルビ運命=さだめ}に想いを寄せるの

流星がスパークしながら
落ちて行くわ涙のように
 ....
陽だまりのベンチで
あなたの姿を見つけたよ
何気ない仕草のひとつひとつから
幸せのあり方を掬いだしては
これで良いのだと
ひとり頷くあなたの姿
大きな卵でも抱きかかえるように
胸の前で孤 ....
あんたがなァ喜んでくれんなら
あんたがなァ気持ちええと言うてくれんなら
うちの手のひらがこすれて
皮膚がベロベロになってもえェねん
喉奥で吐きそうになっても
我慢したるわ

 ....
夕暮れの
紅き流れのきらめきと、水面を渡る
風のもろ手に撫でられて、
君の黒髪は
恥ずかしそうに夕日にはだけている。

私は
遠くの日を見ている君の横顔を見ながら、
なぜだか、そっ ....
君が疲れきっているのは
ずっと走ってきたから

君が泣いているのは
ずっと戦ってきたから

君が落ち込んでいるのは
ずっと努力してきたから

君が笑っているのは
ずっと耐え続けてき ....
恋人は無理 貴方は私を抱いていった
好きなだけじゃ 駄目でしょ
貴方は キスをしながらいった
体からどんどん魂が流れていく
空虚が体を満たし
貴方の言葉は心を突き刺す
涙も流れず空を見上げ ....
 大人のいじめ蔓延との新聞記事を目にしたよ。


 まずい拙い不味い。
 それは。
 子供のいじめが問題になっている渦中に。
 それはいかんだろ。

 暗黒時代をなんとか必死で生きてい ....
人に知られぬ山奥の
地下から湧き上がるその泉
やがては一筋の川となり
海へと流れてゆく

人が届かぬ大空の
空から湧き下りるその泉
やがては一筋の風となり
海へと流れてゆく

地下 ....
うたた寝をしていた 
週末の終電を降りると 
駐輪場に一台 
自転車は倒されていた 

それを黙って立て直し 
冷えたサドルに{ルビ跨=またが}って 
軋んだペダルを今日も漕ぐ

人 ....
みなし子にかける言葉があるか
みなし子に
かける言葉はあるか

霧のような冷たい雨が降る日
孤独と不信に凝り固まった心を持つ子
その子の瞳は何も知らない

知らないけど知っている
日 ....
母ちゃんは台所(だいどこ)飯を炊く
父ちゃんは精出し仕事する
祖父ちゃんの戯れ言聞き流し
祖母ちゃんよ天国で見てろ

嗚呼、宵や宵や
夜風よ冷たくて
何億光年先も見えそうさ  ....
冬の青い空を眺めて
見えたのは
光の粒子だった
きらきらと光るその粒は
純粋な希望の輝き

冬の白い地面を眺めて
見えたのは
水の結晶だった
きらりと光るその粒は
純粋な創造の輝き ....
   私の中で歌っていた
   リズムはもう死んで
   あとには振子とぜんまいが
   解体工場の鉄くず同然に
   ゆっくりと瞬目しながら
   光の中に溶け出していくのだった


 ....
   

   ひとつの恋の終わりは、
   ひとつの音楽とひとつの香りを残す―――




いつだったか
すれ違った文庫本の帯が
そう主張していた

乾かないルーズソックスの ....
厚い胸に抱かれる安らぎを、
強い腕に抱かれる安らぎを、
あなたから教わりました。

恐れの要らぬ、
心身からの甘えに
恋する喜びを、
生きる素晴らしさを知りました。

今、幸せで ....
冷たい風は
そのまま冷たくて
ぼくの身体を凍えさせてゆくけれど
この寒さを乗り越えなくてはと
ぼくを熱くする

冷たい風は
さらに強くなって
ぼくの身体を固めてゆくけれど
この辛さを ....
あの娘は世界を見つけた
そこには世界が広がっていた
周りをどれだけ見渡せど
世界だけが広がっていた

縮み上がるような冷気の中で
小さな小さなこの場所から
世界を知ってしまっ ....
  (それは罰でしょうか
   それともただの汚辱でしょうか・・・・・・)


   樹の幹につと掛けられた梯子に登ったのは
   愚かさでしょうか
   それとも下卑た好奇心でしょう ....
冬のすじ雲に
数羽の鳥が列をなし
横切ってゆく
あの空は海

冬の枯れ野に
数羽の雀が群れをなし
降り立ってゆく
この地は空

天は恵まれ
幸福は満たされ
その喜びを
地へと ....
ほらこんな風に
指と指で窓をつくる
その空間に映し出されるのは
きっといつか見た事のある
冷たく水を{ルビ湛=たた}えた青い空
耳をそばだてて そして
聞くのはなつかしい声
冬から冬へと ....
 ある日のこと。

 38歳独身である我が先輩は堂々と勇ましく宣言した。

 先輩Tさん:『今まではホームランを狙い続け
               空振りを繰り返してきたけれど。』
  ....
繰り返される季節の
永遠を想う冬の朝
一面の土が白く広がる大地は
きららきららと光から音を奏で
音は寒さを物語る

繰り返される季節の
瞬間を想う冬の朝
一面の水が白く波立つ湖は
ふ ....
  1.永遠の序章

(総論)
一人の少女が白い股から、鮮血を流してゆく、
夕暮れに、
今日も一つの真珠を、老女は丁寧に外してゆく。
それは来るべき季節への練習として、
周到に用意されて ....
焼きいも食べたい
だって寒いから

焼きいも食べたい
だって手がかじかんでいるから

焼きいも食べたい
だって体の芯まで冷えてしまっているから

焼きいも食べたい
だって北風が正面 ....
廃校舎に月がさしのべる

光の中野エントランスの階段を

少しずつ確かめるように登っていく

昔のクラスの自分席に座って

月明かりに照らされて

まぶしいので目を細める ....
白い花弁に滲んだ色は、
褪めた肌の哀しみにも似て
わずかな岩の裂け目へと根をつけた
くらしの危うさを今も孕みながら
押殺した声の倹しい日々さえ底なしに
やがて崩れ落ちる恋に焦がれて

夢 ....
全ての負け犬よ
拳を握れ
ポケットの中で
コートの内側で
机の下で
拳を握れ負け犬よ
その手に意思を握りこんで
拳を硬く握れ
意思を握りこんだその手は何よりも硬く
誰にもほどけない硬 ....
幹に巻きつけられた
青白い麦球は
今年も
明滅を繰り返す
流れる光は
高い空に昇って
どこへ

すれ違う流れに
爪先を探す男は
今年も
うずくまる
染みだらけのジャンバーを
 ....
山崎 風雅さんのおすすめリスト(1310)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白い手_- 服部 剛自由詩13*06-12-4
都会のベンチ- ぽえむ君自由詩12*06-12-4
神話- 未有花自由詩11*06-12-4
生きぬく力- 恋月 ぴ ...自由詩46*06-12-4
触発なる日- なかがわ ...自由詩7*06-12-4
寄り添い- ネコ助自由詩206-12-3
君は笑い続けてほしい- ぽえむ君自由詩12*06-12-3
流れ- 茉莉香未詩・独白306-12-3
子は鎹。- もののあ ...自由詩6*06-12-3
空の泉- ぽえむ君自由詩7*06-12-3
夜道の信号_- 服部 剛自由詩15*06-12-3
暁星- 渡辺亘自由詩7*06-12-3
妹よ- なかがわ ...自由詩7*06-12-3
生まれてくる未来への予感- ぽえむ君自由詩12*06-12-2
時をおくる- 月夜野自由詩17*06-12-2
ひとつの恋の- Rin.自由詩24*06-12-2
ゆ_め- ネコ助自由詩206-12-2
冷たい風がぼくを熱くする- ぽえむ君自由詩14*06-12-2
世界と少女- なかがわ ...自由詩4*06-12-1
寓話- 月夜野自由詩15*06-12-1
生存以上の生- ぽえむ君自由詩10*06-12-1
冬の窓- 石瀬琳々自由詩29*06-12-1
いざゆけ先輩!!- 侍フィク ...自由詩8*06-12-1
繰り返される季節- ぽえむ君自由詩14*06-12-1
寂しい織物—四つの破片_デッサン- 前田ふむ ...自由詩42*06-11-30
焼きいも食べたい- ぽえむ君自由詩9*06-11-30
君が好きだったコスモス- こめ自由詩1306-11-30
奈落に咲く_★- atsuchan69自由詩19*06-11-30
全ての負け犬に告ぐ- 虹村 凌自由詩7*06-11-30
いつくしみ深く- 佐野権太自由詩18*06-11-30

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