雪の街で眠る君よ
すっと前を睨み
歩きなさい
何も知らなくてよい
ということはなく
何枚もの鏡が重なる夜
退屈な日はお泣きなさい
その大きな身体を震わせて
いつか来る日のために ....
ひとはみな
さみしいひと、なのです
おんなのひとは
心の慰みに 明るい色と楽しい柄で爪を華やがせ
さみしい心が賑やかになった気に なりたいのです
埋まらない心の物悲しさを知って ....
手を繋ぐのも
同じように「好き」と言うのも
もたれ掛かる温かい肩も
落とさない会話の節々も
弱さをこぼす瞬間も
あなたとの幸せは
....
薄曇りの空がからだを湿らせるだけの
ちっぽけな夜だから追いかけてみる
西の地平に月
最後に沈んだ
星の名を知らない、と
静かに胸に沈めた備忘録
この体は赤道儀だ
....
遠い
いつになく
ほそく笑む
青ざめている唇に
小指で すっと紅をさす
星は 、
籠の小鳥と目が合った
さみしい というわけではないけれど
痛むのはなぜ
こんなにも嬉しい朝なのに震え ....
見るに堪えない
もう限界なのです
あたくし
晴れやかな笑顔の他人を
少しも憎いとおもわずに生きていくことの
むつかしさ
本音を少しだけこぼして
申し訳なさそうにすがっ ....
ぼくは詩人
詩であれ絵画であれ写真であれ
題材を探すのではなく
題材の中に入るものかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
春の花々に出会いました
水田にそばでは
....
ここはどこだい?
僕は自分自身に尋ねる
訳も分からず僕は歩き出した
不安で満ちた
道のりの過ちに気づかずに
いろんな種類の悲しみが滴になって
バケツをひっくり返した ....
ぼくは詩人
人は人として失いつつも
失った以上に人と成す
今日もまた
朝の散歩をしていると
タンポポの綿毛に出会いました
めしべと花びらを落とした
小さな子房はがくを翼に ....
桜並木の通学路
秋風そよぐ渡り廊下
あたしはきみからかくれんぼ
リボンの端をひらひらと
切なく揺らし 息 止める
遅れて曲がる影にさえ
見つけて とすら 言えないで
ひとり遊 ....
傲慢なアロエが花開き
狼煙が上がれば
いけないものが
ひとつ ふたつ みっつ
投げ入れられた天然の業火によって
焼却され始める
炉の中で
いけないものは
極上の白く澄んだ水晶の球に
....
俺は怪人ランバオウと一騎打ちになった。なぜか野原が舞台だ。
街を襲う軍団を叩き潰し、残るは頭目のランバオウ一人となったのだ。
「ランバオウ、さあ、来い!」
俺はこれから戦わんとする相手 ....
白鳥が悲しい最後の鳴き声をあげて飛び立つ、
夕暮れの鮮烈ないのちの地平線が、
赤いインクで跡形も無く修正されてゆく。
絶えず流れ出ている蒸留水の蛇口に、
コップを置いて眺めても、
決して溢れ ....
遙かなる 雲 待ちわびて 待ちぼうけ おそらに 浮かぶ ゆうやけの くも
くじらぐも 昔 しょくした 給食の 小学校の おにぎり 饅頭 。
鰯雲 夕焼け空に 振り返り 今日一日は あなた ....
わたしは中學ぐらいから病気だった。理由は訳はない。よくあるパターンがパターンに重なりパターンを形成していったのだと想う。パターンをパターンとして分析複合していっても結局パターンにしかならないのでパター ....
あの頃、僕らの口癖は
「何かいいことないかなぁ」
規則だらけの学校が終わると
結局いつものゲーセンで
そんな言葉を呟いている
誰か一人が口にすると
それはたちまち仲間達に伝播して
誰 ....
君との約束 前の夜
うれしすぎて 眠れない
君を見つけた瞬間に
夢の中に落っこちた
笑ってないで 早く助けて
きっと楽しいから
君と一緒に食べたくて
作ったケーキ 数えき ....
ぼくは詩人
見えないものが見えるとき
それは美への認識
今日もまた
朝の散歩をしていると
風車に出会いました
無下に野原に落ちていたので
手ですくい上げて
風の吹く方向 ....
UFOをみたわ
妻がいうのを
信じてあげたいので信じる信じれば
信じよ
たとえそれが
なすびの形をしていたとしても
こたつのなかで
足の指で会話してたのは
ケンカしたての若い頃
....
嬉しい時も
悲しい時も
ずっと見上げてきた 空
空を見上げてると どこへでも行ける気がする
空を見上げてると なんだかわくわくする
空を見上げてると 心が真っ直ぐになれる
ぽっかり ....
いつも信じてくれて 助けてくれて 見守ってくれて
何もしてあげられないのに
何でもしてくれて
二人が元気で二人で居てくれることに
何よりも感謝していて
二人の笑顔が大好きで
あたた ....
どうです、{ルビ非晶質=アモルファス}の中でも
ゆっくりとなら動くことができましょう
むしろ動き続けているのです
ああ、あの藍色の揺らめきですか
あれは偏光体の有糸分裂です
触れれば消えてし ....
バーボンだ、もっと
バーボンを焚け
今日 なにを焦がそう
もう 骨しか残っちゃいない
それでも
小さな炎で
じりっと炙れば
ピシ ピシと
春の芽吹きの ....
わたし わたし!
私は わたし わたしは!と
主張したがる 私なのだが
わたしは 小さく わたしは 未熟な
ただの土くれ
それに過ぎない
私は わたし わたしは!と
叫んでいた ....
おさなごの
目線の高さは
たんぽぽ の ほわたの 高さ
そっと 吹いて
あおぞらに
限りない ゆめを 飛ばす
やがて成長し
目線は
志と共に 上がる
スカートの裾 汚さな ....
ぼくは詩人
挨拶は言葉と言葉を結び
心と心をも結ぶ
今日もまた
朝の散歩をしていると
アゲハ蝶に出会いました
バタバタ パタパタ
大きな羽の音が聴こえてきそう
まず ....
こらえても ゆがむくちびる ふるふるふる
うるみ零れる おかっぱの髪
パパあげる 玄関先で 待ちわびて
握り続けた シワシワの春
負けないぞー きいろい声は どこいった
頭ならべて ....
おつかれ
君は最後までキレイだね
フルルフルルと
大地を震わせ
雨が降る
ふわっとむずむず
芽吹いて緑
ちっちゃくても
若芽はやっぱり
イチョウ型
ハンガーの代わりに
お寝坊な樹々の若枝を
ポッキリ ....
あんずの木が
温かい午前の光に
淡く染められている
あんな風に笑えますかと
あなたは訊きましたね
異邦人と呼ばれる彼が
いつまでも私のそばにいられる訳も無く
いらだちと不安だけは
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44